へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

2020年3月初旬に北米に出張した人によるメモ。

2020年の3月初旬、アメリカへ出張がありました。

 

訪問地はニューヨークとボストン。

 

特にニューヨークはこの訪問の直後、非常事態宣言が出されるような事態に陥るのですが、自分が滞在していたときには平穏そのものだったのですよ。

 

これも貴重な体験かも、と思って記録しておきます。

 

<2020年2月29日>

この前日、ワシントン州アメリカでは初めて新型コロナウイルスによる死者が発生。

 

名古屋からの直行便でデトロイトに飛び、ここで入国審査。年末年始の渡米の際の帰国便が中国行きだったためか到着時に呼び出しを喰らい、エスコート付きの入国審査となった。ただし、入国の際に健康チェック的なものは一切なし。他の国ではよくやっている、サーモグラフィーによる体温測定などもなく、これで大丈夫?って感想だ。

 

デトロイトからは夜10時過ぎにニューヨーク・ラガーディア空港に到着。ホテルまでは乗り合いシャトルバンを予約していたが、結局乗車まで30分ほど待たされた。6人の乗り合いで出発、他の乗客のホテルを廻って自分が一番最後。それでも40分ほどでホテルに来れたから、まぁいいか。

 

<2020年3月1日>

ニューヨーク州で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたとの発表があった日。また、ワシントン州では2名目の死亡例。

 

今日は夕方からミーティングがあるけど、それまでは自由時間。最近「インスタ映えスポット」として人気というブルックリンのダンボ地区へ行ってみることにする。

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ビルの間からマンハッタンブリッジ、その先にエンパイアステートビルなどマンハッタンのスカイラインが望める、いかにもニューヨークっぽい景色。多くの人がのこ風景を写真に収めようと集まっており、やっぱ皆「映え」好きじゃん、と思った次第。

 

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このエリアはもともと倉庫や工場があったところ。すっかり寂れていたのですが、再開発が進んですっかりお洒落スポットに変貌してしまったとのこと。この「エンパイアストアーズ」も古い倉庫を改装した商業施設で、雑誌「TimeOut」プロデュースのフードコートなどが入居、かなり賑わっていた。

 

夕方はミーティングのあと夕食。ホテルに戻ってテレビをつけると、ニュースのメイントピックは、間もなくやってくる大統領選の「スーパーチューズデー」のことばかり。その後にちょっとだけ新型コロナのお話がある程度で、なんか全然話題になってない感じ。

 

<2020年3月2日>

昼間は関係先数件を廻ってミーティングを実施。相手が日系企業、ということもあるけど、特に日本人とかアジア人だからといって敬遠されるとか、そんな雰囲気は一切感じられなかった。まぁ人種が色々でアジア系も沢山いるニューヨークでいちいち「アジア系だ!」とか避けてるワケにもいかないのかもしれないけど。

 

夕方からは現地企業の皆さんとの商談会。主催側に「日本では商談会が中止にならないか皆心配してましたよ」と話したところ、ニューヨークではそんな雰囲気は一切なかったらしく、逆に吃驚された。現地側の出席者もほぼ予定通り50名以上が来場と大盛況。テーブルを挟んでのプレゼンテーションだったけど、参加者の皆さん、ごく普通の反応。

 

<2020年3月3日>

この日はランチをかねて、こちらの関係先を招いたプレゼンテーションイベントを実施。セッティングを依頼したエージェントによると、参加予定者から「今回のイベントには日本・韓国・中国一ヶ月以内に滞在していた人は来るのか」という質問があったとか。あ、気にしてる人いるんだ…。結局、出席で回答を貰っていた人数の6割程度が実際に参加、ちょっと寂しい感じになってしまって残念。「あ、あのお店ですかイイですね」とこちら在住の日本人に言われるような、人気の日本料理店で実施したのになぁ。

 

イベント終了後はラガーディア空港にLyftで移動、空路ボストンへ。

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ランチが殆ど取れなかったので、空港のゲートエリアにあるレストランで軽く食事に。テーブルにタブレットが置かれていて、オーダーは全部コレでできる上に、クレジットカードリーダーも用意されていて支払いも出来るという便利仕様。日本語も対応してるし。

 

<2020年3月4日>

この辺りから、ニューヨーク州での感染者数がどんどん増えていった。カリフォルニア州で非常事態宣言が出た日でもある。

 

ボストンでは午前中から商談会。ニューヨークよりも規模は小さく、現地側の参加者は30名ほどだけど、出席予定者の殆どが来るという高打率っぷり。一般的な商談会だと予定の7割来れば上出来、だそうだけど。こちらもテーブルでプレゼンテーションを行う形式だけど、特に現地の皆さんは「日本から来たひとたち」を気にする様子は無し。

 

午後はこちらでも関係先を数件訪問。ボストンでは現地企業もあったけど、ここでも「新型コロナ」を感じさせるような対応には全く当たることなく終了となった。

 

今回の出張での「お仕事」はいったんこれで終了。皆で打ち上げ…とボストンらしくロブスターを喰いに行くことに。

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調子に乗ってオーダーしたらこんな凄いモノが出てきてしまった…。ロブスターは「スモールサイズ」と言われたのに結構デカいし、貝類も山盛り状態。まぁ旨かったけど。

 

<2020年3月5日>

この日、ニューヨーク市では日本や中国からの帰国者に対し14日間の自宅待機を求めることを発表。

 

今日は「予備日」で予定は特になし。市内視察を敢行することにする。

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ボストン市内観光でよく知られているのが「フリーダムトレイル」。アメリカ建国の歴史上で重要なスポットがボストンには多数あるが、この地面に敷かれた赤い線に沿って歩けば主要なスポットを巡れる、というもの。確かに解りやすくて良いアイデアだけど、この「赤い線」の維持管理が大変そう。公園や私有地、歩道など所有者や管理者が違うエリアに跨がっているので、その調整などを考えると他の都市で簡単に真似できるとは思えないな。

 

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ボストンで「美術館」と言えば名古屋人的にはビミョーな感情を呼び起こさせる「ボストン美術館」が有名だけど、今回は「イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館」を訪問。

 

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ここで観たかったのはフェルメールの「合奏」…の跡地。この美術館、1990年に大規模な盗難事件の被害に遭っており、13点の作品が持ち去られてしまったのだけど、その中にこの「合奏」が含まれていた。かってフェルメールが飾られていた額縁は、その中に収まるべき主人の帰りを待つようにそのまま置かれていた。

 

<2020年3月6日>

帰国日。

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朝7時にホテルを出てボストン空港へ。市街地と空港が近いので、これでも朝9時発の便に余裕で間に合うのはありがたいところ。

 

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デトロイト行きは8割ほどの埋まり具合。

 

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デトロイトでは1時間の接続で名古屋行きに乗り換え。アメリカでは国内線同士と国内線→国際線の乗り継ぎでは保安検査の通過がいらないのでラクだな。

 

<2020年3月7日>

夕方、セントレアに到着。

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この日、ニューヨーク州では非常事態を宣言。

約1週間のアメリカ滞在中、「新型コロナウイルス」による影響は殆ど感じることはなく、そこにあったのは普段通りの日常。それが僅か数日後、こんな大騒ぎになるとは…。