へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

大人だからまた使うぞ。「大人の休日倶楽部きっぷ」使い倒し、その1:目指せ日本海、旨いモノ。

JR東日本の「大人の休日倶楽部きっぷ」、2年ぶりに使ってみました。

 

まずは名古屋からJR東日本管内を目指さないといけません。スケジュールの都合で今回は(前回もそうか)夜行バスでの移動としました。集合場所は名古屋駅太閤通口広場だったのですが、他にも多数のバスの集合場所として共同利用されているようで時間が来ると順番に案内されるような流れができていました。

 

出発15分前から案内が始まりバスの停車場所まで案内されました。今回利用したのはウィラーエクスプレスの東京行き。

 

ウィラーのシートラインナップとしては最上級となる「リボーン」装備のバスです。恐らく、いま中京圏~首都圏を結ぶバスの中では最もいい設備がコレなんじゃないでしょうか。以前はJRバスのドリーム号に「プレミアムシート」という横2列の広さを誇るタイプがあったのですが、三菱ふそう2階建てバスエアロキング」の引退が進む中で消滅してしまったんですよね。

 

シェルに包まれたようなシートは程よい個室感があり、カーテン等がなくても廻りが余り気にならないレベル。リクライニングも可なり深く倒れて座面も動くので、フルに倒すとほぼフラットに感じられるくらいです。足下も前の座席の下にスペースが開いていて足を伸ばせます。結論、これならかなり休めるわ…。まぁお値段もそれなりで、新幹線利用とちょっと悩むレベルではあったりするんですけどね。あと、シェル型のシートが詰め込まれている関係で通路がむっちゃ狭いです。カラダの大きな人は難儀するぞ。

 

休憩箇所は東郷PA、新東名の静岡SAに海老名SAの3箇所でした。バスがトイレ無しなので回数多めに取られてるのかな。

 

翌朝、定刻よりもちょっと早く東京駅近くの鍛冶橋駐車場に到着しました。初めて使いましたが、待合室やトイレなど設備は一通り揃ってるんですね。

 

で、東京駅からいよいよ「大人の休日倶楽部パス」利用の旅が始まります。実はこの前にシャワーでも浴びようと神田駅近くの快活CLUBへ行ってみたのですが何と満室で入れず…というイベントがあったりしました。

 

まずは上越新幹線「とき」で新潟を目指します。上越新幹線もいつのまにか車両は全部E7系で統一されているのね。

 

新潟からは所謂「のってたのしい列車」、快速「海里」酒田行きへ乗り継ぎます。

 

4両編成の「海里」ですが、1両はツアー専用席、もう1両はまるごとフリースペースとなっています。残る2両が一般販売される指定席車なんですが、そのうち2両はコンパートメントとなっているので、実質的に「普通の」座席車は1両しかなく、割と予約は取りにくい列車ではあります。

 

駅員さんの盛大?なお見送りの中出発。

 

座席はゆったり配置されており、指定席料金で乗れるノが勿体ないほど快適。

 

運転席の後ろは展望ラウンジになっています。座席などが一切配置されていないのは長居されないため? 

 

1両はフリースペースで、販売カウンターもここにあります。

 

途中、桑川で34分も停車時間がありました。昔からこんな長時間停車してたっけ?

 

ここは景勝地笹川流れ」のど真ん中に位置し、駅の目の前がすぐ日本海という絶好のロケーションです。「夕日会館」という道の駅も併設されています。確かに30分以上の停車時間

 

この「海里」の停車時間中にしか販売しないというソフトクリームがありました。

 

この内容で400円なら充分アリって感じなので戴いてみましたが、しょうゆが意外とイイ仕事しててなかなか美味でした。

 

凡そ3時間強で終点の酒田に到着。もう午後1時半ですがお昼ご飯を食べに行きましょうか。

 

およそ2年ぶりの訪問となるフレンチレストラン「ル・ポットフー」です。以前訪問したときの話はこちらですが、是非再訪して見たいと思っていたところ。

 

slips.hatenablog.com

 

ランチのお供は今回も日本酒「初孫」特別醸造で。

 

前菜は鮃のカルパッチョ

 

今日のオーターは通常のランチメニューからスープとデザートをアップグレードしたもの。この店のご自慢の逸品であるガスエビのスープが2品目になります。やっぱり「そのまんま海老」の濃厚な風味がスゴイですね。

 

メインは肉料理、魚料理とハンバーグの3品から選択ですが、魚をオーダー。スズキのグリルでした。

 

デザートはこれまたお店の看板の一つでもあるクリームブリュレ。

 

食後にコーヒーを戴きました。

 

「ル・ポットフー」の入居する酒田駅前の再開発ビル「酒田駅前交流拠点施設ミライニ」にはホテルや図書館などのほか観光案内所もあります。ここでレンタサイクルを無料で借りられるので、市内をちょっと観光してみることに。コインロッカーも用意されていて通常サイズなら1回100円、スーツケースも入る大きなサイズも400円と安価な設定になってました。

 

酒田市内には観光スポットがいくつかありますが、どれも駅からはかなり離れているので自転車で巡れるのは便利。最初にやってきたのは山居倉庫、米どころ庄内を象徴するような巨大な米倉庫です。

 

「庄内米歴史資料館」という小さな博物館もあり、庄内平野の米作りの歴史などの展示を見ることができます。こちらは19世紀末にこの山居倉庫が出来た頃のジオラマ

 

倉庫の裏手には暑さ対策として欅並木が整備されていて、これも絵になる見どころの一つ。

 

続いて酒田港付近まで。海産物を扱うお店などが並んでいます。

 

日和山公園には江戸時代に庄内の米を江戸まで運んだ千石船の2分の1のレプリカが浮かんだ池があります。

 

この池が江戸までの西廻り航路を模したものだそう。酒田から日本海を南下して下関で折り返し瀬戸内海を進み、大阪から太平洋へ出て江戸まで、という大航海で運んでいたんですな。このお陰で酒田はかなりの繁栄を誇っていたようです。

 

このあたりは酒田でも随一の繁華街…だったところ。左の大きな建物は2年前に閉店してしまった百貨店「マリーン5清水屋」です。この前年に山形市にあったデパートが閉店してしまったので山形県下で唯一の百貨店だったのですが(正確には日本百貨店協会に加盟してなかったようですが)、ここが閉店したために山形県は「百貨店の存在しない県」になってしまいました。その前に徳島県徳島駅前の「そごう」閉店で「百貨店の存在しない県」第1号にはなってましたが、今はその跡地に一応は三越のサテライト店が入ってるしなぁ。

 

最後に「本間家旧本邸」に立ち寄りました。本間家は庄内の大庄屋・豪商として知られ「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」とまで言われたほどの財力を誇っていたそうです。その往時を偲ばせる立派なお屋敷でしした。

 

自転車を返却し駅へ向かいます。いつのまにかミライニにはバスターミナルも併設されており、ここに庄内観光物産館もありました。この中にもコインロッカーがあって、こっちは大きなサイズも1回100円という激安設定になってたぞ。

 

では、駅へ。

 

特急「いなほ」秋田行きに乗車。

 

売店で買ったアイスでのんびり。「大人の休日倶楽部きっぷ」を提示すると駅のキオスクやNEWDAYSで10%割引になるという特典があるので、つい買ってしまうのよ。

 

日本海沿いを進むので夕日でも見れるかな、と思ったのですが、可なり雲が出てきてしまって今日は無理そう。

 

秋田駅では30分ほど乗り継ぎ待ち。

 

秋田新幹線「こまち」へ乗り継ぎます。「こまち」は全席指定席なんですが、秋田~盛岡間は自由席特急券でも乗車可能で空席に座ることができます。「大人の休日倶楽部きっぷ」は6回まで指定席を利用することができるのですが、JR東日本エリアでは全席指定の特急や新幹線がかなり増えてしまったので、この6回のカードをどこで切るかはかなりの悩みどころなんですね。ただ全席指定でもこういう特例があると温存できるのは有り難いところ。

 

「こまち」は秋田発車時点で結構な混み具合でしたが、幸いなことに空席を見つけることが出来ました。秋田名物?のバナナボートをお供に出発。

 

盛岡で今日の鉄道旅は終了。駅の発車メロディがいつのまにか小田和正「ダイジョウブ」になってるじゃん!