へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「ホテルニューアカオ」で昭和のリゾートに浸ろう。

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青春18きっぷ」の季節になりました。日帰りで熱海まで「ホテルニューアカオ」を見に行きました。

 

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静岡方面へ行くなら、炭焼きレストラン さわやか」でランチにしようかなと策略。基本的には郊外型のファミレス的な店舗が多い「さわやか」ですが、公共交通で便利な場所に全くないわけじゃありません。おそらく一番便利なのは浜松駅前の遠鉄百貨店レストランフロア。その次が静鉄新静岡駅の駅ビル「セノバ」じゃないでしょうか。

 

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新静岡セノバ」はJR静岡駅から歩いて10分もかからないところにあります。「セノバ」の開店は朝10時ですが、「さわやか」のオープンは午前11時となります。ただ、整理券の配布は10時からということで、それに合わせて行くことにしました。なんせ「さわやか」、地元でも人気店でお昼時なんか1時間は平気で待たされるようなところ。新静岡駅みたいな便利なロケーションなら整理券配布直後に行かないと待ち時間が読めないな…と思ったからです。10時少し前に到着したら、既にレストランフロアの5階へ行くエレベータは動いてるじゃありませんか。同じフロアのカルチャーセンターが朝9時頃から営業しているためのようです。勿論レストランフロアへはベルトパーティションで区切られ10時までは入れないようになっていましたが、既に「さわやか」整理券待ちと思しき皆さんが列を作っていました。おかげでかなり若い番号をゲット。

 

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本来は11時開店ですが、今日は今圧が予想されるため10時45分に営業開始を早めるとのこと。その時間に呼び出しがあり、最初のラウンドで入店でできました。「さわやか」は元々それほど高い店じゃありませんが、毎月「げんこつおにぎりフェア」としてハンバーグがお得になる期間が設定されています。この日はちょうど開催期間中。しかも静岡市のキャンペーンでPayPayで払うと20%バックというのも重なって、かなりお得になってしまいました。

 

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注文はもちろん「げんこつハンバーグ」。これにドリンク・スープ・ライスかパンがついて1210円です。

 

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「さわやか」はデザート系が比較的お手頃なのも嬉しいところ。この「静岡抹茶あんみつ」は一口サイズながら220円と、気軽に追加してしまいがちなお値段だったりします。これでも食後の口直しには充分なボリュームといった感じでした。

 

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早めの昼食のあとは静岡駅前の繁華街、呉服町商店街をぶらぶら。老舗製茶店のプロデュースする「ななや」です。

 

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ここは「世界一濃い抹茶アイス」で有名みたいです。

 

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「一番濃い」というNo.7と一般的な抹茶アイス並というNo.3をダブルで戴いてみました。No.7は「濃い」というからネタ的に苦いのかしら、と思ったらきちんと「抹茶アイス」として成立してる感じ。濃いのは確かなんだけどじっかり「スイーツ」は踏み外してないんですよね。

 

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「ななや」の向かいには、これも静岡では老舗の「竹茗堂」がありました。ここの名物は「ウス茶糖」だと思います個人的には。

 

www.chikumei.com

 

水に溶かして飲む甘い抹茶なんですが、これが静岡では夏の風物詩でして…。コドモにとってはカルピス並みの「よそいきのご馳走」扱いで、家庭訪問に来た先生にお出しするようなステイタス、といったところでしょうか。こちらもPayPayで20%還元だったので自宅用に仕入れて帰りました。

 

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続いて普通列車で熱海を目指します。

 

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熱海駅前からはアカオリゾートのシャトルバスが出ており、こちらでホテルニューアカオまで移動します。

 

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ホテルニューアカオといえば、熱海を代表する大型ホテルの一つと言っても過言ではないかと思います。そんなホテルニューアカオもコロナ禍で休館を繰り返していましたが、老朽化も重なってついに本館は営業終了となる旨のアナウンスがこの秋にあったんです。昭和のゴージャスな雰囲気を残した内装は一見の価値ありと言われていたので是非見てみたかったな…と思っていたのですが、なんと熱海全体を会場としたアートイベントの展示会場として後悔されることになりました。ちょうどこの日が最終日(結局は1週間会期が延長されたようですが)だったので、このために熱海まで来てみたワケです。

 

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SNS等でも評判となっていて人気とは聞いていましたが、ホテルに着いてみたら入館待ちの行列ができてるじゃないですか! 結局、1時間ほど待たされることに。せっかく「さわやか」で行列回避できたのに、まさかこっちも行列だったとは。

 

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アートの展示はロイヤルウイング棟のロビーから始まります。本館は営業終了となりますが、同じアカオのロイヤルウイング等は引き続き営業継続、です。

 

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連絡通路を通って本館へ着くと、ここでパンフレットを受け取って館内のアート巡りがスタートします。パンフレットの指示に従って館内を動き、順番にアートを鑑賞するような仕組みになっています。最初に入るのは3方面を海に囲まれたダンスホール。豪華なシャンデリアが印象的、まさに「昭和のゴージャス」を煮詰めたような空間です。

 

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大きな窓からは熱海の街並みも一望できます。

 

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館内は指示に従ってエレベーターで上ったり下りたりしながら移動するのですが、エレベーターのボタンは階数がシートで隠されて見えないようになっており、「上から××番目のボタンを押せ」というような案内をもとに進むことになります。当然、今いるのが何階か解らなくなってくるんですが、来場者同士で「これってこっちでよかったんでしたっけ?」的なコミュニケーションが自然発生していたのが面白かったです。こちらは大きな宴会場、映像作品のインスタレーション会場になっていました。

 

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続いてメインダイニングルーム

 

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入り江に面した大きな窓を囲むテーブル配置。まるでどこかの劇場のようです。

 

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ピアノの置かれたステージもあったりして。ディナータイムにはここで生演奏なども行われていたんでしょうか。

 

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赤いソファ、ってのもレトロを感じさせます。

 

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この空間、なかなかのものです。これが失われてしまうのは残念だなぁ。

 

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メインダイニングに繋がるプロムナードにはショップが並んでいました。お土産物屋は商品こそ撤去されていますが、紹介のポップなどはそのまま残され、つい最近まで普通に営業しようとしていた跡を感じました。

 

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またエレベーターで上にあがり、今度はスイートルームへ。

 

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2フロア構成となっており、下の階はリビングルームにベッドルーム、バスルームなどを設置。ここでも豪華シャンデリアが輝きます。

 

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フロアを繋ぐのは螺旋階段。

 

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上の階には和室と、何故か茶室がありました。なんか微妙な構成の客室って気がしなくもないのですが、おそらくこの部屋に求められていたのは快適性よりも「スイートルームである」というステイタスの方が大きかったのかもしれません。

 

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また下の階へ下りていきます。

 

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途中、ゲームコーナーの筐体が纏められているスペースがありましたが、物寂しさを感じますね。

 

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屋内プールに到着。

 

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ここもアート展示のスペースとして使われていました。

 

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ここから見ると、このホテルが崖に沿って海の上に建っているという特殊な構造であることがよく解ります。

 

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ホテルに関する展示なんかもありました。ホテルニューアカオはこの秋から元寺田倉庫の社長を会長に迎えたところ。寺田倉庫といえばアート作品などの保管が得意分野ですし、天王洲アイルの再開発も手がけています。そのせいか、アカオもつい先日にお洒落な新CI導入したところ。こういうベタな感じのモノはもう表には出ないのかも知れません。

 

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最上階のロビーフロア、ここで館内探索は終了です。

 

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アカオのロゴ入りグッズも展示されていました、ここでの販売はありませんでしたが、これらのグッズも年内には扱いを終了するようです。

 

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宿泊者を最初に出迎えたであろうフロントデスクも今では静まりかえっています。ここでも豪華なシャンデリアが輝いていました。

特に「熱海らしさ」は感じないのですが、昭和のレジャーってそういうものだったんだろうと思います。当時、多くの人が旅に求めていたのは恐らく「非日常」。東京から2時間程度という適度な距離感で「どこか凄いところに来た」という日常と違うモノを楽しむためであれば、この国籍不明なゴージャスは最適だったんでしょう。ここには「昭和が夢見たゴージャス」が詰まっているんです。

 

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バルコニーに出ると、もう夕刻の海の風景になっていました。

 

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本館からは外を歩いてロイヤルウイングへ戻ります。

 

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ここから見ても面白い構造になっている感じがあります。

 

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ホテルのシャトルバスで熱海駅まで戻りました。

 

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名古屋への帰りには沼津発の「ホームライナー」浜松行きを利用。330円のライナー券が必要ですが、浜松までの1時間半以上を快適なリクライニングシートで移動できる上に、この列車がこのまま豊橋行きの普通列車になるので、実質的には豊橋まで直通で快適に行けるというスグレモノ。コレがあるんで東京から名古屋までの夕方の移動は快適にできるんだよね…。