へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

西のラスボス?「雲仙観光ホテル」を目指す旅。その2:ラスボス?登場。

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今日はついにラスボスが登場します。

 

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ホテルから市電で一駅、熊本駅へやってきました。

 

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今日はまず島原を目指すわけですが、熊本と島原の間にはフェリーが2社も運航しています。そのうち一つが高速フェリーで所用30分で行ける「熊本フェリー」、もう一つが通常のフェリーで1時間かけて渡る「九商フェリー」です。熊本市街から熊本港まではバスで30分ほどかかりますが、どちらもクルマで利用するのが多いのか、バスとフェリーの時刻は接続が殆ど考慮されていません。ところが、九商フェリーについては自社で熊本駅から無料の連絡バスを出してくれているんですよ。バスの所要時間も途中ノンストップなので路線バスより少し短く、時間的には高速船の熊本フェリー利用とそんなに変わらなくなる感じです。今回はのんびり船旅、とコチラを選択。

 

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バスに乗車するとシャトル利用者を示すネックストラップが手渡されます。熊本港に着くと、バスはタラップに横付けされて、そのままフェリーに乗船。乗船券はネックストラップと引き替えに船内の売店で支払う流れになっていました。

 

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この便に配船されているのは2018年末に就役したばかりの「レインボーかもめ」。客室には椅子席が並びます。で、ここにもくまモン

 

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出港は11時、島原へ向けて有明海を進んでいきます。ちょうど10分後に出港した熊本フェリーの「オーシャンアロー」が途中こちらを追い抜いていきました。

 

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およそ1時間で島原港に到着です。

 

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ここでバスに乗り換え雲仙へ。島原から雲仙を越えて小浜経由で諫早まで行くバス路線です。

 

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バスは暫く海沿いの丘陵を進んでいくのですが、途中から急激に険しい山道になります。標高800mを一気に登っていく感じ。

 

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「小地獄入口」バス停で下車して徒歩数分、いよいよ「雲仙観光ホテル」にやってきました!

 

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ハーフティンバー様式が美しく、ヨーロッパアルプスのロッジみたい。

この「雲仙観光ホテル」は1935年の創業。「蒲郡クラシックホテル」と同時期、日本がインバウンド誘致を目的に各地に「西洋人が泊まれるホテル」を造るために用意した低利子融資を活用して建てられたホテルの一つです。それ以前から雲仙は上海租界の西洋人向け避暑地として人気があり、日本政府や長崎県も積極的な誘致を行っていました。その「集大成」のような位置づけが、このホテルだったようです。

 

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エントランスからこの雰囲気。

 

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まずはダイニングでランチを頂くことにしましょう。

 

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「山岳リゾート」という位置づけのせいか、メインダイニングも他のクラシックホテルとは少し趣が違い、重厚さの中にも明るさが感じられます。

 

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ホテル名物「雲仙観光ホテル 伝統のビーフカレー」をチョイス。まずはサラダがサーブされましたが、添えられたフレンチドレッシングが丸めのお味でなかなか美味。ちょっと出汁とか和の食材入ってるかな?

 

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カレーはカレーポットで、ライス別に出てくるのが「ホテルのカレー」の王道さを感じます。若干デミグラスソースみたいな濃厚さを感じさせるお味も「正統派ホテルカレーのお手本」そのもの。

 

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食後はコーヒーでまったり。お替わりも頂けました。

 

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昼食後はそのままフロントに案内されてチェックイン、既に部屋の用意もできているとのことで鍵も頂きました。ランチの前に預かってもらっていた荷物も既に部屋に運んであります、とのこと。この辺のスムーズさ、やっぱり「格」が違う気がするなぁ。

 

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メインロビーの階段を2階へ上がり自室へ。

 

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お部屋に到着。この天井の高さはクラシックホテルではよくありますね。

 

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室内に入りますが、まぁ広いこと。入って右手はリビングスペースで、ソファにテーブルなどが並びます。

 

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左手にベッドが並びます。クローゼットもかなり広いものがこちら側にありました。もともと避暑客が長期滞在する前提なんでしょう、数週間分くらいの衣類が収まるくらい大きなスペースです。

 

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リビング側にはミニバー。飲料水はガラスのボトルに用意されています。

 

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バスルーム、洗面台はクラシカルな雰囲気。

 

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バスアメニティはフランスの「テマエ」ですね。確か、そこそこお高い筈だったような。

 

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バスタブ、猫足ついちゃってますよ。

 

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部屋で落ち着いたあとは、館内の探索へ。こちらは図書室。

 

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ビリヤード室とかもあるじゃないですか…。

 

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ロビーも「ちょっとスイスのロッジとか行ってきました」とか行ってもバレなさそうです。

 

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雲仙公園もお散歩。雲仙はホテル開業1年前の1934年に、日本初の国立公園となったところでもあります。

 

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至る所から噴き出す蒸気。

 

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そりゃ「地獄」ですからね。「危険」だと思いますよ…。でも地獄って環境省の管轄なのか。

 

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この日本離れした荒涼たる風景、なかなか見応えがあります。

 

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国道57号を挟んで西側に広がるのが旧八万地獄。「旧」というのは、ココも昔は湯気が噴き出し湯だまりがあちこちにあるような姿だったから。そうしたエリアが少しづつ東へ移動しているようで、今ではこの辺りは静かな見た目になっています。

 

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ホテルに戻ってきました。

 

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ここは雲仙温泉。このホテルにもちゃんと温泉大浴場があります。コレのお陰で、結局はお部屋の猫足バスタブは使わないまま…。

 

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浴場の前はソファやマッサージチェアなどが並ぶ、小さな湯上がりスペースが。

 

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こちらが浴室への入口。

 

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内湯はそれほど大きなわけではありませんが、ホテルの規模からは充分でしょう。雲仙温泉なのでお湯は確か。

 

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二人も入れば一杯な感じですが、露天風呂もあります。

 

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では夕食のお時間。フレンチのコースディナーです。

 

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こちらが本日のメニュー。

 

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ドリンクメニューはこんな感じ。こちらもスパークリング・白・赤を揃えたワインセットが用意されていたので、これを頂きます。

 

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では泡でスタート。

 

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最初は「雲仙舞茸のカプチーノ」「椎茸シフォンケーキ」「玉葱のタルト」が登場。

 

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パンも旨いぞ。

 

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2皿目は「長崎ハーブ鶏の燻製とフォアグラのサラダ仕立て 柿のソース」。チキンとフォアグラって珍しい組み合わせのように感じるけど、なかなか合いますね。

 

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ここで白ワインにチェンジ。

 

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3皿目、「トマト風味の焼きリゾット 自家製唐墨 烏賊 赤足海老」です。海老の出汁が濃厚なスープに浸っており、ちょっとお茶漬けっぽい雰囲気も。

 

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4皿目の魚料理「橘湾 太刀魚の米粉ムニエル 長茄子 牛蒡のソース」がやってきました。米粉の風味が香ばしくて、ちょっと天ぷら風。

 

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ここで赤ワイン。

 

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5皿目の肉料理は「長崎和牛ロースのロティ ドフィノワ添え スイス産 ピノ・ノワールのソース」でした。ドフィノアとはジャガイモのグラタンのようなもの。ワインベースのソースと一緒に牛肉のソースとしてもイケる感じ。お肉が無茶苦茶旨かったのは当然ですな。

 

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お肉のあとはデザート。「デザート前のデザート」的なアヴァンデセールが供されるのが本格的ですね。「林檎のグラニテ」です。

 

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メインのデザートは「UKH秋の味覚 島原栗のデザート」でした。

 

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食後のコーヒーは小菓子とともに。

 

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朝食もメインダイニングで頂きます。

 

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追加料金がかかりますが、卵料理をフレンチトーストに変えることもできるとのこと。なんか美味しそうなんで、こちらをオーダー。

 

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最初にジュース、サラダ、パテやスモークサーモンにチーズのコールドプレート、ヨーグルトが並びます。

 

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島原産カボチャのスープ。

 

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で、フレンチトーストUKH風。ふわふわのぷるぷるで、これがマズいわけがありませんよねぇ。

 

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最後はお上品にフルーツで〆。

 

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朝食後は部屋でのんびり過ごして、11時前にチェックアウトしました。クラシックホテルパスポートのスタンプもしっかり頂きます。

 

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なんか優雅な気分になれるホテルステイでした。