へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

酷暑の十勝紀行、その2:いつまで見れる?「タウシュベツ川橋梁」ツアー参加。

この姿も間もなく見納めなのかも。

 

早朝、ホテルから徒歩で帯広駅へ。駅前のバスターミナルまでやってきました。

 

今日はここから路線バスで北上、ぬかびら温泉を目指します。

 

帯広を出るときはそこそこお客も乗っていたのですが、上士幌あたりで殆ど下車してしまいました。

 

国道からは所々、廃線跡の橋梁も見えたります。

 

帯広から凡そ2時間、ぬかびら温泉に到着。ここに来たのは「タウシュベツ川橋梁」を見るツアーに参加するためです。バス停にはツアーのスタッフさんが迎えに来てくれていました。

www.guidecentre.jp

 

参加したのは「ひがし大雪自然ガイドセンター」主催のもの。午前9時スタートで2時間半ほどの所要時間です。

 

集合場所は「糠平温泉文化ホール」でバス停「ぬかびら温泉公園前」で下車すればすぐの場所なんですが、何故かこの建物の正面玄関が国道と反対側に面しているんですよ。「解りにくい場所にあるのでバス停でお待ちしてます」ってのはそのせいなのか。館内で受付、ツアー代金4500円支払いと長靴を借り、ワゴン車に分乗して出発です。

 

暫く国道を進んで未舗装の山道に。途中でゲートがあり、鍵がないと車では入れないようになっています。ツアーに参加しなくてもその鍵を借りればレンタカーなどで来ることはできるのですが、鍵の貸出は1日10組限定と狭き門でなかなか予約が取れないそうな。徒歩なら入れないことはありませんが、熊の出没もあり得るエリアなのでかなり危険。こうしたツアーなどで行くのが一番良さそうです。

 

途中、廃線跡を横切るのですが、こうして写真撮っても何だか全然わかんないな。

 

車で行けるのは橋梁の手前まで。

 

ここからは5分ほど山道を歩きます。実はここも廃線跡

 

暫く進むと視界が開けます。これが糠平湖。山手線くらいの広さがあるそうで、ダムによってできた人造湖としては北海道で2番目の大きさです。あれ?でも橋はどこだ?

 

…と思ったら先ほど歩いてきた道の延長線上にありました。そりゃ鉄道橋だったんだから線路の敷かれてた方向に橋があるのは当然か。

 

というわけで、ちょっと横に逸れると見えました! これが「タウシュベツ川橋梁」です。これは1987年に廃線となった士幌線廃線跡なんですが、この橋が使われなくなったのはそれより前の1955年のこと。糠平ダム建設に伴ってこのあたりの線路が水没することになったため、線路の付け替えが行われたんです。

 

ここでの見学時間はたっぷり40分以上確保されています。自由に見て廻ってもいいのですが、ガイドさんが解説や見どころポイントの紹介をしながら案内してくれるので、それについていきました。

 

糠平ダムは発電を目的に建設され、主に冬期の電力需要に対応しています。そのため春先には水位が低く、だんだんと冬に向けて水を貯めていくため、例年だと8月下旬はもう橋梁も水没してしまっている時期。ただ、今年は全く水位が上がっていないので、こんな風景も眺められます。木の切り株が残っているのは水没している期間が長いのでなかなか木が腐らないせいだそう。

 

ある程度湖面の水位があると、湖面にアーチ橋が反射して眼鏡橋みたいに見える写真が撮れるんですが、昼間は風があるので綺麗に撮影するのは難しく、メディアなどで出る写真は早朝に撮ったものが大半だそうです。今日は水位が低いですが、ちょっとした水たまりでもカメラを水面に近づければこんな感じの写真は撮れたりして。

 

近づいて見ると、かなり劣化が激しく進んでいることがよくわかります。この橋はコンクリートで造られ、鉄筋もあまり使われていません。また冬になると水没して水がしみこんだ上にそれが寒さで凍るため、凍った水がコンクリートの中で膨張することから通常の10倍程度の早さで劣化が進んでしまうそうです。つまり約70年前から放置されているけれども、劣化具合としては700年くらいになっちゃってるわけですね。それならこの古代遺跡みたいな朽ちっぷりも納得。

 

反対側に出ると、石狩岳などをバックにした橋梁が眺められます。

 

現状ではまだ11のアーチが繋がっていますが、これが劣化で崩れてしまうのも時間の問題の用で、この春先もかなり大規模な崩壊があったそうです。現状この橋は「所有者」がいない状態。廃線なので国鉄やJRの管理でもないし、ダムを管理する電源開発としても橋梁まで引き継いだつもりもなく、かといって上士幌町のもの、でもない。なので誰が管理すべきか解らない上に、これを「保存」するのも難しいハナシ。保存するにしってもソレって今の状態で維持するのか?元の状態に復元して保存するのか?だいいち「保存」なんてできるの?という感じで、結局自然に任せるしかないのが現状だとか。

 

満席が多く盛況なこのツアー、20年ほど前から行っているそうですが、以前は「廃線跡巡りがしたい鉄道ファン」が参加するマニアックなものだったそう。それが最近の「絶景ブーム」で一般の方も来るようになったとか。

 

帰り道に車窓から別のアーチ橋が見えましたが、同じ士幌線跡なのに劣化具合が全く違い、タウシュベツ川橋梁に比べると「新しい」感じさえしてしまいます。

 

このツアーではもう一箇所、旧士幌線の跡をたどります。除雪ステーションで暫しトイレ休憩。

 

士幌線の終点だった十勝三股駅の一つ手前、幌加駅の跡地が保存されており、そこを見学です。

 

もともと士幌線は木材輸送がメイン。ここ幌加は1954年の洞爺丸台風の際に多数の倒木があり、それを処理して木材として出荷するために「町」ができ、最盛期には350名ほどが暮らしていました。ただ木材の出荷がなくなるとこんな僻地にいる理由もないので人がいなくなり。今ではすっかり大自然に囲まれた状態になっています。

 

転轍機も動く状態で保存。

 

駅前などをよく見ると、建物の基礎などが残っているのを見つけることができます。ガイドさんが「町」だった頃の写真を見せてくれましたが、今の状態からは想像が付かないほど。

 

11時半頃、スタート地点に戻ってツアーは終了です。なんか温泉街にエゾシカが結構出てきてるぞ。

 

せっかく温泉地に来ているので、と「糠平館観光ホテル」の温泉に外来入浴してきました。例年ならこの時期の糠平なんて朝の気温が一桁なのが当たり前だというのにこの日は気温30度越え、ツアーでも結構歩いたので汗だくです。温泉でさっぱりできてよかったわぁ。

 

これから帯広へ戻るわけですが、帯広と糠平の間には路線バスが1日4往復あります。

 

ただ帯広行きの4便のうち3便は午前中発、午後の便は夕方5時前までありません。ただし旭川~帯広の都市間バス「ノースライナー」が1往復だけ三国峠を経由するルートとなっており、旭川発の便が午後1時頃に糠平温泉を通ってくれるので、これを使うことにしました。路線バスより運賃は高いけど高速仕様のリクライニングシートで快適に移動できるからいいかな。

 

これが糠平ダムですね。

 

定刻より20分ほど早く、午後2時過ぎには帯広駅前に到着しました。

 

お昼ご飯は帯広名物?インデアンカレーへ。

 

インデアンルーにカツトッピング。なんか「ほっとする」味だなぁ。地元の人は鍋持参でテイクアウトしてご自宅で食べるそうですが、なんか解る。

 

続いてお向かいにある六花亭本店。

 

喫茶室へ行こうと思っていたのですが、これまた一部の六花亭店舗でしか喰えない「雪こんチーズ」と「マルセイアイスサンド」の誘惑に負けました。

 

六花亭本店にはイートインコーナーがあり、店内で販売しているケーキなどもその場で頂くことができます。以前はコーヒーは無料サービスだった筈なんですが、今では120円と有料なんですね。とはいえ120円でお替わり自由なら充分お値打ちだけど。

 

帯広駅周辺はかなり寂しい感じで、道東唯一の百貨店だった藤丸が今年1月に閉店して以来、このあたりでお土産などが買えそうな店は駅構内だけになってしまいました。駅の温度計は36度をさしてますが…。

 

ここでもちょっと一休み。「十勝しんむら牧場」のショップです。

 

コーヒーゼリーのソフトクリーム載せを購入。

 

あとはこれまた帯広の老舗のパン屋さん「ますやパン」で明日の朝食を調達。

 

帯広駅前には大きな「長崎屋」があります。

 

ですが、中は寂しい限り。実は「長崎屋」といっても長崎屋直営の売り場は今年7月でなくなり、スーパーや書店など数少ないテナントが営業しているだけなんです。建物自体も地元企業が買い取ったようで、今後は建て替えの方針らしく…。

 

かなり人気のない店内の中で、こちらのアミューズメント施設はかなりお客さんが入っていました。この「ファンタジープラザ」を運営する日本商業施設(株)はドン・キホーテの子会社。考えてみたら長崎屋もドン・キホーテの傘下だったりします。実は「ドン・キホーテ」自体は帯広市内にちゃんと出店しているのですが、ココにドンキを入れなかったのは帯広駅周辺の立地の評価がそれだけ低かった、ってことなのかも。