へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

さよならVSE、展望車繋がりで東京まで。

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小田急ロマンスカーの「フラッグシップ」として君臨してきたVSE。2018年にGSEが登場しましたが、その白く流れるようなスタイルはイメージリーダーとして相応しいものでした。それがなんと、この3月のダイヤ改正で定期運行から引退することになってしまったんです。

 

www.nikkei.com

 

暫くはイベントなどには使われるようですが、今後なかなか乗る機会はなくなりそうです。ちょうど東京へ行く用事があったので、ちょっと早めのお別れ乗車をすることに。

 

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名古屋からはまず名鉄特急で豊橋まで。名鉄にも「パノラマSuper」という展望車付きの車両があるんですよね。小田急VSEGSEは2編成づつしかありませんが、コレは10編成以上が現役で、通常の特急としてバンバン走ってます。最近はリニューアル工事も施され、まだまだ使う気まんまんです名鉄。それにしても展望車付きの列車が日常的な普段使いで走ってるって、名古屋凄くないか?

 

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展望室は横4席が5列の計20席。階段状に配置されているので、後ろの方の席でも前面展望はそれなりに楽しめます。自動券売機でもネット予約でも展望席付きの列車は「展望席」の選択肢が出てくるので、座席も選べます。

 

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幸いなことに最前列が取れました…って実は展望室は普段はそれほど人気がない感じです。朝晩の通勤時間帯だと特別席は結構埋まっているんですが、普段はそんなに混んでません。で、普段使いのお客が多いせいか、通常の座席を選ぶ人が多い印象です。展望席は時折、子供連れのファミリーがいたりしますが…。

金山を出ると、神宮前までは名鉄線は複々線東海道線と合わせて6線の区間を進んでいきます。

 

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知立では高架化の工事が進行中。名鉄本線と三河線が交差するため、かなり複雑な構造となるようです。

 

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伊奈を通過すると、飯田線との共用区間に入っていきます。ここで飯田線の複線区間東海道線の複線で4線に。

 

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飯田線が2面2線で発着するホームの隣に1線だけ名鉄が乗り入れる豊橋駅に到着です。しかしまぁ名鉄本線って豊橋側はJRと共用で思うように走れないし、新岐阜側では駅の手前で東海道線をくぐるところで複線が単線にされちゃうしで、なんか結構ハードモードじゃないかしら。

 

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名鉄の電車は、豊橋駅ではすぐ折り返します。なんせホームが1面しかないので長居できないんだよね。

 

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豊橋からは東海道新幹線「こだま」へ乗り換え。

 

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7号車の指定席を取ったら、座席ポケットにこんな案内が。ここ、「のぞみ」運用の時はビジネス専用になる車両だわ。

 

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今日はお天気も良く、新富士付近では富士山が綺麗に見えます。

 

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「こだま」は熱海で下車。このまま小田原まで行っても良かったのですが、ちょっと到着が早すぎてしまうし、豊橋からだと熱海までの方が特急料金、安いんだよね。

 

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熱海から普通列車で小田原までやってきました。

 

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ここから、いよいよ小田急ロマンスカーに乗車です。

 

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ホームには白い車体が印象的なVSEが入ってきました。

 

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土曜の午前中の上りロマンスカーなので基本的にはガラガラなんですが、展望席は満席。1席だけ空いていたところを確保しました。やっぱりお子様比率多めですね。みんな新宿まで乗るのかと思ったら、結構途中駅で入れ替えがありました。VSE引退前の体験乗車みたいな感じが多いのかな。

 

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小田原を出て暫くすると「右手に富士山がご覧頂けます」との車内アナウンスが。「まもなく定期運行から引退するVSEから見える富士山もあと僅かとなりました」なんて言うのね。

 

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VSEは展望車以外の区画については、この丸くて高い天井が大きな特徴です。そもそもVSEは「Vault Super Express」の頭文字をとったもの。Vault=丸天井、と名前にしちゃうくらいですから。

 

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VSEが登場したのは2005年。「箱根観光の足としてのロマンスカー」の復権が目的だったことから、観光目的に大きく振り切った車両になっています。展望席の設置もその一つですが、最もユニークなのは「座席がちょっと窓側にチルトして設置されてる」ってことかもしれません。

 

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ロマンスカーの特徴ともいえる連接構造で、この連結面の下に台車があります。後に登場したGSEは通常のボギー台車なので、VSEが引退すると小田急の伝統ともいえる連接車が姿をけしてしまうことになるかも。

 

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VSEにはカフェカウンターも設置されていました。その昔ロマンスカーでは「走る喫茶室」として、座席までドリンクやケーキなどを持ってきてくれるサービスがありました。1995年に終了し、その後は通常のワゴンでの車内販売のみになっていたのですが、VSE導入と同時にサービス再開となりました。このカフェカウンターは「走る喫茶室」サービス拠点としても使われており、10両編成に2箇所も設置されています。しかしながら、「走る喫茶室」サービスは2016年に再度終了。車内販売も去年なくなってしまいました。

 

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その昔は様々な商品が並んでいたであろうカフェカウンターのショーケースですが、今はロマンスカーのディスプレイで飾られていました。

 

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東京都内に入ると複々線区間に。

 

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下北沢付近では地下化された区間となります。

 

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小田原から約1時間20分で新宿駅の地上ホームに入線しました。実はこの所要時間、JRの湘南新宿ラインの特別快速よりも遅くなってます。小田急っては「新宿~小田原を60分」ってのが目標だったような…。運賃は小田急の方がずっと安いんですが、ロマンスカーの特急料金を足すとJRより高くなってしまいます。VSEの引退も、小田急としては小田原との需要よりは途中区間の需要を重視した結果なのかもしれません。

 

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この雰囲気のある展望室が楽しめるのもあと僅か、というのは残念な気がします。

 

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車両デザインとしては結構イケてると思うんですけどね。GSEは車体が赤くて「え?パノラマカーですか?」って感じなんだよなぁ。

 

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新宿からは中央線・総武線錦糸町まで。錦糸町駅前にある台湾料理の「劉の店」が、今年の1月いっぱいで閉店してしまうんだそうです。

 

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かなり本場っぽい台湾料理を出してくれるお店ではあったんですが、台湾鉄道の駅弁風の「鉄道弁当」が食べられる、おそらく日本唯一の場所だったんです。ファンも多かったようで30分ほど並んで待ちましたが、入店したら鉄道弁当があっという間に出てきました。昔風のステンレスの弁当箱で登場です。

 

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うんうん、この排骨と茹で卵!こんな感じですよね台湾の駅弁って。排骨もスパイスの香りが立っていて、いかにも「台湾の味」って感じです。おいしく頂きました。

 

www.sankei.com

 

ちょうど新聞記事にもなってました、なになに、

”劉さんが編み出した排骨調理法は、ある映画監督の紹介で知り合った名古屋の台湾料理「驛(えき)の屋」を切り盛りする台湾出身女性、正田千媛(ちえ)さんにすでに伝授済みだ。”

って名古屋で喰えるんかい!