へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

ひねくれて、アルペンルート。その2:雪の壁をオープントップバスで&奇跡のトロバス。

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今日は立山黒部アルペンルートを制覇しますよ。

 

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ホテルをチェックアウトして電鉄富山駅へ。

 

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ここで富山地鉄立山までの切符と、その先のアルペンルート終点の扇沢までの切符を購入します。電鉄富山駅で購入すると、立山駅到着に合わせて美女平行きのケーブルカーの予約も入れてくれます。この立山黒部アルペンルートにおいて輸送力のボトルネックになっているのが立山~美女平の立山ケーブルカーなんです。繁忙期はこのケーブルカーに乗るのに長い待ち時間が出ることも珍しくない…のですが、今はガラガラなのでそんな心配はいらないんですけどね。

 

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立山行きの各駅停車に乗車します。以前は朝の時間帯は富山発の特急なんかもあったと思うのですが、観光客も減った今では運転する必要もないのか。

 

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電車に揺られて約1時間、立山でケーブルカーに乗り換えます。やっぱりお客さんの姿は疎ら。本来であればこの時期、雪の珍しいアジアからの観光客で大混雑する筈ですが…。

 

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立山から美女平まで、高低差約500mを7分で結びます。登山客も多いため、ケーブルカーの客車の後ろに荷物車を繋いでいるのが特徴です。

 

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美女平では室堂行きの高原バスへと乗り換えます。

 

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このフロアの一角のここ、昔は確かお土産物屋さんがあったはずなんですが。昨シーズンも新型コロナの影響が直撃して利用者数も大幅に減ったようなので、なかなか厳しいのでしょう。

 

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美女平から室堂までは約50分のバスの旅となります。途中、景勝地の一つとなる称名滝が見えるスポットで少し停車。

 

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車外に出ることはできませんが、車内から滝ができるだけ多くの人に観て貰えるよう、ここでゆっくりと走ってくれます。

 

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バスが高度を上げていくと、かなり雪が増えてきました。

 

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室堂に到着。辺りは曇り空で、時折霧が覆うお天気。

 

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まずはコイツを片付けます。「SKY BUS TOYAMA」ですが、今年は期間限定でアルペンルートの「雪の壁」を遊覧するオープントップバスが運行されたのでした。これが5月21日から30日までだったので、ひねくれた結果コレを目指してはるばる名古屋からやって来てみたわけです。

 

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バスの料金は1200円、時間は15分ほど。ただ、今年はアルペンルート全通50周年記念として、開業当初に片側一車線しか除雪していなかった姿を再現しており、いつもより狭いところをオープントップバスで見学できるというレア体験だと考えれば悪くはないお値段でしょう。

 

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2階席に陣取っていざ出発。こんな感じなので寒い…。ここはまだ冬ですな。

 

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お天気がイマイチなのが少し残念ですが、2階建てバスの高さを遙かに超える高さの雪の壁の間を通過する姿をこの迫力で見ることができました。

 

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バスは雪の壁エリアを抜けて折り返し、また雪の壁を通って室堂のターミナルまで戻ってきました。

 

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今度は徒歩で雪の壁を目指します。

 

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よく考えてみたら、こんな風景は日本どころか世界中を探してもそんなにないんじゃないかなぁ。昔はアルペンルートと言えばオンシーズンは夏、爽やかな高原を楽しむ観光地という認識で、あんまり日本人が「雪の壁」を有り難がっていた印象はありません。それが台湾人からこの風景が大人気になったあたりから、その価値が認識され始めた…というような感じだったかと。

 

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さて、お次は立山トンネルトロリーバス大観峰を目指します。

 

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実はトロリーバス、法的には「無軌条電車」と呼ばれ「鉄道」の扱いとなります。ここ室堂は標高2450m、「鉄道駅」としてここが一番標高が高いとも言えそうですが、そういう扱いをされているのは見たことないなぁ、

 

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トロリーバスはずっとトンネルの中を進みます。この4kmほどの長いトンネルを開業当初は通常のバスで運行していたそうですが、いまではこのトロリーバスが採用されています。

 

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大観峰には10分ほどで到着。展望台への通路は「雪のトンネル」になっていました。

 

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この展望台からは黒部ダムや黒部湖が一望できます。立山の真下を抜けたこちら側は晴れてきました。

 

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ここで立山ロープウェイへ乗り換えとなります。

 

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乗り場近くのここも、昔はそばスタンドか何かがあったところだったような…。室堂のレストランがかなり混んでいて昼食をパスしたので、この辺で何か食べられれば、と思ったのですが。

 

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大型のゴンドラは半分程度の埋まり具合。

 

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上りのゴンドラとすれ違い。

 

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黒部湖を見下ろしながら、7分ほどで黒部平に到着しました。

 

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立山ロープウェイの特徴は1.7kmの距離で中間の支柱が一本もないワンスパンになっていること。冬期の雪崩などで支柱が流される恐れがあるため、スイスなどから技術を学んで建設したんだとか。

 

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ここ黒部平も商業施設の縮小が見られます。ここ確かそばなどの軽食を販売していたスタンドだった筈です。窓側に残されたテーブルがもの悲しい…。お土産物店は営業していて規模も維持されている感じでしたが、そちらの中にあるスナックコーナーも品目がかなり縮小されている様子。

 

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ここからは黒部ケーブルカーに乗車、黒部湖へと向かいます。

 

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このケーブルカー、全線がトンネルの中。

 

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トンネルの中をずっと進んで5分ほど、黒部湖に到着しました。

 

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ケーブルカーの駅からトンネルの中を暫く歩くと、黒部ダムが見えてきました。

 

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結局ここまで何も食べてません。レストハウスで何か頂きましょうか。

 

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さすがにコチラのレストランは通常営業中でした。

 

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ダムと言えばダムカレー、ですよねやっぱり。

 

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ゆっくり昼飯を食べてたら、上の展望台にまで行く時間がちょっと取れそうにない感じになってしまいました。下の方の展望台をうろうろしてみましたが、これから夏のシーズンになるとダムからの観光放水が始まり、ここから迫力ある水しぶきがよく見える筈です。

 

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このダムの完成は1963年。電力のためとはいえ、よくこんな凄いモノ造ったよな…。

 

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黒部川下流のほうを見ると、その「凄さ」をまた実感します。こんな人里離れた険しい山の中に凄いモン造りましたね、と。

 

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アルペンルートの旅もいよいよ終盤、関電トンネル電気バスで扇沢へ移動です。立山から黒部湖までは「立山黒部貫光」という会社が運営していますが、ここからは名前の通り関西電力のグループ会社が運行しています。それというのも、このトンネルがまさに関西電力黒部ダム建設の資材運搬のために掘ったものだから、です。国立公園に位置していることから「一般に利用させる」ことが建設の条件だったため、バス運送を行うことでその要件を満たす必要があったんだとか。

 

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ここは2018年まではトロリーバスが走っていましたが、電気バスに取り替えられました。トロリーバスは「鉄道」なので、鉄道廃線跡代行バス、なのかもねコレ。

 

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扇沢まではこれまでの交通機関の中では比較的長く、約6kmのトンネル区間を15分ほどかけて走って行きます。トンネル内にはトロリーバス時代のものと思われる架線らしきものが残っているように見えますが…。

 

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トンネルを出て扇沢に到着です。ターミナルの雰囲気はトロリーバス時代とあまり変わった感じはしませんが、架線柱らしきものは残っているのに架線がないので少しスッキリした印象がなくもない。

 

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何故か「くろにょん」のお出迎えがありました。黒部ダムのキャラクターですね。

 

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扇沢のターミナルから少し離れたところに…。

 

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観光案内センターがあります。

 

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ここには2018年まで活躍していたトロリーバスの最後の生き残りの1台が保存されているんです。引退したトロリーバスはすぐに解体業者に引き取られ、重機のエサになることが決まっていました。大町市がこのバスを保存しようと1台だけ解体を待ってもらい業者と交渉したものの保存費用等の諸問題がクリアできず断念。しかし、個人でも保存の動いた方もいたようで、最後の1台も解体されずに残されていることが判明。大町市クラウドファンディングで費用を賄うことととし、見事目標を達成。そんな奇跡的な経緯を辿ったバスがコレなんです。車内も見学可能で、かなり大事に保存されている様子です。

 

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扇沢信濃大町行きバスに乗ります。

 

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信濃大町駅アルペンルートの玄関口の筈なんですが、松本からは殆ど各駅停車しかなく、その間の移動時間が意外と長かったりするのよね。昔はもっと松本から乗り入れる特急とかあった記憶が。

 

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今日はここから松本まで観光列車「リゾートビューふるさと」に乗車です。

 

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車内には長野のゆるキャラアルクマ」が。時節柄マスクしてますが、紐の方向がちょっとヘンじゃないですか。

 

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全車指定席の快速列車ですが、車内はゆったりしたリクライニングシートが並んでいます。

 

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運転席の後ろは展望室になっています。ベンチに座り、ゆっくり前面展望を楽しめるつくり。

 

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松本駅まで50分ほど。この列車はここから方向を変え、長野まで向かいます。駅員さんが掲げる横断幕が「いってらっしゃいませ」なのもそのためですね多分。

 

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松本からは特急「しなの」で名古屋へ帰ります。2時間ほどで着くの、意外と近いな。