へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

陸海空乗るだけサマー、その2:祝就航!「東京九州フェリー」に丸一日乗るだけサマー。

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7月から新規就航の「東京九州フェリー」に乗ります。

 

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横須賀中央駅から徒歩で横須賀港へ向かいます。今日はこれから「東京九州フェリー」新門司行きに乗船します。横須賀警察署のあたりまでくると大きな船が見えてきました。

「東京九州フェリー」は新日本海フェリー阪九フェリーと同じSHKグループ、関光汽船が設立した会社。速力28.3ノット、時速50km超という快速の大型フェリーで横須賀から新門司までを21時間ほどで結ぶという、なかなか意欲的な航路でもあります。現状、首都圏と九州を結ぶフェリーは東京~徳島~新門司を運航するオーシャン東九フェリーがありますが二晩かかるので、相当なスピードアップになるわけです。ドライバー不足やモーダルシフトで貨物需要も充分確保できるとみての参入でしょうが、こりゃ戦争勃発?と思ったら、オーシャン東九フェリーを運航するオーシャントランスも関光汽船の資本が入ってるじゃありませんか…。まぁこちらは「九州行きの特急便」みたいなもんなのかもしれません。

 

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一応、道案内の看板もたってます。

 

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フェリーターミナルの敷地の入口に到達。

 

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こちらがフェリー就航に合わせて新しく設置された、横須賀港のフェリーターミナルです。誘致を進めた横須賀市と地元の港湾事業者とで揉めてたようですが、一応解決の目処はついた様子。

 

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港にはこれから乗船する「はまゆう」が停泊していました。全長222.5m、総トン数も15,515トンという、日本の長距離フェリーの中でもかなり大型の部類に入ります。旅客定員は268名と控えめですが、トラックは150台以上搭載可能となっており、やはり物流メイン想定であることが良くわかります。

 

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建物に入るとすぐに受付カウンターがありました。窓口が2つしかないので案内所か何かと思っちゃったよ…。特に追加の手続きがなければ殆どオンラインで完結するので、この程度で充分なのかしら。

 

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壁面にはSHKライングループの航路図が。新日本海フェリーでも阪九フェリーでも、こんなの描いてあるターミナル見た記憶ないぞ。それだけ気合い入ってる航路ってことかな。

 

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これから乗船する「はまゆう」の模型も置かれていました。

 

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2階が待合室。いくらフェリーとして高速とはいえ丸一日かかるのですが、なんか徒歩乗船客が妙に多い印象。就航したばかりなので珍しさもあるのかな? 待合室には売店もあって、意外と設備面ではちゃんとしてます。

 

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就航時間は23:45ですが、乗船開始はその1時間前となる22:45でした。3階へ上がりボーディングブリッジから乗り込みます。

 

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早速、自分の部屋へ。今回予約した等級は「ツーリストS」、一人用の個室です。このフェリー、料金体系が「基本運賃+ルームチャージ」となっており、通常期の横須賀~新門司の基本運賃が12000円。これはベッドタイプの「ツーリストA」が利用可能で、それより上の等級に乗るためには「1室当たり」の追加料金が加算されます。この「ツーリストS」だと6000円です。

 

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入口側にはテレビが設置されています。

 

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枕元には読書灯、それとコンセント2箇所+USB電源が1箇所あるので充電には困りません。HDMI端子もあるのですが、何のためにあるのかは訊かなかったな…。

 

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この個室は施錠できるのですが、鍵がなんとQRコード。ウェブチェックインした画面か、乗船券に印刷されたコードをココに読ませると解錠されます。

 

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出航までまだ時間があるので、自室のある4階から中央の吹き抜けを上がって6階の大浴場まで。

 

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男女別の展望大浴場は出航日も深夜1時まで解放されています。浴室には大きな窓がありますが、それに加えて露天風呂まであったりします。ただ、露天風呂は出航後のオープンでした。

 

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定刻の23:45に横須賀港を出港、九州まで約21時間の船旅の始まりです。奥の方にはライトアップされた「船艦三笠」も見えました。

 

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この「はまゆう」、横から見た全体図はこんな感じ。旅客定員の確保がそれほど必要でなかったせいか、船体は長いのに客室部分は前の方に寄ってるような形です。

 

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これが船内図で、旅客区画は4階・5階・6階の3フロアになっています。

 

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施設の営業時間は4階に掲示されていました。

 

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夜食でレストラン営業があったので、軽く頂いて寝ることに。

 

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カウンター席が多めで、一人での利用がしやすい感じ。

 

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オーダーは差席に設置されたタッチパネルで行います。

 

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「東京九州フェリーオリジナルビーフカレー」を注文。料理はスタッフさんが持ってきてくれました。新日本海フェリーのレストランのカレーも旨かったけど、これも安定のお味、ですな。これで700円なら全然アリでしょう。

 

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尚、レストランはお会計もセルフサービス。伝票のバーコードを読み取らせ、ここで自分で支払うようになっていました。

 

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翌朝、ちょっと船は揺れている印象。酔うほどではないですが、ちょっと何かに捕まって移動した方がよさそうな程度には感じます。

 

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では船内をいろいろ見てみましょう。こちらが4階の案内所兼売店。オリジナルグッズなども売ってます。

 

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吹き抜けの中央にはテレビコーナーがありました。この日は東京オリンピック開会式の日でしたので、入港前の時間はかなりの人が集まって観てました。

 

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窓側には椅子とテーブルの並ぶパブリックスペース。持ち込み品での食事とかはここがよさそうです。

 

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コインロッカーと喫煙所も4階に。カラオケルームもあるのですが、新型コロナ対策で利用停止中でした。

 

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レストランは一つ上の5階にありますが、その前には窓側へ向いたカウンターを備えるパブリックスペースがありました。

 

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左舷側にも椅子などが並べられています。

 

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4階の前方にあるのが、このフェリーの名物?ともいえる「フォワードサロン」。新日本海フェリーの船にもだいたい設置されているやつです。ただし、そっちは「荒天」とかで閉鎖されてることが多いけど。

 

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船首方向に窓がセットされ、進行方向の景色を楽しむことができます。テーブル席もあったりして、意外と広いです。

 

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窓側に腰掛けると、こんな景色が見えるわけです。

 

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6階には「スクリーンルーム」、プラネタリウムや映画上映などが行われます。この手の施設は時節柄閉鎖されてることも多いのですが、ここではバリバリ開けてました。

 

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内部はこんな雰囲気。人をダメにする系のソファが並んでいて、とても快適です。午前中のプラネタリウムと午後の映画上映で2回もお世話になっちゃいました。

 

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朝10時頃、昨晩新門司を出航して横須賀に向かう僚船「それいゆ」と行き違いました。

 

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船内でアナウンスがあったので、多くの人がデッキに出てきていました。

 

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船内ではだらだらしたり露天風呂入ったり昼寝したりと気ままに過ごしましたが、お昼ご飯はコレで。夏季限定でバーベキューやってるんです。

 

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レストランの先のオープンデッキがバーベキューコーナーになってます。

 

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船の上で潮風に吹かれながらビールに焼肉なんて、そりゃ天国ですがな。

 

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肉をおかわりしてバーベキュー継続でもよかったのですが、レストランメニューにも気になるアイテムが色々あったので河岸を変えてみます。レストランでは生ビールは自動サーバーでの提供。

 

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今度はジョッキで。

 

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食べ物は「湘南シラスのシカゴ風ピザ」で。これをシカゴ風というのはシカゴに謝るべきな気がしないでもないですが、まぁ確かにチーズは多かったし、これはこれで旨かったのでヨシとします。

 

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お昼頃からは殆ど揺れも感じなくなり、穏やかな航海となりました。夕方6時前に佐多岬付近を通過。

 

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夕食もレストランで。ちょっとお高めで1600円もしましたが、刺身や天ぷらに焼魚などが揃った「黒潮松花堂御膳」を奮発しました。

 

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夕食が終わる頃には、すっかり日が傾いていました。

 

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雲の多い空でしたが、そのかわり雲が真っ赤に染まる綺麗な夕焼けを拝めました。こんな夕景がフォワードサロンから眺められるのは九州行きの特典かもしれません。

 

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進行方向に陸の街灯りが見えてきました。長いようだった船旅ももうすぐ終了です。

 

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定刻21時、こちらも新設された新門司港ターミナルに到着しました。

 

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ボーディングブリッジからターミナルに入り1階へ。

 

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ここ新門司港からは門司駅小倉駅までの無料送迎バスが利用できます。この辺は公共交通が何もないので、コレがなければ困るワケですけど。

 

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門司駅前を経由して30分ほどで小倉駅に到着しました。

 

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これから博多駅まで移動しなきゃいけないんですが、ちょうど特急「きらめき」の出発時間に間に合ったので、そちらを使うことにしました。JR九州の「ネットきっぷ」だと片道1470円と比較的安く購入可能です。

 

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787系の7両編成ですが、グリーン車が1両と指定席車が1両のほかは全て自由席。そこで普段はなかなか使わないコンパートメント席を選んで座りました。ちょっと欧州の列車みたいな雰囲気なんですよね。

 

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コンパートメント席のセクションの隣の独特な天井も健在。ここは787系が特急「つばめ」として活躍していた頃にはビュッフェだったところなんですが、九州新幹線の開業と同時にビュッフェ営業は終了となり座席車に改造されてしまった部分です。でも印象的だった天井の意匠はそのまま残されたんですね。

 

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博多駅に着いてちょっと腹ごしらえ…と思ったら、駅構内の飲食店が夜11時近くてもまだ開いているところが意外とあるんですよ。博多ラーメン「ShinShin」へ。

 

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豚骨ラーメンを一杯頂きました。

 

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そして今夜のお宿、「アパホテル博多駅筑紫口」へ。ちょうどアパホテルでは「2泊目1000円キャンペーン」とかをやってまして、そのせいでなんと2泊で3980円という激安価格で泊まれてしまいました。

 

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さすが安定のアパ、お部屋の狭さは折り紙付きですねぇ。ただ、ベッドは広いしテレビはデカいし必要なモノは揃ってるしで、これで全然オッケーなのが凄いな、と。