へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

敢えてショボい部屋に泊まる「ホテルニューグランド」。

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クラシックホテルを訪ねる旅をいろいろやってるわけですが、横浜の「ホテルニューグランド」へ泊まってきました。

 

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今回はJTBダイナミックパッケージをWEBで購入しました。乗車券や案内は出発の5日くらい前に送られてきましたが、地域共通クーポンは電子版の発行です。

 

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今回申し込んだのは「こだま」利用が基本のプランで、追加料金でグリーン車にアップグレードしたり「のぞみ」が使えたりするするものでした。往路は「こだま」でグリーン車を奢っちゃったぞ。

 

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「のぞみ」ならノンストップで1時間20分ほどで着いてしまう距離を1時間余計にかけて、新横浜に到着。

 

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横浜線に乗り換えて桜木町で下車します。

 

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この「CIAL桜木町アネックス」は今年オープンしたJRの商業施設ですが、ちょうど日本最初の鉄道路線横浜駅があったところに位置します。そのためなのか、1階のロビーには鉄道開業当時から使われていた日本最古の蒸気機関車が展示されています。

 

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機関車の後ろには当時の客車を再現したレプリカが繋がっているのですが、ちょうどこの時は「鉄道の日の記念企画」としてCIALで500円以上の買い物をすると客車の中に入れる、というイベントをやっていました。しかも抽選に当たると景品も貰え、当選して記念切符や特製クリアファイルなどを貰ってしまいました。

 

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桜木町からはバスで山下公園へ移動します。

 

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GoogleMapで調べると、先ほどの場所のすぐ近くにバス停があるように表示されます。でも、そちらの方へ行ってみてもバス停どころかクルマが停車できるような場所すらありません。結局、バス停があったのは駅の東側にあるバスターミナルからでした。騙しやがったなGoogleMapめ!って感じですが、確かGoogleMapの交通機関の情報は事業者がデータを提供していたはず。恐らく、バス停の座標データがヘンなやつが渡ってるんじゃないでしょうか。実際、駅周辺にあった案内地図でもこの辺りにバス停があるように見えるヤツがいくつかありました。

 

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山下公園のバス停は今夜のお宿、ホテルニューグランドの目の前でした。

 

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ロビーに入るとスタッフが駆けつけてチェックイン。部屋までの案内もスムースで、さすがに老舗ホテルのサービスレベルを感じさせます。

 

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今回選んだのはシングルルーム。正直、ホテルニューグランドの中では独特の風情があって、個人的には一番好きなお部屋です。昔は「楽天トラベル」や「じゃらん」でも数千円でよく出ていたのですが、最近はあまり売られているのを見かけなくなっているような気がします。今回もいろいろ探してみた結果、唯一シングルルームを希望日で売っていたのがJTBでした。実は中庭に面したところに、これよりも狭くてシャワーしか着いてない部屋があって、そっちもいいんですけどね…。

 

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部屋の造りが古いせいかコンセントが少なく、デスクの下に空きが1箇所あるくらい。それを補う意味なんでしょうが、電源の延長コードが備品として用意されていました。

 

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部屋の奥にある扉、コネクティングルーム用のドアかな?と思ったらクローゼットでした。スリッパや金庫などもここです。

 

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お茶は煎茶やほうじ茶のティーバッグのみと少なめ。

 

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コーヒーもありますが有料です。

 

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ミニバーはいろいろ用意されていて、今どき珍しく冷蔵庫が一杯になっています。あ、別料金ですからねコレ。

 

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バスルーム。こちらの部屋にはバスタブがあります。

 

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アメニティは豊富に用意。石鹸とか、イイもん使ってるな、って感じの使用感と香りでしたしね。

 

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ポットは何故かバスルームの中に置いてありました。

 

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ちょっと時間があるので、ホテルニューグランドの真正面に位置する氷川丸に行ってみました。

 

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ここに1961年に保存されてから様々な使われ方をされてきましたが、今ではもとのご主人様ともいえる日本郵船の所有となり、オーシャンライナーだった往時を再現した「博物館」になっています。

 

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建造当時の流行だったアールデコ様式を取り入れた内装が美しく再現されています。

 

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操舵室にのぼって振り返ると、すぐ後ろにホテルニューグランドが。

 

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そのまま中華街の方もぶらぶら。

 

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メインストリートでもいまだにシャッターを閉めている店もあったりするし、人通りも心なしか寂しく感じます。横浜中華街ってこんな感じじゃなかったよね…。そんな中でも「地域共通クーポン」持ってる観光客から毟り取ってやろうという気概を感じるお店もあったりして。

 

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そんな中、一際賑わっているお店がありました。

 

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焼小籠包ですね。折角なので頂いてみましたが、皮の中にスープがたっぷりあって、台北の夜市とかで普通にありそうな感じで美味でした。

 

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ホテルに帰還。

 

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館内をいろいろ見て廻ってみます。山下公園側の昔のメインエントランスに繋がる階段、まぁ美しいこと。

 

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この雰囲気、やっぱりいいよなぁ。

 

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階段を2階から見下ろしたところ。

 

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このあたりはバンケットホール前のロビーとなるところ。ちょうど明日は結婚式があるようで、スタッフの方が準備を進めていました。

 

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なんでもない階段室も、独特の風情があります。

 

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宿泊プランは朝食付きなので夕食は別に考えないといけないのですが、地域共通クーポンが5千円分も付与されたのでホテルでゴーカにいっちゃいましょう。本館1階の「ザ・カフェ」です。

 

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なかなか混んでいるようで、15分ほど待ってからテーブルに案内されました。「入口の近くのお席なんですがよろしいでしょうか」と丁寧に訊かれてしまいましたよ。

 

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新型コロナ対策ということでメニューブックはなく、このQRコードを自分のスマホで読み込んでメニューを見るカタチになっていました。ホテルのカフェって大きなメニューを捲って悩むのも楽しいんだけど、今回はご時世柄仕方ないね。

 

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こちらで頂くのはシーフードドリア、ここホテルニューグランド発祥の料理の一つです。ホテルニューグランドの初代総料理長だったサリー・ワイルは「要望があれば何でも作るよ!」という姿勢だったそうで、このドリアもそんなお客のリクエストから生まれたものなんだそうです。サイゼリヤのミラノ風ドリアが10個くらい喰えそうなお値段だったりはしますが、確かにお上品に丁寧に作られたホワイトソースは優しい味わいで、レベルの違いを感じずにはいられません。

 

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白ワインと一緒に頂きました。

 

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デザートは、これまたホテルニューグランド発祥というプリンアラモードです。ちょっと固めのプリンがクラシックな感じ。戦後ここが進駐軍の施設だった頃に「ボリュームのあるデザートを」と考案されたんだとか。あと、スパゲティナポリタンも同時期にここホテルニューグランドで生まれた料理だそうです。今回はナポリタンは見送りにしましたが、期間限定で「ドリア」「ナポリタン」「プリンアラモード」をセットにしたメニューも出たりとかしてるみたいなんで、その時に再チャレンジかしら。ちなみに宿泊者はレストランで10%割引が受けられ、この3品で5千円を切るお値段に収まりました。

 

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夜になると中庭がライトアップされ、またいい雰囲気になります。

 

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地域共通クーポンが1000円分残ったので、ホテルのバー「シーガーディアンⅡ」へ行ってみます。ここも数々の小説や楽曲などに出てくる有名なところですよね。

 

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当然ながら、といった感じでココのシグネチャーカクテル「ヨコハマ」をチョイス。ジンベースなんですね、これ。

 

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朝食はタワー館にあるメインダイニング「ル・ノルマンディ」で用意されます。

 

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横浜港を見渡す大きな窓が明るい印象で、本館とまた違った雰囲気があります。

 

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窓の向こうには山下公園氷川丸が正面に見えます。

 

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横浜の街並みを見渡す窓側の席に案内されました。

 

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コーヒーとオレンジジュースから。

 

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こんなレストランですから朝食は当然のように洋食なのですが、普通のフルブレックファストに加えて「モンテクリストサンド」も選べるようになっていました。なかなか珍しいメニューですしホテルの看板っぽいので、こちらを頼んでみました。コレ、フレンチトーストにベーコンとチーズを挟んだ「甘い+しょっぱい」一品。どうもアメリカ発祥らしいのですが、あぁアメリカ人ってこういうの好きそうだよね、と納得。ホテルニューグランドって他のクラシックホテルに比べると「欧州風味」よりも「米国風味」を感じるところ、結構あるような気がする。あ、コレですが予想以上に旨かったです。塩味のフレンチトーストって意外とイケる。

 

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ダイニングの入口には伝説の豪華客船「ノルマンディ」のパネルが。レストランの名前の由来ってここから?

 

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100年近い歴史を誇るホテルだけあって、その来歴を示す展示が館内の数カ所に置かれています。こちらは昔のパンフレット類や、開業当初のホテルのミニチュア模型などが。

 

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ホテルの歴史や様々なエピソードを紹介するパネルコーナーもありました。関東大震災からの復興のシンボルとして官民挙げて作られたのがこのホテルニューグランド。この「歴史」と「プライド」があるから、横浜に数々のハイクラスホテルが生まれても、ここが「横浜を代表するホテル」の座を守れているのかもしれません。