酒が飲めるぞ。
お宿をチェックアウトしたのはいいんですが、小樽方面のバスがちょっと問題でして…。始発のバスは朝6時半で、その次は12時過ぎまでありません。ただ、その前に11時過ぎに神威岬まで行くバスがあるので、それに乗って神威岬を観光して帰る、ということにしました。バスの時間までこの辺何ないかな、と探してみたんですが「サクラマスサンクチュアリーセンター」なんてのがある様子。
小さな施設ですが、「いい田」でも散々喰らったサクラマスについての展示が意外にも充実していました。サクラマスとヤマメって同じ魚で、海まで行っちゃうのがサクラマスで川で一生過ごすのがヤマメ、なんて知ってた?
あとは漁港あたりを散歩してみたり。
昨日降りたバス停から神威岬行きに乗車しました。今度は高速バスタイプのやつですね。
神威岬まではバスで5分ほど。
一軒だけある土産物店の2階が展示スペースになっているようです。
これは1923年から1960年まで神威岬灯台で使われていたフランス製のレンズ。ここでお役御免になったあとは大阪の南海電鉄が運営していた「みさき公園」で展示されていたそうです。「みさき公園」は2014年に閉園となりましたが、このレンズの存在を知った積丹町が里帰りさせ、ここに展示されることに。この種の灯台用レンズとしては日本で唯一現存しているものとして貴重らしいぞ。
ココまで来たんだから岬の先端まで、と言いたいところですが。
バスの折り返し時間は1時間。ここは片道30分はかかる距離なので戻ってこれるか微妙なので断念しました。
そのかわり高台の展望台を目指します。少し晴れ間が出てきて、積丹ブルーの海も見ることができました。
ここがこのあたりでは一番高いところにある展望台になります。
岬の眺め、登ってきただけの価値はあるかも。
小樽行きのバスで折り返します。先ほど乗ってきたバスがそのままやってきました。
途中、うに丼で有名な「なぎさ食堂」の前を通過。今から20年以上昔、自分に「積丹の雲丹」の旨さを教えてくれた罪なお店です。最近ではこの港から神威岬をボートで巡るツアーなんかも出ているらしい。
復路も美国のバスターミナルで暫く休憩を取ります。
しかしまぁ積丹半島、地形が険しいのがよくわかります。
「セタカムイ道路防災祈念広場」の標識のところに碑が建っていますが、1996年に発生した豊浜トンネル崩落事故の慰霊碑です。事故には積丹余別から小樽に向かっていた路線バスも巻き込まれた…ってこのバスと同じ路線だ!
今日は余市駅前十字街のバス停で下車します。
向かったのは降りたバス停のすぐそばにある「ニッカウヰスキー余市蒸留所」。
昔は工場内見学は自由見学かツアーでの参加か選べるようになっていたような気がしますが、今では事前予約のツアーに参加が必須となっています。ツアー開始までレストランで食事をしたい旨を伝えると、予約を確認の上で構内の通行証を発行してくれました。ショップやレストランのあるエリアに外から行くこともできるんですが、余市駅方面からアクセスすると遠回りなんだよな…。
レストラン「RITA's KITCHEN」に到着。
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝のリタ夫人のレシピを基にしたというローストチキンを戴きました。
昼食後、工場の構内へ戻ります。
ここではウイスキー造りのほぼ全ての工程を見ることができます。
まずはここで短い紹介ビデオを見てから見学スタート。
最初は乾燥棟。ピートで燻しながら麦芽を造る作業を行うところですが、今は麦芽自体は他で造ったものを使用しているので実際には使われていない施設。
こちらは次の工程、粉砕・糖化棟と醗酵棟です。
ここで麦芽から甘い麦汁を作り、それを酵母で発酵させてアルコールを造るわけです。
蒸溜棟では、先ほど造ったアルコールを蒸留します。
蒸留の火力として石炭を使っているのは今では世界的にも珍しいそうです。ちょうど見学中にも石炭をくべる様子が見れました。
蒸留したアルコールは樽に詰められ熟成されます。これがその貯蔵庫です。
手前はダミーですが、奥の方には実際に原酒が貯蔵されているそう。ウイスキーって別にこの樽からそのまま瓶詰めされるワケじゃなく、いろんな保存方法でいろいろなテイストの原酒を造り、それをブランド毎に決められた味になるようにブレンドして造られるモノなんですな。
さて製造工程を一通り見た後はお待ちかね「試飲」です。
このテイスティングホールが利用できるのはツアー見学者だけ。
試飲できるのは3種類。お高めの「シングルモルト余市」に庶民的な「スーパーニッカ」、それにニッカの創業時にウイスキーより先に造られたという「アップルワイン」です。
それぞれお勧めの飲み方が紹介されています。「余市」はロック、または同量の水を加える「トワイスアップ」という飲み方。「スーパーニッカ」は水割り、「アップルワイン」はハイボールでどうぞ、だそうな。何となく「いいウイスキー」はストレートの方がよさそうな気がしてましたが、アルコール度数を20~30%くらいにしたほうが本来の香りが楽しめる、と案内に書いてありました。どれもそれぞれ旨いけど、この中で一番安価な「アップルワイン」が思いの外よかったかも。仄かに甘くて爽やかさもあり、ソーダで割るのがピッタリ。
午後3時スタートの見学は最終回ですが、4時過ぎには施設はほぼ閉まってしまうので充分に見れない施設も出てきてしまいます。ここ「ニッカミュージアム」も最終回ではスキップされてしまうところで、有償での試飲コーナーがあるのですが無料試飲に参加するとこちらはクローズ時間を過ぎてしまうため、有償か無償かのどちらかしか参加できません。
ミュージアム内を閉館間際にちょっと覗きましたが、展示内容が以前来た時と大きく変わっている様子。じっくり見たかったなぁ。
創業者の銅像もあったりして。
この旧竹鶴邸は余市町の郊外から移築されたもの。
スコットランド生まれのリタ夫人に配慮して洋風建築でありながら和室もある、という造り。
1934年、ニッカウヰスキーが「大日本果汁株式会社」として設立された際の事務所も保存されています。「ニッカ」という社名、この「大日本果汁」から来てるんですよ、とガイドさんからも説明があったなぁそういえば。ウイスキー造りには時間がかかりますが、その基盤が安定するまでの「つなぎ」として余市名産の林檎でジュースを造って売っていました。ただ混濁して返品されてきた林檎ジュースが無駄なのでこれでブランデーや林檎酒を造り、そのために導入した蒸留器を有効活用しようとウイスキーも造った…ってどうなってんだそれ。
内部も当日買われていた金庫が保管されていたり。
ここ、割と最近に重要文化財になってたのね。
余市駅までは蒸留所からは歩いて5分もかからないほどの近さ。見学の大きなお楽しみはウイスキー試飲でしょうが、クルマで来ちゃえば当然お酒なんてNG。仲間内で乗り合わせて来ても、誰かはハンドルキーパーとしてウイスキー試飲はお預け、ってことになっちゃいます。「別にウイスキーの試飲とかいいや」って人を仲間に引き込んで来る手もあるかもしれないけど、そんな人なら蒸留所見学とかそもそも興味ないだろうし…。それが鉄道やバスでくれば問題なし! 小樽から余市は鉄道もバスも便数はそこそこあるので、アクセスは悪くないのよね。
小樽駅のホームには石原裕次郎のお姿が健在ですが、お亡くなりになったのは1987年ともう30年以上経ってるわけで、今の若い人とか「誰それ」だろうな…。2017年までは小樽に石原裕次郎記念館がありましたが、今では「なぜここに」感も出てるような気も。
札幌で降りて夕食でも、と思っていたのですが、転換クロスシートで快適な721系の快速「エアポート」が来たのでそのまま新千歳空港まで行ってしまうことにします。
新千歳空港に到着。
平日夜ということもあって空港内はそれほど混んでなく、いつもは大行列の「えびそば一幻」もすぐに入れました。
安定の旨さ。
食後のデザートにソフトクリームでも、と館内を見てみますが、夜7時を過ぎると閉店している店も目立ちます。まだコロナ禍の時短営業から回復しきってないのかな。
結局「ルタオ」でパフェなどやっつけることに。チーズケーキとかも乗っててアタリでした。
機材はB787-800。機材到着遅れで10分ほど遅れての出発となりました。
途中で遅れを少し取り戻し、到着は定刻から5分遅れ程度でした。