へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

九州&北海道の旅、その2:こんにちは「かもめ」、西九州新幹線一番列車乗車記。

そこまでやるつもりはなかったのだけど。

 

最終の特急「かもめ」をお出迎えしてホテルに戻ろうと長崎駅を出たら、西口の軒下には明朝の西九州新幹線の一番列車自由席狙いの行列が出来ていました。西九州新幹線東海道新幹線でも運行をはじめた最新型の「N700S」の6両編成で、総座席数は400席弱。指定席は150席ちょっとですが、1ヶ月前の指定券発売開始時には秒速で売り切れてしまっています。どうも旅行会社向けの団体用で3分の1程度を既に売ってた、ってのもあるみたいですが…。そうなれば自由席しか選択肢はないわけで、早い人は2日前から並んでいたようです。駅の掲示によれば、初便の自由席には230名までという制限をつける様子。その程度なら前日夜の早い段階で早々に埋まるだろうな、と思っていたのですが、夜中1時前のこの段階でざっと数えて50~60名程度。どうせ初便の出発の様子くらいは観に来たいよね、とは友人とも話していたんですが、それならホテルに戻っても寝れるのは数時間しかなく「もうココに並んじゃおうか」ということになりました。

 

西口のオープン時間は朝4時とアナウンスされていましたが、その前に行列に動きが。形成されていた列が「乗車券をお持ちの方」「これから購入の方」の2つに分けられました。今回は既に「いい旅!西九州きっぷ」を購入済みだったので「お持ちの方」の列に入ります。

 

www.jrkyushu-kippu.jp

 

長崎エリアを中心に2日間乗り放題となるきっぷで、9230円と結構なお値段ですが新幹線の自由席も含めて乗れるので、まぁまぁかな、と。

 

4時に開門すると、「乗車券をお持ちの方」の行列は改札口への待機列へ誘導されました。「これから購入の方」は券売機の方へ列形成し、購入後にこちらの列に加わるような流れになっていたようでした。きっぷ、買っておいてよかった…。

 

程なくすると列の先頭から整理券の配布が始まりました。これ以降は列から一時的に外れてもよく、5時半には戻るようにとの案内でした。

 

新幹線の改札前では開業記念式典の準備か佳境に。鉄オタらしい国交大臣や長崎県知事などお偉いさん多数出席と言うこともあり、事務方らしき皆さんも忙しそうです。

 

朝5時から式典が始まりました。見やすい場所はメディアに割り当てられていますが、その周囲には一般の皆さんも詰めかけています。実は開業初日の一日駅長として欅坂48のメンバーだった「長濱ねる」も参加しており、それがお目当ての様子。長崎出身という縁での人選のようですが、人気あるのね…。おじさん解らないや。

 

式典も終わり5時40分頃、ホームへの誘導がはじまりました。

 

ホームでは係員が適宜、乗車口への列へ案内しています。ラッキーなことに5号車のドアの近くの待機列となりました。この位置なら席の位置は選べるな。

 

駅の案内表示もそうですが、列車の行先表記も「博多」になっています。新幹線自体は途中の武雄温泉までしか行かず、そこからは在来線特急への乗り換えとなるのですが「あくまでも博多~長崎間で一体運用」という位置づけなんですな。

 

暫くすると、今度はホームで行われる発車式に参加する皆さんがホームに上がってきました。

 

そして定刻6:17、西九州新幹線の開業初日第1便「かもめ2号」が長崎駅を発車しました。なお下り列車については博多駅6時発の「リレーかもめ1号」を受ける武雄温泉発7:03の「かもめ1号」が全線を走行する初便、ということになります。その前に新大村発長崎行きの「かもめ101号」というのがあるんですが、発車時刻は6:20と「かもめ2号」より3分遅く、やっぱりこちらが「一番列車」ですね。

 

この「かもめ2号」は各駅に停車し武雄温泉を目指します。とはいえ、その距離はわずか60kmちょっと、名古屋~豊橋間と同じくらいしかありません。そこに中間駅が3駅もあるのは結構凄いような。

 

わずか21分の乗車で終点、武雄温泉に到着。あっという間の「一番列車」体験でした…。

 

ここ武雄温泉では、新幹線と在来線が同じホームの対面に停車し、乗り換えの便が図られています。ただ、上りも下りも同じ10番線/11番線で乗り換えとなるらしく、既にホームには長崎行きの一番列車「かもめ1号」の自由席狙いと思しき人たちが結構いました。これから博多発の「リレーかもめ」が到着するはずで、そこから乗り換えのお客も乗せきれるんだろうか…とちょっと心配。

 

こちらは「かもめ2号」を受ける博多行き特急「みどり2号」へ乗り継ぎます。佐世保発の特急なので「みどり」の列車名が使われていますが、時刻表上などでは「みどり(リレーかもめ)」と記載され、新幹線接続であることがアピールされています。

 

特急で一駅の15分ほど、江北で下車。昨日まで「肥前山口」だった駅です。

 

昨日までは「最強片道切符のゴール 肥前山口駅」と書かれていた看板も一晩で「ようこそ江北町へ」に張り替えられていました。

 

ここからは「超ローカル線」となった長崎本線を辿って長崎へと戻ります。この先の肥前浜より長崎よりの区間は電化設備を撤去して非電化区間となるため、昨日までの電車に替わりディーゼルカーが運転されることに。このために塗装を一新したキハ47系が用意されました。外装はピカピカですが、内装は特に手を加えられていない様子…。

 

昔ながらのボックスシートに揺られ、時々寝落ちしながら長崎を目指します。風光明媚な海沿いの車窓は、もしかしたら特急よりはノスタルジックなディーゼルカーの方が似合うのかもしれないね。

 

諫早で10分ほど停車。ここからまた西九州新幹線に乗り換える手もあるのですが、実は旧国鉄型のディーゼルカーで長崎へ行くってのも暫くできなかったレア体験ではあるので、このまま乗っていきます。

 

ホームに設置されていた自由席特急券の券売機には「使用中止」の札が。もう今後はコレで乗れるような列車は来ないからね…。なお、ここで1名は嬉野温泉駅前で行われる松井玲奈トークショーを見たいと一時離脱。松井玲奈嬉野温泉の一日駅長として開業記念式典にも参加していたようですが、長崎関係ないじゃん…。まぁ「鉄道好き」に加えて秋のNHK朝の連ドラが長崎も舞台となっており、それに出演するから、みたいなのもあるらしいです。嬉野温泉は佐賀だけどな!

 

長崎駅に到着。

 

長崎駅前では10時から開業気炎イベントが行われます。一日駅長の長濱ねるのステージもあるようで、同行の1名はそれを見るとのこと。こちらはほぼ徹夜だったので、ホテルで休ませてもらいました。

 

今日は開業を記念してブルーインパルスの展示飛行が長崎上空で行われることになっていました。折角なので昨日の夜行ったグラバースカイロードの上辺りから見ようぜ、と市電で向かったのですが、皆さん同じことを考えているらしく市内は大混雑。新地中華街で乗り換えが必要なんですが、来る電車みんな満員で殆ど乗れず、3本ほど見送る羽目になるほどです。

 

これはこのまま遠くまで行くと長崎駅まで戻るのが大変そう…と急遽「長崎水辺の森公園」から見ることに。開始時間の午後1時半には間に合ったのですが、それまで曇りだった空模様が見事に雨となってしまいました。そのせいかブルーインパルスも曲芸飛行は一切なく、編隊飛行で上空を通過するだけに。前日は同じ時間と同じ場所でリハーサルが行われたそうですが、その時は晴天で見事な演技を見せてくれたそうな。うーん、そっち見たかったかも。

 

途中バスなども使いながらなんとか長崎駅へ戻り、今度は「西九州新幹線全駅制覇の旅」を始めます。一駅乗って諫早へ。

 

新幹線を迎えるに相応しい、綺麗な駅に変貌を遂げていました。

 

駅のホールではちょっとした記念イベントが行われており、ご当地のお店のグルメの販売などが行われていました。ステージでは渡辺真知子のカバーが歌われています。なんで?と一瞬思いましたが「かもめが翔んだ日」か! でもあの曲、確かにサビは「かもめが翔んだ かもめが翔んだ」ですけど、あんまり前向きな内容の歌詞じゃなかったような気がするぞ、いいのか。

 

では次行ってみよう! ちょうどホームでは上り列車と下り列車が同時に入ってきました。西九州新幹線はN700Sが4編成用意されているそうなので、全車両の50%をここで一度に見たことになるのか。

 

諫早は既存の駅への併設ですが、そこから一駅の新大村は新規に開業した駅になります。

 

在来線の大村線と平行する場所に位置するため、在来線側にも「新大村駅」が新設されました。ただ、こちらは地平ホーム。おかげで新幹線は高架なのに駅の東西の連絡通路は地下道というね…。

 

大村駅前でも開業記念イベントが行われていました。こっちはかなりの規模ですが、大村市としちゃもともと空港がある上に新幹線駅まで来ちゃったんだから、そりゃ気合い入るよねぇ、と。ここでもステージでちょうどバンド演奏が始まりましたが、曲はさだまさしの「長崎小夜曲」。これも歌詞に「都会で溺れた やさしい鴎」って歌詞があるけど、ココ大村市だよね、これもいいのか。なお、午後にはこちらでも長濱ねるのステージがあり、それを見ていた1名と再合流しました。駅前に設置された視覚障害者向けの音声案内板の声も長濱ねる、だったりするのね。ずっと使うのかしら。

 

はい次。

 

嬉野温泉駅も西九州新幹線の開業でできた駅ですが、ここは在来線との接続のない新幹線単独駅。嬉野には90年ほど前までは一応は軽便鉄道があったようなのですが、それ以来の「悲願」みたいな感じらしいです。

 

ここでも駅前広場では結構大規模なイベントを開催中。駅自体は温泉街から1km以上離れた場所にはありますが、温泉への観光客の増加も見込めるだろうし、そりゃ盛り上がるのも当然でしょう。

 

駅の改札前展示されたコレ、「折り紙で作った電車の最多展示数」のギネス記録を狙ったもの。今日の夜にギネスの公式認定員が記録認定の判断をするそうです。

 

www.city.ureshino.lg.jp

 

で、無事世界記録に認定されたそうです。おめでとう!

 

嬉野温泉からは一駅戻り、さっきの新大村まで。西九州新幹線でも途中駅を通過する列車は何本か設定されているのですが、ここ嬉野温泉を通過する列車が結構あります。そのまま次の武雄温泉行きをここで待つと1時間半後になっちゃうのですが、新大村まで戻って嬉野温泉通過の「かもめ」を捕まえると効率的だったのでした。乗り放題のきっぷだからこそ可能なワザですけどね。

 

今まで乗ってきた上り方向の列車はどれも立ち客が出る盛況だったのに、この下り列車は何故かガラガラです。

 

ゆったり座って、といっても10分ほどで新大村。

 

嬉野温泉通過の「かもめ」で武雄温泉に到着しました。

 

ここでいったん改札外へ。新幹線開業に合わせ、こちらも駅が凄く綺麗になっています。改札前には観光案内所を兼ねてセレクトショップ的に地元の商品を扱うお店もオープンしてます。

 

駅前も賑わってます。

 

次の博多行き「リレーかもめ」に乗車、今度は787系の黒い「かもめ」です。

 

1名は今日の夜の便で福岡空港から帰宅というのでそのまま「リレーかもめ」に残留、自分含め2名は「いい旅!西九州きっぷ」有効エリアの東端にあたる佐賀で下車しました。このきっぷには特典として「長崎駅で使える500円クーポン」と「佐賀駅佐世保駅で使える500円クーポン」が付いてくるのですが、ここでお土産などを買ってクーポンを活用した次第。

 

このあとは今日から新設された特急「かささぎ」で肥前鹿島まで行ってみることも考えましたが、流石に徹夜明けでお疲れ気味、と長崎へ戻ろうということに。「リレーかもめ」に大人しく乗り込みました。今度は白い「かもめ」の885系です。

 

武雄温泉で対面の新幹線に乗り換え。この「かもめ」は比較的珍しく途中駅は諫早にしか停車しない速達タイプです。

 

こちらも結構空いてまして、やっと車内を探索する余裕ができました。

 

指定席は横4列シートでデザインも違うようですが、自由席は横5列で東海道新幹線バージョンのN700Sと内装やシートはほぼ一緒のよう。ただシートの色が鮮やかな黄色ということもあって、少し華やかな印象です。シートにはヘッドカバーがないんですが、これは今後ずっとそうなのかしら?

 

夕食は特典クーポン活用も、ということで長崎駅アミュプラザで。ちゃんぽんなど頂いて、今日は解散となりました。