函館から渡島半島を時計回りに進んでいきます。初っぱなから「ざんねん」なモノ見ちゃうんですが…。
湯の川温泉からは、この春開通したばかりの「函館新外環状道路」へ函館空港ICから入り、函館江差道の北斗富川ICで国道228号へ流出。暫く津軽海峡沿いに進むと、今日の最初の目的地への看板が小さいながらも出ていました。
狭い生活道路を進んでいくと、ありましたよ「茂辺地北斗星広場」。
2015年に運行を終了した、上野と札幌を結んだ寝台特急「北斗星」ですが、その車両が2両、クラウドファンディングでここに保存されているんです。今までなかなか機会がなかったのですが、やっと見に来ることができました。周辺はステージっぽい設備や売店など、いろいろ整備されている感じです。
しかしながら…車両に近づいてみると、なんだかちょっとヘンです。
車内見学は昨年から休止中、敷地内のショップなども営業していない様子。で、肝心の車両のコンディション、ハッキリ言ってしまえばボロボロです。
クラウドファンディングでは確か2千万円近く集めていた筈。ここには2017年から設置されていて4年目、海にも近く降雪もある過酷な環境とはいえ、塗装が大きく剥がれているところも多々あって、殆どメンテナンスされてないんじゃないか…という気がしてしまいます。ちょうどこの旅の前半で見てきた岩見沢の711系も厳しい状態でしたが、継続的に外装の塗り替えなどを積極的に行っている様子が伺えました。それに対し、こちらは何の手当もしていないんじゃないのかしら…。新型コロナ禍でいろいろ大変なんでしょうが、これはちょっと酷いような。クラウドファンディングに応じた人たちも、こんな姿を見たくてお金を出したんじゃない筈。保存するのはいいけど、ちゃんと「そのあと」を考えてほしいものです。まぁ最近の鉄道車両保存系のクラファンは「保存と活用をどうするか」が明確なのが増えてきたような気がするのが救いですけどね。ニセコの「ニセコエクスプレス」も車庫に保存するようですし、阿久根の駅前に放置されていたブルートレインも香川で宿泊施設として再生、とかね。
続いて木古内駅にちょっと立ち寄り。
まぁ行ったのはそのお向かいの「道の駅 みそぎの里きこない」ですが。こちら、「北海道じゃらん」の道の駅満足度ランキングで3年連続1位だそうです。
館内の顔出し看板、こんなエッジの効いたヤツが鎮座してます。
その理由がコレ。ここ木古内では毎年1月「寒中みそぎ祭り」が行われています。なんと1831年から続く伝統ある行事なんだとか。
この鳥居から海に入っていくらしいです。
そのまま国道228号を進み、次は「道の駅しりうち」へ立ち寄ります。
ここには北海道新幹線の線路を一望できる展望台が併設されています。
この区間は北海道新幹線と貨物列車の併用区間にあたります。展望台には列車の通過時間の掲示もあり、ここでしか見れない「新幹線と貨物列車のすれ違い」のタイミングもちゃんと記載。1日3回あるみたいですね。
ここから少し走ったところに「青函トンネル北の玄関口」という看板があるのを見つけました。脇道に少し入ったところには展望台も。
展望台に上がると、青函トンネルの北海道側の出入り口が見えます。
福島町の「青函トンネル記念館」にも寄ってみます。建物はトンエルを模したようなスタイル。
ここは当初、道立の記念館があったところ。それが閉鎖された後、福島町がその跡地に新たに建設したものです。
「青函トンネル記念館」は本州側、竜飛岬にもあります。そちらは斜坑をケーブルカーでトンネルまで降りられたりし、何回か行ったことはあるのですが、北海道側に来たのは初めて。こちらはトンネルまで潜ったりはできませんが、展示はいろいろ揃っていて、これも悪くない感じです。
青函トンネル建設当時のこの辺りの様子を記録した写真です。かなり大規模な基地が設置されていたことが解ります。
この近くの道の駅は「横綱の里ふくしま」。
その向かい側には、道の駅よりも数倍立派な建物があります。
これが「横綱千代の山・千代の富士記念館」です。どちらも福島町の出身なんだそうです。
千代の富士は現役時代を子供ながらにリアルタイムで見ていましたが、確かに凄い人気でした。あの「キン肉マン」に「ウルフマン」とかって出てきちゃうくらいでしたもん。千代の山は北海道出身で初の横綱なんだとか。建物も立派ですが内部も立派。さすが郷土の偉人、といった感じです。それぞれの取り組みのビデオアーカイブを見れたりも。
九重部屋を模したエリアもありました。新弟子募集のポスター、雰囲気作りのレプリカかと思ったらマジの募集内容でした。
福島町の中心地を抜けて吉岡漁港の近くの高台に「トンネルメモリアルパーク」というのがありました。どうも、このあたりが青函トンネル建設時に斜坑が掘られたうちの一つで、工事の拠点があったエリアのようです。
津軽海峡を望むところに、ひっそりと記念碑がありました。青函トンネルはちょうど、この真下くらいを通っているはず。
北海道最南端の白神岬を通過。
ここから本州の竜飛岬までは19.2km。昨日通った汐首から大間までは17.5kmですから、それよりは2km弱ほど遠いことになります。実際に青函トンネル建設時には下北半島からのルートも検討されたらしいです。
今日の昼食は松前で。温泉旅館に併設された「レストラン矢野」です。
名物の「松前海苔だんだん」を戴きました。要は「のり弁」なんですが、お値段なんと1380円。のり弁が!って感じですが、松前産の手摘みの岩のりを使っているから。この岩のり、松前の道の駅では「5枚で3500円」という凄い値段で売られてたので、それを使ったのり弁がその程度のプライスタグを付けるのも納得です。実際、まぁ風味豊かな海苔だこと!って感じでした。
折角なので松前城にも立ち寄りました。ちょうど松前の桜祭りを開催中でしたが、ちょっと見頃は過ぎちゃってる感じでしたね。
松前城内には「桜前線標本木」の標識の建てられたソメイヨシノも。ただコチラ、気象庁の観測地点というわけではなく、松前町が独自に設定しているものらしいです。
松前には1988年まで「松前線」として鉄道が通っていました。その松前駅の跡地には碑が建てられています。
ここに駅があった面影は殆ど残っていないのですが、「観光案内所」と表示された小屋がまだ残っています。その傍には、おそらく案内地図でも掲示されていたであろう大きなボードも。
松前からは渡島半島の日本海側をひたすら北上していきます。江差町には「海洋丸記念館」が。
開陽丸は徳川幕府のためにオランダで建造されましたが、日本に到着したのは1867年のこと。ちょうど倒幕運動真っ盛りの頃です。その混乱の中で翻弄され、翌年はここ江差で座礁・沈没してしまいました。その開陽丸のレプリカと、海中から引き上げられた異物などが展示されています…なんですが、今回は時間がなく外観見ただけで終了。
函館に来たらやっぱり「ハセガワストア」と「ラッキーピエロ」は必須と言いたいところですが、今回はどちらにも行けてません。どちらも函館近辺にしか展開してないんですが、「ラッキーピエロ」はいくつか周辺にも進出しており、その数少ない店舗のうち一つが江差にあったりします。
店舗毎に違うテーマが設定されてる「ラッキーピエロ」、ここ江差入口前店は「オードリー・ヘップバーン」でした。
もうすぐ夕食の時間ということもあり、今回はシェイクだけで我慢。
夕刻の日本海沿い、そろそろ今日のラストスパートです。
今日のお宿、せたな町の貝取にある「あわび山荘」にようやく到着しました。
ここは貝取澗公営温泉浴場に併設された宿泊施設。以前は国民宿舎だったようで、宿泊部門を一時休業したこともあったみたいですが、また別の事業者が引き継いで再開した模様。もう館内、「昭和」全開!って感じです。
客室はごく普通の和室。壁紙が剥がれているところがあったりと古さを感じさせますが、清掃は行き届いていて不快な印象はありません。洗面所とお手洗いは共同。温泉があるので風呂も部屋にはありません。
ここはお湯がいいことで評判だそうです。早速入ってみます。
源泉掛け流しと、結構ガチじゃん。
公営で外来入浴を受けているだけあってお風呂は広々。露天風呂も設置されていました。
お待ちかねの晩ご飯は個室で用意されていました。今日のプランは「あわび尽くし」。地元で取れたあわびを使った料理が沢山出てきます。
あわびの刺身は新鮮でコリコリ。これにあわびステーキも。
卓上のコンロではあわびの踊り焼きが。
〆のご飯もあわび釜飯、と4品もあわび料理が出てきました。ほかの料理もボリューミーかつ意外に美味。しかも謎に「白ご飯もお出ししますね」ってどんだけ喰わせる気だ。建物はちょっとアレですが、温泉と料理は確かです。これだけ地のモノのあわび喰えて1泊2食1万3千円は納得いくかも。
翌日も快晴。よく見たら海が窓からちょっと見えるのね。
朝食は食堂で。
品数は程々って感じですがバイキング形式での提供でした。
朝9時にチェックアウト。お世話になりました。