へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

ヘンに行くシンガポール&マレーシア、その5:お帰りもヘンなルートで。

昔はもっとフツーでしたが。

 

クアラルンプールで3泊し帰国の途に。帰国便もシンガポール発なので、まずはそちらを目指さないといけません。11時過ぎにホテルをチェックアウトしてKLセントラル駅まで移動しました。またモノレールでもよかったのですが、Grabでも9リンギットで済んでしまったのでそちらを選択。KLIAエクスプレスの乗り場前につけてくれました。

 

KLIAから飛行機で飛ぶならココで正解なんですが、実は今回は違います。

 

中央のコンコースへ。今日はここから鉄道でシンガポールへ向かうのでした。

 

クアラルンプール近郊路線と長距離列車とは乗り場が分かれており、このエスカレーターの上が長距離列車乗り場になります。

 

改札脇には待合エリアがあり、出発30分前くらいから開放されるようです。

 

これから乗車する列車は12時19分発。12時頃に乗車案内がありましたが、看板を持った職員が「こっちについてきて」と。

 

結局、近郊列車乗り場から乗車することになるみたいです。

 

列車がホームに入ってきたのは発車時刻数分前。この列車、クアラルンプール始発ではなくペナンの玄関口でもあるバタワースから走ってきたものです。行き先はグマス。え?シンガポールじゃないの?と言う感じですが、実は現在、クアラルンプールとシンガポールを直通する列車は運転されていません。以前は寝台車を繋いだ夜行列車まであったのですが…。グマスまでは複線電化され、最高速度140kmの電車特急が運行されています。

 

この車両は中国製のクラス93型、2013年から投入されているものです。

 

車内は2名掛けのリクライニングシートが並びますが、座席は回転せず方向を変えることは不可。車両の中央を境に逆方向に向いた座席が連なるような配置になっています。

 

回転機構がない分、座席の下はスッキリしている感じ。フットレストがついてます。

 

座席背面のテーブルを下ろすと、こんな「安全のしおり」みたいな案内が出ていました。こういう案内、海外の鉄道ではよく見かけます。日本でも取り入れればいいのに、って気がするんですが。

 

6両編成のうち1両にはビュッフェカウンターも用意。

 

なかなか幅広いラインナップで営業しているようです。レンチンですが、ちゃんと食事になるようなホットミールも複数用意されていました。

 

メニューもキチンと表示されており、食事系は10~15リンギットくらい、といったところ。

 

カップ麺が4リンギット、ミネラルウォーターのボトルで2リンギットくらいなので、それほど市中価格に比べて割高、というほどでもないのかな。

 

ただ、お昼ご飯は乗車前にセブンイレブンで買ったサンドイッチで済ませてしまいましたが…。車内で手に入るアイテムが何か、情報がなかったので買い込んで乗車したんです。あれだけ色々あってお値段的にも程々であれば車内での調達でもよかったわ。

 

約2時間半で終着グマスに到着です。日本のJRの線路幅1067mmですが、マレーシアの鉄道はそれより狭い1mで「メーターゲージ」なんて呼ばれることもあります。そのような条件下で確かに最高時速140km/で割と安定した走行が続き、意外とレベルは高いな、という感じです。日本でも1067mmの狭軌で営業運転した最高時速は160kmですからね。

 

ここでジョホールバル行きに乗り換えになるのですが、次の列車は隣のホームに停車していました。ここから先は非電化区間となるため、ディーゼル機関車が客車を引っ張る構成となります。クアラルンプール方面からグマスまで来る列車は1日2便のみ。グマスからジョホールバルまでの間は1日3便あるのですが、この2つの列車が旨く繋がるパターンは実質1日一往復分しかありません。その中でも一番「まとも」なスケジュールなのが今使ってる組み合わせで、グマスでの接続待ちが30分弱で済むんです。

 

客車は3両、これに1両まるごとの食堂車がついてます。

 

最後尾には電源車が繋がってました。

 

コチラもリクライニングシートが並び、なかなか快適です。

 

グマス駅構内には何処か懐かしい感じの客車が…。2010年頃に譲渡された日本の元ブルートレイン、14系と24系客車でした。2011年からは「マラヤンタイガートレイン」として往年のブルートレインを彷彿させるような夜行列車も走っていたようですが数年で運休。14系座席車自体はコロナ前まで時々現役で使われていたようですが、今では全く使用されているようには見えず、朽ち果てるのを待つのみ、といった佇まいです。勿体ないなぁという気がするけど、見た感じ復活させられそうな感じはないです。

 

今度は客車列車なので、割と「のんびりジャングルを行く」みたいな車窓風景です。

 

食堂車へ行ってみましたが、なんか職員さんの休憩スペースになってるような。

 

ショーケースには商品は並んでいるので営業中なのは間違いないのですが、メニューなどは一切掲示がなく、なんだかやる気なし!って雰囲気が漂います。食事としてはパンやカップ麺くらいで、先ほど乗ってきた列車のようなホットミールの用意はなさそう。

 

一応コーヒーとか買ってみました。3リンギット

 

グマスからガラガラの車内で長閑な汽車旅を楽しんできましたが、途中駅からどっとお客さんが乗ってきて車内はほぼ満席に。この列車、恐らくジョホールバルの近郊輸送が主な目的だな。

 

またこのあたりから線路脇に架線柱が立っていたり、新しい駅施設ができていたりするのが車窓から見えてきました。ジョホールバルまで複線電化工事を進めているようですが、かなり進行している様子。こんな客車列車に乗れるのもあと数年かな?

 

すっかり暗くなって夜7時45分、ほぼ定刻にJBセントラル駅に到着しました。

 

シンガポールへ行くには、ここでもう1回乗り換えが必要です。以前マレー鉄道のシンガポール側の終点はタンジョンパガーの「シンガポール駅」でした。ただ、シンガポール領内の「マレー鉄道」は敷地も施設もマレーシアの所有で、シンガポールはマレー鉄道に運営委託をしているような形だったそうです。シンガポールとマレーシアの出入国審査はシンガポール駅で行われていたのですが、シンガポールとしては他国の出入国審査がシンガポール中心部で行われていることに快く思ってはおらず、1998年にはシンガポール北部のマレー鉄道が海峡を越えてすぐのあたりに「ウッドランズチェックポイント」というシンガポール出入国審査を行う施設を建設します。そこから暫くは、シンガポールからマレーシアに行くときは「シンガポール駅でマレーシアの入国審査→ウッドランズでシンガポールの出国審査」、マレーシアからシンガポールへ行くときは「ウッドランズでシンガポール入国審査→シンガポール駅でマレーシアの出国審査」という謎のあべこべ状態が続きました。結局、2011年にはシンガポール駅が廃止され、ウッドランズから先のシンガポール領内のマレー鉄道区間も廃止に。2015年からはシンガポールのウッドランズからの列車は全てJBセントラル止まり、という運行形態になりました。シャトルトレインとして1時簡に1本程度の運転ですが、2国間を結ぶ道路橋が混雑しているせいもあるのか、かなりの利用者がいる感じです。今回は乗り換え時間を30分取って列車を予約しましたが、グマスからの列車を降りた出口のすぐ横がシンガポール行き国際列車乗り場。国際列車もゲート締め切りは出発10分前のようで、30分でも充分乗り換えできました。

 

改札口では列車のチケットではなくパスポートをリーダーに通して通過。そこからマレーシアの出国審査を抜けてホームへ移動です。

 

シャトル列車は予約制ですが座席定員制らしく席の指定はありません。空いてるところに適当に座って発車。

 

定刻より数分早発しましたが、改札ゲートを締め切り時間までに通過したお客が全部乗れば動かす、みたいな感じなのかも。乗車時間は5分ほどでジョホール海峡を越えてウッドランズに到着。

 

到着後、シンガポールの入国審査を受けて駅の外へ出ましたが、なんか凄い混雑です。近くにMRTの駅などもない結構な「僻地」なので、家族などにお迎えに来て貰っている人が多いようです。

 

こちらは公共交通でチャンギ空港を目指すことにします。ここを経由するバスはかなり多いようで、数分ごとに何らかの路線のバスがやってくるくらいの印象。MRTのウッドランズ駅まで行くバスが来たので、まずはそれに乗ることに。

 

ウッドランズ駅はバスとMRTとの乗り換え拠点という位置づけのようで、高架駅の下にバスターミナルが整備されていました。

 

エスカレーターで上に上がるとMRTのホーム。

 

そこから5駅、カーティブ駅で下車。

 

ここで再度、バスに乗り換えます。チャンギ空港まで高速経由でほぼ直行!みたいな路線が経由してるんです。実はその路線の始発は先ほどのウッドランズなので、そこで乗り換えても良かったのですが、MRTでここまでショートカットした方が所要時間が短くなるんでね…。MRTの駅からバス停までは大きな通りを渡る必要があるのですが、エレベーター完備の歩道橋があるので大きな荷物があってもそれほど苦労しません。

 

バスに揺られること約30分、チャンギ空港のターミナル3地下のバス停に到着しました。ウッドランズからここまでのトータル所要時間も1時間20分程度と、意外と早かったな、という印象。

 

とりあえずチェックイン。今日はそのまま出国審査へ進んでしまいます。

 

まだ夕食を食べれていないので、スタアラGステイタスで入れる「クリスフライヤーラウンジ」へ直行しました。

 

シンガポール航空のプログラム上級会員やビジネスクラス旅客が入れる「シルバークリスラウンジ」に比べると簡素、って感じはあるのですが、それでもまぁまぁ食べ物系はいろいろありました。

 

ラクサもありました。割と旨かったよ。

 

シャワーもありました。この日はかなり混んでいたようで、1時間半ほど順番待ちをすることに。

 

出発1時間前くらいにラウンジを出てゲートへ。チャンギの場合、各ゲート前に保安検査があるので、その待ち時間なんかも考えて行動しないといけません。

 

夜行便なのでひたすら寝るだけ。到着2時間前くらいに朝食が提供されました。

 

セントレアへの到着は定刻より20分ほど早くなりました。

 

折角なのでお風呂にでも入ってさっぱりして帰るぞ!とプライオリティパスを持って「風の湯」へ行ったのですが、平日は朝10時の営業開始なんですね。9時過ぎには到着ロビーに出れてしまったので、その辺の椅子で時間を潰して戻ると既に同じようなお客さんが10名ほど列を作ってました。大人気だなオイ…。