香港で宿泊したのはシャムロックホテル(新楽酒店)。
MTR佐敦駅すぐそば、という大変便利なロケーションです。
最近リノベーションが行われたようで、部屋はかなり綺麗です。
香港のホテルとしては部屋は広め、なんじゃないでしょうか。冷蔵庫ももちろん設置。無料のミネラルウォーターのボトルが2本用意されていました。
通常のコンセントに加え、USB電源のジャックも設置されているのは便利。
建物自体は古いものらしく、エレベーターホール前にはこんなミニロビーがあったり。
階段もちょっとクラシカルな雰囲気。ただ、リノベーションが全体的に行われているので古びた感じは一切なし。
なお、宿泊費は1泊6500円ほどでした。本来はこの倍以上は出さないと泊まれない筈(それでも香港のホテルとしちゃ安めの部類)なんですが、この時期どのホテルもかなり値段が下がっていたんです。香港のデモの影響で観光客が減少している影響のようですが、おそらくビジネスでの訪問者も減っているだろうし…。
では3日目ですが、帰国のため香港空港へ向かいます。ネイザンロード界隈から空港へのバス移動だとA21系統の利用が一般的なのですが、かなり北上して深水埗付近まで一般道を進んでから高速道路へ入るので、所要時間は意外と長くなったりします。それに対し、A22系統は佐敦路を西へ進むとすぐに高速道路に入ってしまうため、割と早く空港まで行けちゃうんですよね。ただ、バスを待っていたらE23系統のバスが先にやってきました。この系統はA22に比べると空港内の施設に寄り道しながらターミナルへ行くのでその分10分ほど余計に時間はかかりますが、A22の運賃が39香港ドルなのに比べて14香港ドルと格安。こちらでも時間的には問題ないので乗っちゃいます。
朝7時台ということもあってか、空港勤務者の通勤らしい皆さんで車内はかなり混んでいました。
空港島内に入ると貨物施設などのあるエリアをぐるぐる廻るルートを進みます。途中、キャセイパシフィック航空の本社前も経由。本社ビル前にはDC-3が置いてあるのね。
こんな風景も車窓から楽しめたりするので、ちょっとした空港遊覧バス状態。
結局、佐敦路から約45分で空港に到着しました。
デモの影響で、航空利用者しかターミナルビル内に入れないよう制限がかかっています。実際にここで「航空券やEチケット控え」と「パスポート」をきちんとチェックされました。
第2ターミナルの香港エクスプレスのカウンターでチェックインを済ませます。早朝のせいなのか、店舗などはほとんど開いていませんでした。もしかしたらデモの影響ってこともあるのかな?
香港空港ではプライオリティパスで利用可能なラウンジは3カ所。出発エリアには2カ所ありますが、ウエストホールにある「プラザプレミアムラウンジ」を使ってみました。名古屋への帰国便はミッドフィールドコンコースからの出発で、第2ターミナルからはシャトルに乗っての移動。途中の40-80ゲート方面のストップで途中下車してコンコースに上がり、40番ゲート付近まで行くと上のフロアへ向かうエスカレーターがあります。そのエスカレーターを降りるとすぐに入口。
大きな窓に面しており明るい雰囲気。イーストホールにもプラザプレミアムラウンジがあるのですが、そちらは常に待ち行列ができてる印象なのに対し、こちらはすぐに入室できました。時間帯的に空いてただけなのかもしれないけど。
時間帯的に朝食向けのものが多かったですが、フード類は比較的いろいろある印象。
ヌードルバーもありました。
窓際が確保できれば飛行機を見ながらのんびりできるので、割とお勧めかも。
では搭乗。
機材はA320です。
機内に入ると何か違和感を感じます。黒い革張りシート、オーバーヘッドビンのオレンジ色のライン…。なんかコレ、ジェットスターの機内みたいじゃないですか?
この日の機材の登録番号はB-LCJ。気になって調べたところ、ホントにこの機材、当初はジェットスター向けに製造されたものだったようです。この機材は、もともと「ジェットスター香港」へ納入されるはずだったもの。え、「ジェットスター香港なんてあったっけ?」って「あった」んです、飛ばなかったけど。
中国東方航空とカンタス航空が合弁で香港ベースの「ジェットスター」ブランドLCCを2012年に設立しました。カジノ王として知られるスタンレー・ホー氏の信徳集団からの出資も受けたのですが、最終的に香港当局から営業許可が得られず、会社は解散となってしまったのです。
これだけのプレイヤーが関わって設立された航空会社が何故営業できなかったのか?というのは「国籍条項」のため。
航空会社ってのは国の安全保障にも関わる面もあるため、大抵の国は「ちゃんと自分の国の勢力が支配権を持っているか」という面での規制をかけています。一番多いのは「外国資本の出資比率が3分の1以下であること」。日本もこの規制を適用しています。エアアジア・ジャパンの最初の参入時はANAとエアアジアグループの出資比率はほぼ半数ずつでしたが、エアアジアグループ側の議決権付き株式の保有率を3分の1以下にすることでクリアしていました。
ただ、中には出資比率が形式的に規制内に収まっているだけでなく、実質的な支配権についても判断基準とする国もあります。ヴァージングループがアメリカで「ヴァージンアメリカ」を設立したときも、「実質的な支配権がアメリカにないのでは」と指摘され、経営陣を入れ替えることで認可を受けたりしたというのがありました。「ジェットスター香港」の場合も、香港当局が「実質的な航空会社の支配権がカンタスグループにある」という点を問題視し、認可しないという結論を出したようです。まぁ既存大手からの圧力って説もあるようだけど(^^;)。なお、日本では「実質的な支配権」までは問題としていないようです。
で、このB-LCJ、2013年にジェットスターの塗装で完成したものの、納入されるべき航空会社が営業できないためエアバス側で保管されていたようです。で、2015年に香港エクスプレスにリースされた様子。会社は違いますが、一応「香港ベースのLCC」には落ち着けた、ってことなわけね。