へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「ひこぼしライン」とヘンな旅、その3:旅の終わりは「サロンカーなにわ」。

どうしてこうなった。

 

東京駅に到着後、そのまま北陸新幹線「かがやき」へ乗車。途中、大宮・長野・富山にしか停まらない速達タイプです。

 

金沢までは約2時間半。こんなに近かったっけ? 料金も「えきねっとトクだ値」で1万円を切るくらいで行けちゃいました。

 

到着時の金沢は小雨と生憎のお天気でした。ちょっと観光する感じでもないかな、と未乗だった北陸鉄道浅野川線に乗ってみることに。

 

ホームに入るとありゃ!東京メトロっすか! 元日比谷線の車両が譲渡されて活躍中とのこと。ただ帯がオレンジになってるのは「銀座線?」と思っちゃいましたが。

 

都会の地下鉄風のピカピカの車内から「いかにも」な地方近郊線の風景を眺めながら乗る電車はちょっと新鮮。終点の内灘までは20分足らずで到着です。

 

まぁ来てみたものの、この周辺には特に何かあるわけでもないので、次の列車で折り返しちゃうんですけどね。駅前には電車の時刻に合わせてバスが発着しており、ターミナルとして機能している様子。お客さんも意外と乗ってますね。

 

駅の裏手には、これまた元井の頭線の車両が。これも20年以上前に京王から譲渡されたもので、東京メトロの車両はこれを置き換えるものだったのでした。

 

金沢駅に戻った頃には雨はほぼ上がってました。

 

ちょうど中心部に行くバスが来てギリギリ乗れまして…。

 

近江町市場なんかに来てみたよ。金沢は外国人観光客にも人気のデスティネーションだけあり訪日客も多数、みんな高そうな海鮮をバシバシお召し上がりでした。もうすっかり賑わいは戻ってる印象です。

 

そういう自分もまぁソレっぽいものでもランチにしようかな、と。

 

観光地でこの内容で2500円ならまぁアリですな。

 

ネタの一部が変更可能とのことで、雲丹をのどぐろに変えてもらいました。

 

午後1時過ぎに金沢駅まで戻ってきました。

 

ここでツアーの受付場所へ…そう、これから団体旅行の始まりなんです。「サロンカーなにわ」貸し切り列車で金沢から新大阪まで6時間以上かけて行く、クラブツーリズム主催のツアー。クラブツーリズムには鉄道ファン向けの企画を行う「鉄道部」がるんですが、これはその鉄道部が募集したものです。ちょうどオーシャン東九フェリーで東京に着いた日に催行が決まり、新幹線で金沢まで行けば参加できちゃうので申し込んだ次第。

 

ちなみに「サロンカーなにわ」って何だよ!というハナシですが、1980年代の国鉄末期に多数送り出された観光用車両「ジョイフルトレイン」の生き残りです。それまでも国鉄には貸切向けのお座敷列車はありましたが、もっとナウなヤングにバカウケな車両を!ということで1983年に東京の「サロンエクスプレス東京」とほぼ同時期に大阪で製造されたのがこの「サロンカーなにわ」でした。この2車両の成功により、全国各地に団体貸切での利用を想定した改造車両「ジョイフルトレイン」が大増殖していったわけです。しかしながら若者の関心が海外旅行に向き始めたり、団体旅行が下火になったり景気の後退やらで次第に持て余されるようになってしまい、続々と廃車されていってしまいます。「サロンカーなにわ」のライバル的?存在だった「サロンエクスプレス東京」は欧州の豪華列車を彷彿とさせる外観と内装が人気でしたが、全室個室というあたり使い勝手がイマイチだった面もあったようで、1997年にはお座敷列車に再改造され、2008年には運用終了となってしまいました。「サロンカーなにわ」も既に登場から40年が経過。元となった14系客車の製造はその10年ほど前ですから、かなりの骨董品です。もはやいつ引退してもおかしくない状況ですし、そもそも最近は殆ど稼働していません。加えて、今回走行する区間のうち金沢~敦賀は来年3月に北陸新幹線敦賀まで延伸すると第3セクターとなるため、JRの車両が走ることは基本的にはなくなります。ツアー代金は結構なお値段でしたが、それなりの希少価値はあるな、と判断したわけです。

 

時間になるとホームに案内されました。買い物ができるのが改札内の小さなセブンイレブンしかなかったので、集合前に買い込んでおけば良かったかも。

 

ホームに「サロンカーなにわ」が入線してきました。牽引するのはDD51、全線電化区間を走るのになんとディーゼル機関車ですよ。

 

金沢駅では撮影目当てのファンの方も多くごった返していたので早々に車内へ入りました。車内は横3列のリクライニングシートがゆったりと並びます。通路が片側に寄って設置されているのがユニークなところ。この座席配置のために夜行の臨時列車などにも活用できるような汎用性が「サロンカーなにわ」を生き残らせた要因かもしれません。

 

見た目はちょっとシンプルですが、座り心地はなかなかのもの。長時間座っても違和感なく、さすがグリーン車、ですな。

 

車端には靴箱。車内はスリッパに履き替えて入るようになっていました。ただ、この靴箱の位置が1車両に1箇所ある出入口とは反対側の端にあるのが謎ですが…。ちょっとステンドグラスっぽい壁面の窓にバブル感がありますね。

 

販売開始からすぐ完売だったそうで、満席で発車しました。車内ではじゃんけん大会などちょっとしたイベントがありましたが、一番面白かったのが「JR整備担当の方のお話」。今年8月に「兵庫テロワール旅号」として運行されましたが、これが実に1年ぶりくらいの稼働だったらしく、エアコンを久々に運転したら凄いことに…みたいな裏話が聞けましたよ。

 

まずはちょっと呑みながら、ゆったり列車の旅を楽しみましょうか。

 

行程上で2箇所、ドア開放する停車駅が用意されています。スケジュール等はヒミツにしてね、とのことなので…。この停車駅でじっくり外観を眺めることが可能。

 

基本的には乗客しかいないので、ホームが混み合うこともないですしね。なお「サロンカーなにわ」は7両編成が基本ですが、この日は5両での運転でした。

 

車両はかなり綺麗に保たれている様子。JR西日本エリアではお召し列車として使われることもあるそうな。

 

「サロンカーなにわ」には両端に展望室があり、1号車はまるまる1両がサロンになっています。このツアーでは展望室やサロンは開放されず、時間を区切って交代に見学時間を設けて入室、という運用でした。確かにこの手のスペースに居座る人、まぁまぁいますからね…。

 

展望室付近。大阪らしくなく?派手さはないけど落ち着いた豪華さは感じられる内装です。

 

この車両にはカウンターも設置されています。

 

かなり本格的なバーカウンターで、什器類も一通り揃っています。最盛期にはビュフェ的な営業もあったらしいですね。

 

7号車側は座席エリアがメインで、一部が展望室といった構成。

 

こちらは窓側にソファが並ぶ構成です。

 

客室側。扉側に仕切りがあったりと、造りはよく考えられています。

 

新大阪着が夜8時過ぎになるので、金沢駅で一応お弁当は仕入れておりました。これで夕食。

 

能登牛と蟹。金沢っぽいでしょ。

 

金沢からのんびりペースで進み、新大阪に到着。到着後は旅客を降ろした後にすぐ発車して行ってしまいました。

 

実は「サロンカーなにわ」には2009年、紀勢線全通50周年のツアーで乗車したことがあり、その時もクラブツーリズム募集だったりして…。その時に比べても草臥れている印象はなく、ちゃんと手をかけて貰ってるんだなぁ、という印象。また乗る機会があるといいけどね。

 

新大阪からはノーマルに新幹線「のぞみ」で名古屋へ帰還しました。