一晩明けたら窓の外は雪景色でした。1時間半ほど遅れて運転中のようです。
シャワーを浴びてから、食堂車へ朝ご飯をとりに向かいます。寝台車の旅客は食事付きなのですが、この「Lake Shore Limited」では、ビュッフェ形式のようにテーブルに食材が並んでいました。
こちらは紙皿やカトラリーにドリンク類やシリアルなどが。
こちらにもシリアル類、そしてマフィンやバナナなどが並んでいて取り放題。このほかにカットフルーツやヨーグルトなどの冷蔵品、温かいマフィンサンドにコーヒーなどのホットドリンクはカウンターで注文すると用意してくれます。
うーん、ちょっと取り過ぎ? 味気ない気もしますが、一応「食堂車」でご飯が食べられるってのは日本ではあまり体験できなくなったコトですから、これはこれでアリってことで。なお、マフィンが予想外に旨かった。
インディアナ州のエルクハートという駅には午前10時頃の到着、約1時間半の遅れ。窓から鉄道車両が見えましたが、これは「National New York Central Railroad Museum」のことでした。ニューヨークセントラル鉄道はその昔この「Lake Shore Limited」を有名な「20世紀特急」とともに運行していた鉄道会社。ハドソン川と五大湖に沿った平坦なルートを「ウォーターレベルルート」として宣伝し、ライバルだったペンシルベニア鉄道の「ブロードウェイリミテッド」と激しい競争を繰り広げていました。結局この2社は合併することになるのですが…。「ブロードウェイリミテッド」もアムトラックに引き継がれましたが、その後運行を取りやめ、「Lake Shore Limited」だけが継続しています。ちなみにニューヨークセントラル鉄道が自社のターミナルとして建設したのがニューヨークのグランドセントラル駅、それに対しペンシルベニア鉄道が作ったのがペンシルベニア駅なわけですが、この「Lake Shore Limited」って昔のライバル列車が出発していたターミナルを使っていることになるんだな。
列車の中を散歩してたら、座席車のデッキが雪まみれになってました。
この列車の最後の停車駅となるインディアナ州のサウスベンド駅。ここを過ぎると列車はイリノイ州に入りますが、時間帯が東部時間から中部時間に変わり、時計の針が1時間戻ります。
車窓から高層ビルが見え始めました。
結局シカゴ・ユニオン駅は11時20分に到着、1時間半遅れとなりました。
機関車2両が荷物車含め総勢15両の客車を引っ張っており、意外と長編成でした。座席車も半分以上は埋まっており、途中駅での乗降も多く見られ利用状況は悪くなさそうです。
シカゴ・ユニオン駅は頭端式ホームになっています。工場みたいで風情はないですが。
駅舎に入り、この駅にもあるはずの「メトロポリタンラウンジ」を探します。この案内図の示す場所に行っても全く見当たらなかったのですが、この地図が全くアップデートされていないことが判明。実際の場所は「グレートホール」近くでした。
こちらがシカゴ・ユニオン駅のファーストクラス・寝台車利用者向けの「メトロポリタンラウンジ」です。
シカゴは西海岸へ向かう長距離列車の拠点となっていることに加え、中距離列車も少なくないせいか、ラウンジはかなり広く、雰囲気も悪くない感じです。
上のフロアにもラウンジのエリアが広がっています。
飲食物は「クラブアセラ」同様にソフトドリンク程度。食べ物はこの時間、何故か野菜が並んでいました。
シカゴ・ユニオン駅もその駅舎自体が一見の価値ありの美しい建物です。
ここにもホリデーシーズンらしいディスプレイが。
このクリスマスツリー、よく見るとオーナメントが鉄道会社のロゴマークになってる!
中央の大きな待合室は地平より下がった位置にあり、この階段で地上と繋がれています。
映画「アンタッチャブル」で乳母車が落ちていくシーンが撮影されたのがココだそうで。他にもこの駅、様々な映画で撮影に使われているそうです。
ユニオン駅の外観。
ここから歩いて5分ほどのところに、今話題沸騰中?のボーイングの本社があったりします。
この1階にボーイングストアがあるのですが、さすがに大晦日は営業してないようです。737MAXのグッズとか欲しかった(やめてさしあげろ)。
駅まで戻る途中「パンダエクスプレス」があったので、ここで昼食を調達。
ラウンジに持ち帰って美味しく戴きました。このオレンジチキン、「なんちゃって中華料理」らしいんだけど、なんかアメリカに来ると食べたくなるんだよな…。