へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

4年ぶりに台湾、その6:乗ったぞ「藍皮解憂号」、枋寮行き編。

折り返します。

 

台東駅は市街地から離れた場所にあるため、駅周辺にはほぼ何もありません。そのかわり、駅構内の店舗はちょっと多め、かな。結局、折り返しの1時間ほどの間は待合室で過ごしました。「藍皮解憂号」枋寮行きの受付は出発30分前くらいから駅構内にテーブルが出され、そこで行われます。往復乗車の場合は既に乗車券も渡されているので再度の手続きなどは不要とのこと。

 

待合室にいたら猫が寄ってきたのですが、どうも「駅猫」だった様子。

 

帰りの列車も1号車の指定でした。往復で号車のアサインが変わるのかも、と思ったら同じままで、来た時と同じ車両に乗ることに。なお往路は客車3両とも乗客がいましたが、復路は乗客が少なかったようで1号車のみ客扱いし、2号車と3号車は締め切りにしていました。

 

早めにホームに並んだので、今度は進行方向向き&海側のクロスシートの席を確保できました。往路で渡された案内のレシーバーは下車の際にストラップごと回収されてしまいましたが、復路分は乗車の際に渡されます。とはいえ、ガイドさんの案内は全部中国語なので聞いたところでさっぱり解らないのだけど。

 

知本で運転停車。昔ながらの信号機が残されているそうな。

 

そこから暫く進むと、車窓にまた海が見えてきます。

 

金崙に到着。

 

ここでは1時間の停車時間が取られています。

 

このあたりは台湾の原住民「パイワン族」が多く住んでいます。ここでの1時間はパイワン族の方の案内でその文化に触れよう、みたいな企画になっていました。

 

ちょっとしたステージみたいなところがあったりそて。

 

いろいろ説明してくれるのですが、なんせ中国語なもんでね…。

 

次に案内されたこちら、なんと「金崙聖若瑟天主堂」というカトリック教会。台湾では古くからキリスト教の布教が行われており、カトリックの信者も少なくないそうですが、この教会はカトリックながらパイワン族の文化が取り入れられているのは大きな特徴です。外装が黒というのも教会としては珍しいし、正面に掲げられた装飾は猪の牙とクマワシの羽で、パイワン族の伝統的な頭飾りで使われるものなんだとか。教会の中に設置された聖人達の象もパイワン族の伝統的な衣装を纏っているらしいですが、月曜日は教会がお休みなため外観見学のみ、でした。「KIOKAI NI SANTO YOSEF」はパイワン語で「聖ヨセフ教会」という意味ですが、「KIOKAI」ってのが気になる。日本語由来、じゃないよね?

 

教会の正面玄関のレリーフも独特です。

 

そのあとは先ほど説明を受けた場所にあった売店でお買い物タイム。パイワン族の民芸品っぽいものも売られています。

 

「班鳩冰店」って台東名物のアイスクリーム屋さんらしいですね。

 

そういうわけで一本買ってみました。

 

列車に戻ると、発車前におやつが配られました。袋の中身はドーナツ、「油で揚げてます!」といった感じの昔懐かしい雰囲気のヤツです。

 

ここから先はこの南廻線のハイライトともいえる海沿いの区間

 

今度は自分の乗ってる1号車は最後尾。貫通路の窓からはこんな絶景が眺められます。

 

今日は天気もよくて最高の景色ですわ。

 

南廻線は途中で台湾海峡側に向けて山間部へ入ります。

 

復路でもトンネル内で減光して夜行列車的な雰囲気の演出がありました。

 

このあたり、台湾を一周する路線の中でも最後に開業しただけあって、かなり山深いところのようです。

 

途中に通過する枋野という駅は単線区間の行き違いのために設けられた信号場みたいなところですが、ちゃんと駅長さんが配置されています。人里離れたところで昇降客もいないことから「台湾で一番孤独な駅長」なんて言われてるそうな。列車の通過時に駅長さん、手を振ってお見送りしてくれました(左端にかろうじて手と足だけ写ってた)。

 

このあたりで再度、車窓に海が見え始めます。

 

枋山で15分停車。

 

ここは台湾の鉄道として最南端の駅。ここで皆さん記念撮影してました。

 

駅舎はなかなか立派ですが、駅舎本屋は閉鎖され横の通路から出入りするようになってました。

 

まぁ駅が高台にあって市街地と離れてるので、なかなか使い勝手は悪そうですからね…。

 

だんだん夕刻の景色になってきました。もう少し日の入りが早い時間の時期であれば、綺麗な夕焼けが拝めそうです。

 

ここで「嘉和遮體」というトンネルを通過しますが、ご覧の通り平地にあって山らしいものは見当たりません。どうもこれ、鉄道建設時に軍事演習場が近くにあったため、そこから砲弾などが飛んでくる場合に備えて作られたんだそうな。ただ、鉄道が開通する頃には演習場は移転してしまい、不要な設備に。それが電化された今でも残ったままになっています。砲弾避けの目的ならかなり頑丈に作ったと思われるので、撤去するのもかなり費用がかかるのかも。

 

復路は終点の枋寮まで3時間20分の列車旅でした。

 

絶景が続く路線をノスタルジックな列車でのんびり進む「藍皮解憂号」、なかなか良いですねコレ。あとはガイドさんの案内がせめて英語対応でもあればいいんだけど…。ちなみに、おそらくこの日の旅客で唯一の外国人だったと思われる自分に対しては、翻訳ソフトを駆使して日本語での説明を試みたりと、ガイドさんやスタッフさんには随分気を遣っていただきました。

 

枋寮は大きな漁港があったり、芸術村とかの観光スポットもいくつかある様子。台北から朝のうちに「藍皮解憂号」に乗るアクセスがあまり考慮されていないのは「このへんで宿泊して」ってことなのかもしれません。

 

駅前からまたシャトルバスに乗って1時間、台鉄新左營駅前まで戻りました。

 

念のため台北行きの最終列車の予約を抑えておいたのですが、次の列車に変更してもらいました。高雄で夕食でもいいかな、とは思ったのですが、夜市などの場所も高雄中心地まで行く必要があるようで…。

 

幸いなことに指定席が確保でき、改札へ。

 

髙鉄左營駅は地平ホームでホームドアがないので、こんな写真も撮れちゃいます。これ、東海道新幹線でも走っていた700系をベースにした車両なんですが、塗装が違うこともあって随分と印象が違います。

 

車内はほぼ満席。途中駅での入れ替わりも意外と多いんですね。

 

この列車、かなりの速達便で台北まで1時間半ちょっとで到着しました。

 

台北駅に帰ってきたのが夜9時半頃、歩いて寧夏夜市まで来てみました。一昨日来たときはほぼ満腹でスイカジュースしか飲んでないからな。

 

ここに来ると、やっぱり蚵仔煎が食べたくなるのよ。

 

蚵仔湯と一緒に頂きました。牡蛎がプリプリで旨い。

 

あとは、ここくらいでしか見かけない気がする餅入りのかき氷。

 

かき氷の上にかかっているのは黒ごま。これも旨いんだわ。

 

この界隈にはいくつか豆花の有名店がありますが、今日はここ「豆花荘」へ。

 

トッピングが多いのを頼んじゃったので、これでかなり満腹。ごちそうさまでした。