へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

密回避!GW北海道マイカー紀行、その1:フェリーで北海道上陸。

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今年のGW、密かに北海道へ行っておりました。

今回はご時世柄で密回避!というわけで、久々にマイカーをフェリーに乗っけて出かけようと企画。名古屋から北海道へは苫小牧行きの太平洋フェリーが運航していますが、仙台経由で2晩と結構時間がかかります。実は日本海側へ出た方が早く、新日本海フェリー敦賀~苫小牧東航路を使うと、名古屋市内を夜8時過ぎに出れば翌日夜には北海道上陸、という便利さ。ただしGWは貨物量が減るせいか運行予定がありませんでした。そこで同じく新日本海フェリーの新潟~小樽航路を往復で利用することに。

 

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名古屋から新潟港までは500kmくらいの距離なんですが、フェリーの新潟港出港時間は昼の12時。未明に起きて行くのも…と前日のうちに適当な地点まで行って一泊、翌朝また新潟へ向かうコースにしました。中央道に入って駒ヶ根SAで晩ご飯。

 

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舞茸天そばとソースカツ丼のセットを注文。ちょっと信州っぽいでしょ。

 

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岡谷JCTから長野道へ流入姨捨SAで2回目の休憩にしました。

 

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姥捨といえば鉄道では「日本三大車窓」の一つですが、SAからも長野の夜景が綺麗に眺められました。

 

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更級JCT上信越道上越JCT北陸道と経由し、上越ICで高速を降ります。ここからクルマで5分ほどのところにある「ホテル門前の湯」が本日のお宿、夜11時には到着できました。

 

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客室はシンプルな感じですがまだ新しいのか、かなり綺麗な感じです。

 

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室内には洗面台とトイレを設置。

 

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WIFI完備」とのことでしたが、客室内にルーターが備え付けてあって有線LANコネクタに繋いで使う形でした。このほうが「電波が弱くて使いにくい」とかはほぼ無いので逆にいいかも。

 

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こちらのホテル、天然温泉の大浴場があります。外来入浴もできる温浴施設を併設しているような感じで、夜12時まで利用可能。朝も6時半から使えるので、客室に風呂がなくても問題なし、なんですね。浴室はかなり広く、別料金ですがサウナも完備。小さいながらも露天風呂もあって、非常に快適でした。

 

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翌朝、新潟港へ向けて再出発。

 

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上越ICから再び北陸道へ入り東へ。米山SAで休憩です。

 

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何故か米山SA名物として「サバサンド」推し。由来はよくわかりませんがコレで朝ご飯にしますか。

 

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中身は至ってシンプル、サバのフライとオニオンスライスにレタス1枚が塩胡椒で味付けられており、これにレモン汁をかけて戴きます。トルコのイスタンブール名物のサバサンドに通じるものを感じさせますが、それもそのはず。実際にそっちを参考にして「これをウチの地区でも名物にしよう!」と始まったものらしいんですよ。

 

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新潟西ICで一般道に流出、出航1時間半前に新潟港のフェリーターミナルに到着しました。

 

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こちらが本日乗船する新日本海フェリー「あざれあ」です。2017年に就役した、この会社では最新の船になります。船首が垂直に切り立ってるのが外観上では大きな特徴。

 

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出港1時間前には乗用車の積み込みが始まり、船内へ。

 

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今回利用する等級は「ツーリストA」、下から2番目にあたります。

 

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この「あざれあ」には昔のフェリーにあったような雑魚寝の大部屋はなく、一番安い等級でも半個室のベッドタイプです。この下に「ツーリストC」の設定があって運賃も少し安いのですが、スペック上では違いがドコになるのか全然わからないよ…。

 

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ベッドの内部はこんな感じ。枕元には照明とコンセントが一箇所。また、ちょっとした棚が用意されてるのも何気に便利です。

 

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足下側にも荷物棚が設置されています。シーツは用意されているものを自分でセットします。

 

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昼12時、定刻に小樽へ向けて新潟港を出港しました。

 

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新潟港は新潟空港にも近く、ちょうどpeachA320が着陸するところが見れました。

 

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では、お昼ご飯とします。

 

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新日本海フェリーって食事がそこそこ旨い上にお値段的にも比較的「ふつう」なのがいいんですよね。乗船のときはたいてい船内で喰ってます。

 

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こちらのレストランはカフェテリア方式。

 

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今日は海老味噌ラーメンとカレーのセットにしました。ラーメンはきちんと海老の強い風味が出てるし、カレーは鉄板。これで1130円なら悪くないでしょ。

 

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食後は売店で売ってた、これまた新潟名物?のヤスダヨーグルトフローズンヨーグルトでまったり。

 

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このあたりで船内をうろついてみます。

 

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客室は4階・5階・6階の3フロアに広がっています。

 

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新日本海フェリーといえば船首部分に窓を配した「フォワードサロン」が名物みたいなもんで、「あざれあ」も5階にありますが、今日は「新型コロナ対策」として閉鎖されていました。まぁコチラって冬期も閉鎖してたりするんですけど。

 

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6階には男女別の大浴場。大きな窓からの海を眺められるのはもちろん、露天風呂まであったりするんですよね。サウナもあるので、ここでのんびり、なんてのも可能。

 

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大浴場は小樽行きでは夜10時まで利用可能。翌朝は入港時間が早いので開いてません。

 

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5階には売店がありますが、新日本海フェリー寄港地の各地のお土産なんかも揃っていたりと、なかなか取り扱いは豊富。

 

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売店脇には小さなパブリックスペース。この船、意外とパブリックスペースは少なめ、という印象です。

 

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航行中に出られる外部デッキは5階部分のみ。デッキへ繋がる通路にもチェアなどが置かれています。

 

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デッキにもテーブルや椅子が置かれていて、ここも過ごしやすい感じ。夏だとバーベキューとかできるらしいんだけど…。

 

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5階のレストランの隣にはカフェがあり、レストランが開いていない時間を中心にこちらが営業する形。メニューはレストランと変えてあり、コチラではピザなども提供していました。

 

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4階のロビーには大きなテレビの置かれたコーナー。

 

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その反対側には椅子とテーブルの置かれたパブリックスペースを用意。

 

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夕食もレストランで戴きました。

 

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晩ご飯で選んだのは特製ザンギ定食。揚げ立てが提供され、これもなかなか旨かったです。お値段も定食で1000円ですし。

 

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食後はちょっとビールなど。サッポロビールの新潟限定「風味爽快ニシテ」を船内で売ってました。

 

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フェリーで一晩過ごし、翌朝4時半に小樽港に入港。いよいよ北海道に上陸だ!

伊勢湾一周したらアレに出会えた話、その2:鳥羽のリゾートホテルで消えゆくアレと邂逅。

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お前、こんなところにいたのか…。

 

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今日は鳥羽で一泊。宿泊先は「ホテルアルティア鳥羽」で、伊勢海老も出るコースディナーと朝食付きで1泊10500円という破格のプライスで出ていたためにコチラを選んでみました。鳥羽駅からはホテルまで無料の送迎バスが利用できます。

 

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10分ほどでホテルに到着。なんか南欧とか、その辺の雰囲気じゃないですか。

 

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エントランス脇もリゾートホテル!という感じ。

 

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館内に入ると広いロビーが。海を望む高台に位置しているので、正面にも少し海が見えていたりします。

 

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エントランスのあるフロアは3階。ロビーは4階まで吹き抜けの空間です。この奥にフロントがあり、そちらでチェックインしました。その先には売店も。

 

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夕方のロビーにお茶などのドリンクも用意されていました。

 

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「ホテルアルティア鳥羽」の客室は全てオーシャンビューとのこと。ツインルームですが充分な広さです。

 

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部屋のベランダからは鳥羽湾の風景が広がります。正面は坂手島ですね。

 

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では館内を散策してみましょう。1階には天然温泉の大浴場があり、内湯と露天風呂が。もちろん、どちらも鳥羽湾のオーシャンビューが楽しめます。大浴場のそばには自販機コーナーが…って、あれ?

 

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なんとニチレイの冷凍食品の自販機がこんなところにあるじゃないですか! 

 

www.ssnp.co.jp

 

高速道路のパーキングエリアや遊園地などのレジャー施設あたりでお馴染みな気がするこの自販機、つい最近ニチレイが事業からの撤退を決定したばかり。実は自販機の製造が2010年で終了、保守パーツの供給もサポート期限切れで途絶えたため、あとは消えゆくばかり、という状況だったそうな。で、自販機の台数が自然減していくうちに、この自販機用の冷凍食品の生産も継続できるロット数を割ったため、「今売ってる分が売り切れたら終売」で自販機も撤去開始、ということになりました。全て終了してしまう前にどこかでまた食べたいな…とは思っていたのですが、なんせ「どこにあるのか」という情報がどこにもないんですよコレ。まさか、こんな南欧風のオシャレ?なリゾートホテルにあったとは。

 

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同じく1階にはバーがありましたが、現在は新型コロナ対策で営業休止中でした。

 

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屋外にはプールもありました。

 

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天体観測ドームなんてのも。夜になるとここで天体観測するイベントがあるらしいのですが、これも新型コロナ対策で休止中でした。まぁこの日は曇り空で、イベントがあっても星は見えなかったと思うけど。

 

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夕食は2階のレストラン「ペルル」で。

 

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2フロア吹き抜けで鳥羽湾に向かって大きな窓が開け、景色はなかなかです。

 

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こちらが本日のメニュー。魚・肉のフルコースになってます。

 

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テーブルに何か白いタブレットみたいなのが置かれているのですが…。

 

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これがなんと「おしぼり」。タブレットに水をかけるとどんどん膨らんで、こんな感じになるんですよ。

 

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ドリンク類は比較的リーズナブルな価格設定でした。「ビールかスパークリングワイン」+「赤ワインか白ワイン」の2杯で1500円のセットもあったので、こちらを戴いてみました。

 

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1杯目は泡から。

 

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前菜は「志摩の魚介のクリュ」。「クリュ」って何?と思ったらフランス語で「生」というとこで、まぁぶっちゃけ「刺身」ですね。

 

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前菜のあとでパン登場。緑色のロールはあおさ海苔を練りこんだパンですが、これが予想外に美味でした。パンを割ると磯の香りがふわっと漂います。

 

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お次は空豆のスープ。

 

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魚料理はお待ちかね、伊勢海老の蒸し焼きです。ちゃんと伊勢海老だ…。

 

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ここで苺とカルピスのグラニテが登場。魚と肉の間にグラニテ、ちょっと本格的じゃん。

 

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肉料理は豚の肩ロースのローストです。さすがにこのお値段では牛は出てこないのね…という感じですが、これはこれでいい感じで火が通され美味でした。

 

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2杯目は肉料理に合わせて赤ワインを。

 

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デザートは3種類から選べるのですが、クレームブリュレにしてみました。ベリーのアイスが添えられています。

 

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食後にコーヒーをいただき、夕食は終了。いやぁ、これだけで普通少なくとも4~5千円くらい取られても変じゃない感じでした。

 

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夕食が終わるとすっかり夜。また温泉に入ってみたりと、のんびり過ごします。

 

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で、やっぱり気になるのはコイツ。

 

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これを逃すと次にいつお目にかかれるか解りません。なので、ちょっと買ってみます。

 

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焼きおにぎりと迷いましたが、これも定番のハンバーガーセットに。実は「焼きおにぎり」の方は昨年に近所の「ローソンストア100」で何故か一箱100円で売られていたことがあって、その時にちょっと買ってたんですよね。フライドポテトもあったりしたんですが、今考えれば「生産ラインを維持する最低ロット分を売るための苦肉の策」だったのかもしれません。新型コロナ禍で「おでかけ」自粛が求められていた時期、レジャー先に設置されることが多いこの自販機の売上げも厳しかっただろうし。

 

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中身はハンバーガー、チキンナゲットとフライドポテト。この「特に旨いわけではないが不味いわけでもない」感じが悪くないんだよなぁ…。

 

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翌朝。ちょっと小雨がぱらつく生憎のお天気です。

 

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朝食は洋食と和食が選択できるのですが、夕食が「洋」だったので和食を選びました。和食は4階のレストラン「花鳥」での提供です。

 

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2階のレストランほどではないですが、こちらもオーシャンビューです。

 

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朝食のメニューはこんな感じ。かなり充実しています。

 

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お盆に載りきらないくらいのボリュームで登場です。朝から鰹の漬けとか出るし。

 

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小鍋の中身はこれ、豚の角煮ととろろを焼いたもの。これもとろろがちょっとお焦げを作ったりして、香ばしくて旨かったです。

 

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チェックアウトして、また送迎バスで鳥羽駅まで送ってもらいました。名古屋まではJRで帰ることにしました。近鉄でもよかったのですが、特に急いでいないので特急ナシで行こうと思ったら、無茶苦茶接続が悪かったんですよ…。

 

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名古屋行きの快速「みえ」を利用しました。近鉄特急には敵いませんが、それでも遜色ないくらいの所要時間で名古屋までを結びます。車内も転換クロスシートが並び意外と快適だったり。

 

 

伊勢湾一周したらアレに出会えた話、その1:島伝いに鳥羽へ。

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6月の最初の土日、実は北海道に行く計画でした。「オールインクルーシブってどんなもんじゃ」と「クラブメッド北海道トマム」を予約していたのですが、北海道が緊急事態宣言に入ったことによりホテルが休業を決定。一泊2万ちょっとでお安く取れてたのに…。幸いなことに航空券も手数料ナシで払い戻しできたのですが、面倒なハナシになっちゃったのが「空港までの足代」。価格が暴落してた名鉄株主優待乗車券をセントレアまでの往復用として2枚購入しちゃってたんです。1枚は「レストランFLYING HONU」のファーストクラス利用のときにANAセントレアー羽田便を使って消化したのですが、1枚は余ったまま。そこで、名鉄で行ける「どこか」へ行こうと考えた次第。

 

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名古屋から名鉄特急の河和行きからスタート。

 

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車両は展望席付きのパノラマSuper。こんなのが普通の特急として普通な感じで走ってる名鉄って意外と凄いと思うんだけどね…。名鉄の特別席料金が360円ってのも絶妙です。これが500円と言われると怯みますが、360円だと「まぁコメダでコーヒー飲むより安いかな…」みたいな気になりそうだもの。

 

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展望席は20席。後列に行くに従って床が高くなる階段式でシートが並ぶので、後方に座ってもまぁまぁ前が見えます。

 

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名古屋からおよそ45分で河和駅に到着。

 

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河和駅からは名鉄線にほぼ接続するようなスケジュールで師崎港行きの知多バスが設定されています。

 

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ここからは三河湾沿いに知多半島を南下。

 

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約30分で師崎港に到着しました。

 

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ここ師崎港は愛知の離島である日間賀島篠島への拠点となっており、高速船はそれぞれの島におよそ30分おきに出ています。加えて両島へのカーフェリーもありますが、島には基本的に一般車は乗り入れ禁止なので、ほぼ島民向けといった感じです。

 

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ここからは日間賀島行きの高速船に乗ります。

 

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日間賀島まではわずか10分ほどの所要時間。

 

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高速船は諸崎から日間賀島東港→日間賀島西港というルートですが、今回は日間賀島東港で下船しました。

 

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港では島の名物の一つであるタコがお出迎え。

 

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東港前には島唯一という信号があります。島の小学生はここで信号について学ぶ、のだそうです。

 

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東港から西港エリアまで徒歩で移動。海沿いのルートが一般的ですが、内陸のほうを歩いてみました。意外とアップダウンある道だな…。

 

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のんびり歩いて2分ほどで西港エリアに着きました。こちらの方が宿泊施設や飲食店などが建ち並び、日間賀島としては「玄関」といったところ。

 

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西港にもタコのモニュメントが設置されていますが、少し西港のヤツとは違うのね。

 

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また、こちら側には駐在所があるのですが、コレがタコみたいな見た目なのも名物。

 

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西港にはかなり立派なターミナルも作られており、待合室や観光案内所、名鉄海上観光船のきっぷ売り場などがあります。

 

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日間賀島西港からは再度高速船に乗船し、渥美半島の先端の伊良湖岬を目指します。

 

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この航路は河和港が起点。そこから乗ってもよかったのですが、日間賀島に寄る時間を作りたかったんですよね。

 

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日間賀島を出ると、篠島経由で伊良湖岬へと向かいます。

 

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天気もいいので最上階のオープンデッキへ。名古屋中心地から2時間ほどで来れちゃうとは思えないほどの「観光地」感があります。三河湾や伊勢湾、ちゃんと景勝地なのかも。

 

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伊良湖岬までは30分ちょっとのクルーズ、意外と近いな。

 

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そういうわけで伊良湖岬に到着です。

 

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ここには客船ターミナルも兼ねた道の駅「伊良湖クリスタルポルト」があります。

 

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が、時期が時期だけに館内の施設は休業中。本来は飲食店や土産物店が営業してる筈なんですけどね。

 

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施設の扉にはこんな張り紙が。昨年頭、まだ「新型コロナウィルス」が中国で騒ぎになってる「遠い話」だった頃のものがそのままになっています。そんな時代もあったね…。

 

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灯台の方へ遊歩道を散策してみることに。サーファーが結構いるんですねココ。

 

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海沿いに遊歩道が整備されていて、なかなか快適。ここから太平洋の外海なので、割と波は荒れてます。

 

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ぐるっとまわって恋路ヶ浜まで。

 

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ここには飲食店の並ぶ一角があります。

 

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そろそろ昼食、といわけで「灯台茶屋」へ。

 

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ちょうど今が旬とのことなので岩牡蠣定食を注文しましたが、最初に大アサリ焼きが登場。大きいね確かに。

 

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続いてメイン登場。お刺身に生の岩牡蠣、デザートは渥美半島らしくメロンですね。

 

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それでこの岩牡蠣、その大きさには吃驚です。生かフライか焼きかが選べたのですが、生もいいけどフライや焼きも食べてみたかったかも。

 

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食後はお隣の「かわぐち」でかき氷。

 

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なぜ「日本で二番目」と称しているのかは謎ですが、旨かったのは確か。

 

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伊良湖港へ戻り、ここからは伊勢湾フェリーで鳥羽まで。

 

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伊勢湾は太平洋から名古屋港や四日市港などへ向かう船舶が多数通過するところですが、このフェリーはそこを横断する唯一の定期航路になります。

 

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船内は座敷席や椅子席などがあり、この手のフェリーとしては一般的な感じ。売店もちゃんと営業中でした。

 

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鳥羽に近づくと答志島などの島々の間を抜けていくような形に。

 

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鳥羽港までは55分で到着。

 

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鳥羽駅まで歩いて行きましょうか。

 

新「踊り子」&「サフィール踊り子」乗車記。

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4月下旬に所用で東京へ行ったのですが、185系が引退して新型車両に入れ替わった特急「踊り子」と「サフィール踊り子」に乗ってきました。

 

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新幹線で熱海に移動し、ここから特急「踊り子」に乗車します。新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合は在来線側の特急料金が半額になる「乗継割引」という制度があり、以前は新幹線から熱海や三島で「踊り子」に乗り継ぐと、「踊り子」分の特急料金が割引になっていました。しかしながら今年3月のダイヤ改正で「踊り子」が全席指定として料金システムが変更になったのに合わせて、乗継割引の適用外にされてしまいました。「踊り子」はチケットレス特急券だと割引になったりするのだけれど、なんか納得いかんぞ。

 

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乗車するのは上り「踊り子」としては始発となる「踊り子2号」。E257系の9両編成です。

 

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E257系は2001年、新宿と松本を結ぶ中央線の特急「あずさ」や「かいじ」への投入を目的として製造されたもの。2019年に新型のE353系が中央線の特急を置き換えることとなり中央線から撤退、東海道線の特急で第2の人生を歩むことになったわけです。中央線時代はシートが黒ベースだった筈ですが青になっており、生地の張り替えが行われた模様。

 

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えきねっと」でチケットレス特急券を買って乗ったのですが、海側の窓側シートを選んだつもりだったのに乗ってみたら山側。え?と思ったのですが、「えきねっと」に正しくシート情報が反映されていなかったようで、よく見たら予約完了のお知らせメールにもその旨の注意書きがありました。なんだそれ…。6月末の「えきねっと」リニューアルで解決した模様ですが。

 

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座席脇の壁面にはコンセントが設置されています。東海道線への転属に伴って追加で用意されたもののようで、いかにも「後から付けました!」感たっぷり。

 

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既に乗車した人のブログなどで「車内のコンディションが悪い」というのを見かけていたのですが、確かにちょっとこれはどうか、という感じ…。「踊り子」投入にあたって塗装は塗り替えられてシートもカバー取り替えなどの再整備が行われているはずなのに、壁面などはキズだらけのところが目立ちます。ちょっと再塗装するとかできなかったんでしょうかねコレ。一応「踊り子」は全席指定になって実質値上げになった面もあるし、「湘南ライナー」に至ってはコレの投入と同時に特急になって値上げになってるんですよ? これでいいのか、という感じです。

 

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デッキの壁面も、おそらく何かの案内シートを剥がした跡がそのまま残っているような状態。E257系も新型車のように思っていましたが、よく考えてみれば既に20年近くが経過してるわけで、もうちょっとキレイにしてあげてほしいところ。

 

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1時間強で品川に到着、今日はここで下車します。熱海から品川だと距離がギリギリ100kmを切るので、特急料金が安く済むんですよね。

 

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終点の東京へ向かう列車をお見送り。

 

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翌日の名古屋への戻りは特急「サフィール踊り子」に乗ってみました。乗車は品川から。これも100km以内に収まるので、特にグリーン料金が安く済むんです。100kmまでの料金が1300円なのに対し、100km~200kmだと2800円と倍以上になっちゃう…。

 

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ホーム床面には乗車位置を示すステッカーが貼られています。そもそも「サフィール」って何やねん、という感じですが、フランス語でサファイアのこと、らしいです。じゃ「サファイア踊り子」でもよかったんじゃね?なんでフランス語? インバウンドも増えてきている昨今、ヘンな外来語を使うのもちょっと考えた方がいいんじゃないのかなぁ…。コレはまぁ「フランス語+日本語」だからギリギリOKとして、JR東日本って「フランス語+英語」という「グランクラス」って謎の造語もあったし。

 

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東京駅を出た「サフィール踊り子」が入線してきました。この列車のために製造されたE261系、外装もピカピカです。昨年まで運転されていた「スーパービュー踊り子」、251系の置き換えといった位置づけですが、251系がリゾート的なムードで少しポップさを感じさせる仕立てだったのに対し、こちらは重厚感がある印象です。

 

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車内は全席グリーン車で、通常のグリーン席に加え個室やプレミアムグリーン席が用意されています。今日は一番「下」のグリーン車の利用ですが、座席は横3列で、これでもかなりゆったりしています。

 

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シートの背面には大きなテーブルが。ドリンクホルダーもありました。

 

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車内は天窓もあって、かなり明るい雰囲気です。

 

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8号車の運転席背後はちょっとした展望スペースになっています。運転台とシートの間にはパーティションがあり、ここに他のお客さんが来て前面展望を楽しんでても、最前列のお客が邪魔に感じることはなさそう。「俺の前に立つんじゃねぇ見えねぇぞ」はあるかもだけど。伊豆急下田行きだと8号車は最後尾になるので、こちらは後面展望席ということになります。1号車はプレミアムグリーン車なので、もっと高いカネ払わないと入れません。

 

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ここからの眺め、なかなかいい感じです。

 

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このE261系、「食堂車」があるんです。昨年の運行開始の際には「ヌードルバー」として主にラーメンなどをメインに提供していましたが、この春にメニューが一新され、パスタやカレーなどより「食堂車」っぽいラインアップに。「列車の中で調理された食事を取る」というのがレア体験になってしまった今、そりゃ利用しないワケにはいきません。事前に予約してレッツゴー。

 

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予約時間に出向くと、既にテーブルセッティングがされていました。

 

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戴いたのは「伊豆産フレッシュトマトのスパゲティ」、1100円也。ちょっとお高めな感じはしますが、ボトルのミネラルウォーターとパンが付いてきて「車内でお食事」体験が付いてくるなら納得です。「Ristorante HONDA」監修とのことでお味も本格的でございました。

 

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食事を終えてシートでのんびりしてると、もうそろそろ熱海。相模湾が車窓に広がります。

 

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わずか1時間ほどの乗車でしたが、それなりに堪能して熱海で下車。今度はちゃんと下田の方とかまで乗ってみたいけど、お値段結構するのよね…。伊豆急区間だけだったりとかだと少しお値打ち感があったりしますが。いずれにせよ、グリーン車扱いの料金を取るだけのクオリティはありますね。

 

 

「ロマンスカーミュージアム」と「YOKOHAMA AIR CABIN」に行きました。

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「レストランFLYING HONU」のプレエコ利用へ参加するにあたり、名古屋から成田まで移動が必要だったわけですが、その途中、海老名に今年オープンしたばかりの小田急ロマンスカーミュージアム」に行ってきました。その日は横浜で一泊して翌日朝にリムジンバスで成田空港へ向かったのですが、横浜ではコチラも最近開業したロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」にも乗ってみました。

 

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名古屋からは新幹線で静岡まで向かい、そこから甲府行きの特急「ふじかわ」へ乗り継ぎ。

 

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この特急に使用される373系は1995年に登場。JR東海に残る国鉄時代からの急行用電車を取り替えることを目的に開発された車両です。一時は「ムーンライトながら」にも使われていたんですよね。

 

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先頭車の前面窓は非常に大きく、デッキに立ちながらであれば前面展望も楽しめます。

 

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途中、ちょっとだけ富士山が車窓から見えました。

 

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甲府駅に到着。

 

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ここで特急「あずさ」に乗り換えました。中央線の特急は全て新型のE353系に入れ替わりましたが、コレに乗るのは初めてかも。

 

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車内で昼食としました。甲府駅で購入した駅弁、「信州名物山賊焼弁当」にしたのですが、上に乗っている鶏肉がなかなかボリューミー。小淵沢の「丸政」の商品ですね。

 

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「あずさ」は八王子で下車。

 

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ここでは横浜線に乗り換え、橋本まで向かいます。

 

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橋本で相模線に入り、海老名まで乗車。小田急の博物館に行くのに小田急を利用しないのか…。

 

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JRの海老名駅からの連絡通路を小田急海老名駅へ向かって歩くと、「ロマンスカーミュージアム」がありました。看板などが非常に地味なので、一瞬見落としそうな佇まい。

 

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現在、混雑緩和のため「ロマンスカーミュージアム」は予約制となっています。予約時間は午後3時からですが、時間はまだ午後2時過ぎ。そこで併設の「ロマンスカーミュージアムクラブハウス」で時間を潰すことにしました。

 

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ロマンスカーミュージアムクラブハウス」、要はカフェでございまして。

 

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こちらの看板メニューともいえる「日東紅茶とクールケーキのセット」を頂いてみます。その昔、小田急ロマンスカーでは「走る喫茶室」と称してアテンダントが注文をとるシートサービスを行っていたんですよね。ガラスのカップで運ばれてくる紅茶は、何か特別さを感じさせたものです。クールケーキはその当時提供されていた、アイスクリームを巻いたロールケーキ。こんなにお洒落に出てきてはなかった筈ですが…。「走る喫茶室」サービスは1995年に終了しましたが、2005年に新型ロマンスカーVSE登場に伴って再開。しかしながらこれも2016年に終了してしまいました。紅茶もせっかくなら当時のようなガラスのカップで出してくれれば雰囲気出るのに…とは思いましたが、その頃使われていたコースターがついてきたから許す。

 

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ロマンスカーミュージアムクラブハウス」は博物館に入館しなくても自由に利用可能。ちなみにメニューは意外と豊富。ホットドッグなど軽食も揃ってます。

 

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では予約時間になりましたので入館しましょうか。

 

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エントランスを入るとすぐに下りエスカレーターで1階へ。最初に目に飛び込んでくるのがこの古めかしい電車です。

 

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これは1927年の小田急開業時に使用されていた電車で、いわばこの後登場するロマンスカーの始祖みたいな存在とも言えます。小田急での活躍後は地方の私鉄などに譲渡されていきましたが、この車両は熊本電鉄に貰われていたものを小田急が引き取って開業当時の姿に復元したものになります。

 

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車内は今の通勤電車と比較しても遜色ない感じ。

 

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車両脇のスペースでは、小田急の歴史を紹介するショートムービーが上映されていました。

 

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で、お次がメインとなる歴代ロマンスカーを展示するスペースです。

 

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こちらが小田急ロマンスカーのイメージを作った初代、3000系SEです。1957年登場ですが、当時はまだ無骨な蒸気機関車の牽く列車が一般的で、首都圏の電車も木造ばかりだった時代。そんな中、飛行機を思わせるようなこの見た目の電車って相当なインパクトがあったことは想像に難くないですね。

 

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車内は「ロマンスカー」の名前の由来となった2名掛けシートが並びます。

 

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3000系は第一線を退いたあと、短編成化されてSSEと呼ばれ、国鉄御殿場線へ乗り入れる「あさぎり」号へ投入されます。反対側の先頭車はその頃の仕様で保存されています。

 

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東京オリンピックの前年となる1963年に登場したのがこの3100系、NSEと呼ばれますが「ロマンスカー」で初めて展望室が設置された車両です。

 

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NSEから10年以上経過した1980年、新しく登場したのが7000系LSEです。この車両から座席がリクライニングするようになったんですよね。

 

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その次に登場したのが10000系のHiSE。展望室+他の客室は全てハイデッキという意欲的な構造でしたが、バリアフリー化対応が難しいことから先に登場したLSEよりも早く引退が来てしまったという、ちょっとかわいそうな車両でもあります。

 

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こちらは車内見学で展望室にも入れます。が、考えてみたらコレって長野電鉄に短編成化されて譲渡されているので、そっちで現役で走ってる状態のに乗れるんだった…。

 

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10000系は先頭車1両だけの保存となっているので、特徴的な連接台車が剥き出し。ちょっと特殊なこの構造をじっくり見ることができます。

 

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保存車両の最後のコーナーにあるのは20000系RSEです。JR発足後に「あさぎり」の車両取り替えを目的に2編成だけ製造されたもの。JR東海との協定により371系と一定の共通化を図っているため、小田急ロマンスカーとしては珍しく連接台車を採用していません。

 

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RSEの大きな特徴とも言えるのが2階建て車両でしょう。2階をグリーン車(小田急線内だけの運用では「スーパーシート」と呼んでた筈)、1階を普通席の個室としていました。JRの371系にも2階建て車両がついてましたね。

 

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こちらも当時流行だったハイデッカースタイルを採用。ドアからすぐ階段、と「バリアフリー?なにそれおいしいの?」状態なのが凄い。

 

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先頭車も、これも1980~90年代あたりでよく見られた「前面展望」ができるスタイル。「お客が前面展望を楽しめるから」という理由の他に「乗務員がお客から見える状態の方が真面目に働くだろう」というような思惑もあったとかなかったとか…。

 

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2階席のグリーン車は横3列の豪華版でした。

 

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1階は4名用の個室が並びます。JRの371系はここが横3列の普通席になっていました。

 

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車内販売用のサービスコーナーもかなり広く取られています。それだけ「あさぎり」に小田急JR東海とも期待していたってことなんだろうけどね…。今では新宿~御殿場間の運転ですが、この新型車が投入された当時は一部列車が沼津まで乗り入れていたんですよ。

 

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展示スペースから2階へ上がると、大きなジオラマがありました。小田急の走る新宿~箱根までを再現しています。

 

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新宿駅付近では高層ビルが林立。

 

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上下に重なった新宿駅ホームも再現されています。

 

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川崎あたりには藤子・F・不二雄ミュージアムも再現されています。よく見ると「きれいなジャイアン」までいるぞ。

 

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箱根エリアも芦ノ湖や遊覧船まで再現。非常に見ごたえのあるジオラマなんですが、ひとつ難点を言えば「夜が長すぎ」。照明で1日を表現しているんですが、「夜」になってる時間が結構長いんですよ。夜景は映えるっていやぁ映えるんですが、ジオラマ自体の作り込みが凄いので、もうちょっと明るいところでじっくり見せてよ!って気がしちゃうんだよねぇ。

 

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そんなわけで約1時間半ほど楽しませていただきました。入館料は900円と程々ですし、歴代のロマンスカーが並ぶ姿は圧巻。「ロマンスカー」が毎年ボコボコ新型車が出るわけではないので展示替えが難しい=マンネリ化?という懸念はありますが、行ってソンはない施設ではあるかと。

 

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海老名からは相模鉄道で横浜へ向かいます…ってまた小田急乗らんのかい。

 

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途中、西谷で特急から快速に乗り換えて横浜に到着しました。

 

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まだ時間も早いので、もうちょっと遊びます。JRの根岸線に乗り換えて桜木町まで。今年4月に開業したばかりの「YOKOHAMA SKY CABIN」に乗ってみようと思います。桜木町駅前から運河パークまでを結ぶロープウェイですが、日本で都市内交通として採用された例は他にないんじゃないかしら。

 

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カウンターでチケットを購入。片道1000円と結構なお値段です。

 

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ではゴンドラに乗って出発。ちょうどスキー場のゴンドラと同じ感じです。1台の定員は8名となっていますが、現在は感染症対策で1グループ1台で運用しており、ゴンドラ独り占めになりました。

 

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で、コレがなかなか楽しいじゃないですか! 空中から見る横浜みなとみらい地区ってのも意外と絶景。

 

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移動手段としては1000円は高いけど、アトラクションだと思えば妥当かも。

 

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わずか5分ほどで終点の運河パーク駅に到着。すぐ目の前には横浜ワールドポーターズがあり、赤レンガ倉庫エリアにもアクセスできる位置になります。確かにこの一帯、鉄道駅からビミョーに遠いんだよね。

 

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折角ココまで来たので、日本では唯一ここだけとなった「レナーズ」でマサラダを購入。「レナーズ」はハワイで有名なマサラダのお店なだけあって、このエリアでも際だって行列ができてました。

 

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帰りは汽車道をぶらぶら歩いて桜木町まで戻りました。アトラクションとして、であれば「YOKOHAMA SKY CABIN」の利用は片道だけでも充分かも。ただ、夜は夜でまた夜景が楽しめそう。

 

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横浜での宿泊はホテルリブマックス横浜駅西口でした。駅から近そうかな、と思ったのですが横浜駅が大きいので結局10分くらい歩いたな…。

 

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客室は典型的なビジネスホテルの構成ですが、室内に電子レンジが1台設置されているのが珍しく感じました。飲食店が時短営業している関係で夕食はスーパーの総菜などで済ませたのですが、この電子レンジがかなり重宝しました。

 

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併設のカフェで提供される朝食を頂いてチェックアウト。

 

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横浜駅そばのYCATから成田空港行きのリムジンバスに乗りました。以前は20分間隔くらいで運転してたと思うのですが、今は1時間に1便程度しかありません。それも乗客は数える程度ですからね…。

「レストランFLYING HONU」おかわり、プレミアムエコノミー編。

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「レストランFLYING HONU」、実はもう1回参加してました。5月末のファーストクラス利用の2週間前、プレミアムエコノミーで。

 

なぜこんなことになったかといいますと。

 

もともとこの企画、FacebookANAファンのグループから始まってます。3月末に企画発表があり、抽選で申込みを受け付け、4/8に当選発表がありました。一応申し込んでみたんですが残念ながら落選だったようで何の連絡もなし。そしたらその翌日、今度は一般向けに同様の企画を5月下旬に実施するというリリースがANAからあったのです。こちらは先着順での受付で、受け付け開始と同時に申し込んでみたらファーストクラスが取れてしまった、というわけです。しかしながらその1週間後、今度はANAファングループの企画のほうからプレミアムエコノミーの繰り上げ当選の案内が…。同じようなヤツに2回、しかも成田まで行くってのも微妙な感じはしましたが、折角当選したのに勿体ないなぁ、という気が。加えて新型コロナの感染状況で企画が延期になったり中止になったりするリスクも考えられ、どちらかに絞ったらそっちが影響を受ける、とかになったらヤダなぁ…というわけで両方とも参加することにしました。プレミアムエコノミーの参加代金が1万7千円と比較的お手頃だったのもあります。

 

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成田空港には朝9時半頃に到着。受け付け開始まで時間があるので、久々の成田空港内を探索してみたんですが、まぁ見事なまでにガラガラ。

 

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店舗も大半が臨時休業中。中には閉店・撤退したところも目立ちます。特にショックだったのは、恐らく成田空港の開港時からあったはずのロイヤルコーヒーショップが閉店していたこと。結構お世話になってたところなんでね…。

 

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受け付け開始時間になったので第1ターミナル南ウイング1階のANA国内線カウンターへ。受付時間はクラス毎にずらされていました。さすがANAファンのイベントだけあって、参加者の皆さんの熱量が凄い。オリジナルのANA応援Tシャツ作って着てる方とか、応援グッズ用意して配る方とか。そもそも、この企画自体が「収益的に厳しい状況にあるANAに何らかの形でお金が入るような手助けをしたい」ってところから始まってるわけなので、そりゃそうなるのは当然ですが。

 

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ANAは現状、成田空港発着の国内線は全便運休しています。基本的に成田からの国内線は国際線接続のために運航しているので、国際線運航が殆どない現状では飛ばす意味ないんですよね。恐らく、この国内線カウンターが稼働したのは久々なんじゃないかしら。

 

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国内線の出発案内もpeachを除けば結構の表示ばかり…って一番最後にヘンなやつ表示されてるぞ! なかなか粋な演出ですな。

 

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搭乗手続き?では搭乗券と今日の「しおり」、ホヌのボールペンを戴きました。クリアファイルは私物です。搭乗券はちゃんと通常の国際線でも使ってるフォーマットのもの。「しおり」は今日のスケジュールや注意事項、機内見学に関する案内などが載っていました。

 

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国内線の出発ゲートへ向かいますが、途中に当然ながら通常の国内線利用と全く同じ保安検査がありました。なお成田空港にはANAのアライバルラウンジがあり国内線利用者も利用可能なのですが、現状ではラウンジ自体がクローズしています。

 

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ゲートラウンジの売店は営業中。正面にはA380グッズを激推しで陳列してました。

 

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11時過ぎにバスへの案内が。これもクラス毎に分けられています。バスに乗ったものの、なかなか発車しません。どうも受付時間に遅刻してきた参加者がいたらしく、その客を受けるかどうか調整していたようです。

 

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やっとバスが発車して、飛行機に近づいたのはもうお昼前でした。

 

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この日は先に機内見学し、そのあとお食事タイム、という構成。まずは2号機に搭乗です。

 

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見学順序は1階のエコノミークラスから始まります。

 

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1階は全てエコノミークラスで383席もあるので、ギャレーもかなりの広さという印象。

 

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エコノミークラスの後方は座面が広がってフラットにできる「スカイかウチ」シートを設置。

 

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最後尾には多目的室みたいな設備もありました。

 

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このピクトグラムがユニーク。みんな亀じゃん!

 

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ここから2階席に移動。後方の階段がかなり狭い印象ですが、旅客が使う前提ではなくクルーの通路という位置づけのため、なんだとか。

 

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2階席の後方はプレミアムエコノミーのエリア。

 

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プレミアムエコノミー、実は73席もあるんですね。まぁハワイくらいになると、プチ贅沢したい的な層は結構いそうだしなぁ。

 

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プレミアムエコノミーの前がビジネスクラスの区画。

 

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ビジネスクラスは56席が用意されています。横は1-2-1の配列。

 

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そして最後にファーストクラス。ベッドメイクした状態のシートもありました。なお、どのクラスも座って試せるシートが用意されていましたが、なかなかレアな機会なのかも。

 

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結局、見学時間は20分程度と少し慌ただしい感じで降機。

 

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2号機とはここでお別れ。

 

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バスでお食事会場となる1号機へ移動しました。

 

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プレミアムエコノミーの指定された座席に座ります。ソーシャルディスタンス確保のためか3列掛けの中央は空けているようですが、そのほかは満席のようです。

 

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搭乗が終了すると、機内安全ビデオの放映が始まりました。ハワイ便のビデオは特別製らしく、A380をイメージした亀のキャラクターの皆さんがご出演。そのほかもトロピカルな装いの皆さんが緊急脱出するイラストが使われたりと、結構遊んでますな。

 

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こちらが本日のメニュー。

 

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ドリンク類はビールやワインといったアルコールも用意されていました。食事についてはメインを和食か洋食か選べますが、これは事前に希望を伝えておいたもので、ここで選べるワケではありません。

 

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実際の国際線のミールサービスのように、最初にドリンクカートが廻ってきました。早速ビールを戴くことに。

 

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で、いよいよ機内食。プレミアムエコノミーなのでワンプレートでのサーブになります。今回は和食の「メカジキ和風トマトステーキ」をメインとしてチョイスしました。デザートはピエールエルメとのコラボのものですが、確か本来はビジネスクラスで提供しているものを特別に出してくれた、だった筈。

 

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お食事のお供として白ワインを所望。

 

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食後はホットコーヒーを戴き、暫しプレエコの座り心地を楽しみました。

 

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機内で過ごした時間は1時間半ほど。そろそろレストランもお開きです。

 

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アナウンスに従って出口へ向かいます。よく見たらシートカバー、今日の企画向けの特別製じゃないですか。

 

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バスに乗車し、ターミナルへ戻りました。

 

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国内線到着口で記念品を受け取り、今日のイベントは終了となりました。イベント中はネックストラップをつけていましたが、カードのメッセージは手書きで、それぞれ少しずつ違う内容になっていたようです。

 

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記念品の中身ですが、まずは焼き印入りのどら焼き。成田の老舗和菓子店、なごみの米屋のものです。

 

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今日のイベント特製のピンバッジとステッカー、ホヌのバゲージタグ。

 

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スヌーピーとのコラボのビニールポーチ。中には何故かマスクが入ってました。

 

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こちらはANAロゴ入りのカトラリー。これがプチトラブルを巻き起こしていたようで…。参加者の中には地方から飛行機で参戦した方も結構いたようなんですが、帰りの飛行機に乗る際にコレが保安検査で引っかかっちゃったケースがあった様子。

 

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小型のエコバッグ。

 

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こちらは中にエコバッグとティッシュが入ったポーチでした。

 

ANA側も参加者側も熱量が凄く、大変楽しめた企画でした。正直なところ少しオペレーションが熟れていない感はあり、もしかしたらこの後の一般向けの予行演習も兼ねてるのかな?という気はしましたが、それはそれでアリでしょう。ちょっとくらい不手際があっても、皆さん筋金入りのANA応援団なんですから、ヘンに文句を言うような客はいないわけで。むしろ「さぁどんどん実験台にしてください!」てなもんでしょう。確かにこの2週間後に参加したファーストクラスの回は非常にスムースに進んでたもんなぁ…。

 

 

飛ばないホヌでもホヌはホヌ。ANA「レストランFLYING HONU」ファーストクラス体験記。

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いま、未曾有の危機に見舞われている航空業界。

国際線の旅客需要は蒸発、国内線も度重なる緊急事態宣言で回復は遠く、昨年はエアアジア・ジャパンが破綻してしまったほど。

それでもなんとか収益をあげようと各社とも様々な試みを行っていますが、なかでもアグレッシブなのがANAかもしれません。フラッグシップともいえるA380を使用した各地での遊覧飛行や機内食販売など…。今年4月にはついに飛行機を飛ばさず、国際線用のB777を地上に置いたまま機内食を食べる企画まで開始してしまいました。そして今度はA380で同じコトを実施することに。「地上で機内食」企画は抽選制だった遊覧飛行と違い先着順での受付だったのですが、なんとA380のファーストクラスの予約が取れてしまったんです。

なお、この「レストランFLYING HONU」、ファーストクラスのお代金はなんと59,800円と相当なお値段。それでも価値あるかな、と思ったのは…。

1. A380自体が「レアもの」化しつつある

大手航空会社の長距離国際線の主力機材がB787A350中心となっていく中、もともとサイズが大きくて適した路線が限られ、一世代前のエンジンを4つ積んだA380は新型コロナ前から既に「持て余し気味」な存在でした。それが新型コロナ禍で航空需要が激減すると顕在化。エールフランスは9機保有していたA380の即時退役を決定し、自分も一昨年に搭乗したエティハド航空も正式アナウンスはないもののウェブサイトの保有機案内からA380を削除してしまいました。経営状況が厳しいマレーシア航空やタイ国際航空も退役させる方向ですし、カタール航空もCEOがA380をクソミソに貶す始末。今のところ、まだ暫く使いそうなのは100機以上を保有してまだ新造機を受け取る予定のエミレーツ、発着枠が限られているため大型機を投入するメリットのあるロンドン・ヒースロー空港を本拠とするブリティッシュエアウェイズなど、限られた存在となりそうです。こんな状況なので退役した機材も次の活躍先がなく、エールフランスから引退したA380は製造後わずか10年ちょっとでスクラップにされてしまいました。つまり何が言いたいのかというと「アフターコロナでA380に乗れるチャンスは恐らく激減してるよ」ってことです。まぁANAA380は導入したばかりですし、それなりに手堅い需要のあるハワイ路線向けの上にここ最近の遊覧飛行人気で機材自体の集客力の強さも証明できたので暫く安泰なんじゃないかとは思いますが。

2. 機内見学付きである

ANAが購入したA380は3機ですが、日本にあるのは2機で、1機はまだフランスのトゥールーズエアバス工場に置かれたまま。今回の企画はその2機を活用し、1機はレストラン、もう1機は機内見学用にするという、なかなか贅沢なものです。実際にA380に搭乗できたとしても、自分が利用するクラス以外のゾーンを見て廻ることは難しいですし、それが上級クラスとなれば尚更。これはなかなか貴重なチャンスなんじゃないかと。

3. そもそもハワイへファーストクラスで、って機会がなさそう

ANAA380で行くホノルル、ファーストクラスの運賃は往復35万円から、ということになってますが、実際には60万円以上はするみたいです。正直ここまで払って乗るってことはまずないだろうし、「マイルを貯めて」ってのも12万マイルくらい必要なので、それだけマイル持ってれば他の路線でビジネスクラスとか、そっちを選びたくなります。つまり、マトモにカネ払って乗ることは多分ないだろうから、この機会に体験しとけ、と思った次第。

4. ANAのファーストクラス座席としては最新の設備になってる

ANAの長距離路線ファーストは2019年にマイル使って乗りました。ただ、その時利用したB777に装備されていたのは一世代前のシート。実はその直前にファーストクラス、ビジネスクラスとも隈研吾デザインの新プロダクトが導入され始めており、ファーストクラスも通路側にドアがついて個室っぽくできるなどのアップデートがされたんです。A380にはそれとほぼ同じファーストクラスのシートが搭載されているので、コレを体験してみたかったんです。

 

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で、やって来たのは成田空港第1ターミナル、南ウイング1階のANA国内線カウンター。受付時間は利用クラス毎にずらして設定されており、ファースト・ビジネスは午前11時~11時半の30分間が指定されていました。

 

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かなり長い列ができていたのですが、ファーストクラス利用であることを確認するとスタッフさんが優先的にカウンターに案内してくれました。お、ここから上級クラスのえこひいき始まるのか。

 

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カウンターではちゃんと「搭乗券」を貰い、そこから国内線の出発口へ進みます。飛ばないとはいえ保安区域に入ることになるので、通常の国内線利用と同じ基準でのセキュリティチェックがありました。

 

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ゲートの表記は「NH2029便ホノルル行き」、出発時間も20:10と「いかにもハワイ行きが飛びそうな時間」になっています。脇のモニターには今日の企画用の表示も出ていました。

 

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飛行機まではバスで移動しますが、利用クラス毎の案内になっていました。ファーストクラス利用者の案内は一番最後で12時少し前くらいから開始。ファーストの利用者8名で1台のバスを用意する贅沢っぷりです。

 

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ではFLYING HONUを目指して出発。バスの前面にも「レストラン機」なんて表示出してるのね。

 

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暫く走ると、駐機する2機のA380が見えてきました。もともと横風用滑走路の予定地だったエリアに最近増設されたスポットに置いてあるようです。

 

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そしていよいよ、レストラン機に到着。機内食を戴くのはANAA380として1号機となる、「ハワイの空」をイメージした青塗装のものです。

 

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なんせこんな企画にカネ払って参加するくらいなので、他の皆さんもガチの航空ファンANAファンばかり。某有名な方もおりましたよ。そうなったら勿論ここで撮影タイムが始まるわけです。通常運航では成田でもホノルルでもボーディングブリッジを使っての運用のはずなので、こうやってランプからA380をじっくり眺めるチャンスはなさそう。そう考えるとコレはかなりレア体験?

 

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地上から見上げるとその大きさを実感できるA380のシップサイドで一通りテンション上がったところで、機内へ入ります。

 

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こちらがANAA380のファーストクラス座席。2階席の前方に位置します。座席にはスリッパにブランケットが用意され、なかなか「ホントのフライト」みたいな感じ。手書きのウェルカムメッセージが書かれたカードも。ただ、「キャビンウェアへのお着替え」はさすがにありませんでした…。

 

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正面のモニターはなんと32インチの大画面。もう「家」じゃんこんなの。

 

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 シートはパーティションで囲まれて個室感強めですが、それに加えて通路側にドアも設置されているので、これを閉めれば更に個室感アップ。

 

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シートやエンターテインメントシステムのコントロールは全てこちらに纏められています。

 

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通路側のパーティションにはパンフラックが。

 

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開けると、中は鏡になってました。

 

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窓の向こうには隣の2号機が見えます。

 

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ブラインドの開閉がボタンで自動になってるのは少し吃驚。

 

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暫くすると、ウェルカムドリンクから機内サービスが始まりました。シャンパンかオレンジジュースのチョイスですが、そりゃ呑みますわね。

 

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続いて、テーブルが用意されました。真っ白なリネンも勿論敷かれます。

 

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このフライト?のためのメニューもちゃんと用意されています。

 

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この「レストランFLYING HONU」ではドリンクも料金に含まれているのですが、そのラインアップは実際のフライト並の豊富さです。ANAのファーストクラスといえばコレ!とも言える高級シャンパンのクリュッグも入ってるとは太っ腹。ウイスキーサントリー響17年とかしれっと入ってますが、これも入手困難で今の市場価格は一本7~8万円くらいしてなかったっけ? 

 

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こちらは食事のメニューで、和食と洋食が選択可能。ただ、予約の際に事前に和食か洋食か、洋食の場合は前菜・メイン・デザートを全て選択するようになっているので、ここで選ぶわけではありません。

 

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お食事はアミューズから始まります。抹茶アーモンドパイスティック、シーフードのタルタル、富山湾産の白えびの昆布〆、フォアグラロールの4品。

 

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ここでドリンクのお替わり。食前酒っぽい感じでミモザにしてみました。

 

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エンターテイメントシステムは利用できませんが、そのかわりに様々なオリジナルのビデオが流されました。これは「HONUトリビア」として、A380などの豆知識をクイズ形式で紹介するもの。他にもANAホノルル支店のスタッフからのメッセージビデオもありました。あ、その前にはちゃんと「安全ビデオ」も流れましたよ。

 

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それにしてもケータラーにゆるキャラいたのかよ!

 

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で、またシャンパンを戴いてしまうのでした。チョイスは勿論クリュッグ。普通に買えば一本3万円以上は軽く吹っ飛び、ファインダイニングでグラスで戴いたら「一杯5000円」でお値打ち!と言われてしまうほどのシロモノが飲み放題ですよ。

 

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グラスが空きそうになるとすかさずCAさんが「追加はいかがですか?」と勧めてくれるんだもの、まるでわんこそばならぬ「わんこクリュッグ」ですわ。

 

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パンも4種類が用意され、好きなものが選べます。

 

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前菜は3種類から事前に選ぶ形でしたが、「赤ピーマンムースと蟹のガトー仕立て キャビアとともに」を頼んでおきました。なんせキャビアですもの、という貧乏人根性ですけどね…。

 

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まぁでも、いいシャンパンにキャビアなんて贅沢でいいじゃん。

 

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何故かメニューブックには記載がなかったのですが、お次はガーデンサラダ。ドレッシングは枝豆を使ったものがあったので、そちらでお願いしました。

 

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で、メインディッシュの登場です。4種類から「和牛フィレ肉のグリル 神戸ワインマスタード風味」を選択しました。お肉が柔らかくジューシーなのは勿論、ソースも美味。上に乗っているのは九条ネギで、オーソドックスな一皿に一捻りしてる感じです。ANA機内食って「ちょっと捻ってる」感じのメニューが多いような気がするなぁ。

 

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メインが牛肉なので、ここは正攻法で赤ワインを戴くことに。CAさんにお勧めを伺ったところ、こちらの「ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・サン・ヴィーニュドメーヌ・デュ・シャトー・ド・ムルソー2011」が出てきました。

 

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これも普通に買うと1本2万円くらいはするみたいなんですよね…。

 

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窓の外を見ると、メインデッキのエコノミークラスのお客さんらしき皆さんが一足先に降機中。ふふふ、庶民どもはとっとと帰るがよいぞ(ひでぇなおい)。

 

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最後にデザートで〆。これも3種類から選べるようになっているのですが「桜モンブラン」にしました。添えられているのはカシスのシャーベット。プレートにはチョコレートでメッセージも描かれています。

 

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食後はアイスコーヒーを戴きながらまったり。シートをフルフラットにしてみたりとか、意外とのんびりできるもんです。

 

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食後のコーヒーとともにプティフールもサーブされました。殆ど通常時のファーストクラスのサービスと同じですねコレ多分。

 

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こうしてファーストクラスで過ごすこと約3時間、名残惜しいですが降機のお時間です。

 

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スタッフさんの案内でバスに乗車して…。

 

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ホヌ1号機とはここでお別れ。

 

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で、お隣に駐機中の2号機へ移動したのでした。

 

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いや1号機からすぐそこじゃん!って感じですが、安全上の理由で徒歩移動ってわけにもいかなかったんだろうなぁ。

 

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で、当然こちらでも皆さん、大撮影大会が始まるわけでございまして。それにしても、やっぱりデカいなA380

 

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こちらの2号機は機内見学専用機として待機しており、1階から2階まで全クラスを観て回れるようになっています。

 

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ANAA380は、1階は全てエコノミークラスとなっています。

 

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こうして見ると、やっぱり広く感じますね。照明は色を変えられるようになっていますが、レインボー仕様になっています。

 

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機内にはこんなパネルも。そうそう、この機材ってANAで運航を初めてまだ2年で、しかも新型コロナ禍でマトモに飛べた帰還は1年に満たないんだよね…。

 

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ANAA380のシートの特徴の一つは「スカイカウチ」かもしれません。エコノミークラスながらシートに横になれるというもので、確か元々はニュージーランド航空が開発したモノだった筈。窓際3席をカップルが買って一緒に寝るとか、中央4席をファミリーで買ってコドモを寝かせるとか、そういう需要を狙っているようです。実際にここに横になって試せましたが、座面が広がるので寝心地は良好。

 

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後方の階段で2階へ上がります。この階段は旅客の利用を想定していないそうで、かなり狭かったです。シンガポール航空とかのA380の階段はもっと広かったけどな…。2階の後方にはプレミアムエコノミーのセクションがありました。

 

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その前がビジネスクラス

 

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ANAビジネスクラスとしては一般的なスタッガード配列ですが、ファミリー層も多いハワイ路線へ投入する機材ということもあって中央にはペアシートも用意されています。

 

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で、最後が先ほど食事を堪能したファーストクラスのセクションです。

 

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あ、ファーストクラスセクションにあるトイレ、凄く広いんですよ。エミレーツとかだとシャワーとか設置するようなスペースなんで余裕あるんでしょうが、ここで住めるレベルだぞコレ。

 

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機内見学もおよそ50分ほど、かなりゆっくり見学できる余裕が用意されていました。

 

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そんなわけで、集合から約5時間の楽しいツアーは終了です。

 

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国内線到着口への出口で記念品が配布されましたが、こんな方々のお見送りも。A380をイメージしたキャラクターで、中央の青いのが1号機をイメージした「ラニ」、奥が2号機イメージの「カイ」、手前のオレンジのヤツが3号機イメージの「ラー」。それぞれぬいぐるみにもなっており、機内販売でも大人気だとか。こうして見るとまぁまぁ可愛いかな…。ちなみにこの皆さん、機内で流れる安全ビデオにも出演しておられます。ハワイ便は線用のビデオになってるんですよね。

 

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なお、この日に記念品として頂いたのがコチラ。ファーストクラスのアメニティキットにANAマーク入りの扇子、ワイヤレスチャージャー、エコバッグに成田名物なごみの米屋のどら焼き、です。どら焼きはANAロゴやホヌの亀マークの焼き印が押された特注品でした。

 

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そのほかにはポーチにレトルトカレー2個が。これに加えてチェックイン時にホヌのボールペンと「見学のしおり」も頂きました。

 

で、参加してみての全般的な感想ですが「興味あるなら行っとけ」。この内容で59,800円は下手すると「お買い得」かもしれません。とにかくANAの気合いの入り方が凄く、営業系から地上職、クルーに至るまで相当な数の要員が動員されているようで、しかも皆さんのやる気が伝わってくる感じなんですよ。これだけ人出と手間をかけてるのであれば、もしかしたら企画としてペイしてるかどうか怪しいのでは…。食事についても普段なかなか機会のないファーストクラスのミールにありつけるチャンスということに加え、フリードリンクってのはポイント高いかも。いいレストランって結局ドリンク代が結構嵩むでしょ。それを高級シャンパンまで贅沢にフリーフローって、下手すると酒代だけでモト取れるんじゃない? 実際、クリュッグ一本開けちゃった方もいたようですしね。機内見学もやっぱり楽しかったです。

あとは「飛ばない」って点ですが、むしろ「飛ばない」ほうがメリットあるかもしれません。なんせ「飛ばない」ので、飛ぶまでの面倒なプロシージャーは勿論ありません。シートベルトもしなくてOK。地上にいるので「上空だと気圧が低いので酒の回りが早いぞ」ってのを気にすることもない! つまり「飛行中にご注意ください」の面倒なハナシがないわけです。で、飛行機のシートに座って機内食を喰ってれば、飛んでなくてもそれなりに旅気分にはなるもんで、これはこれで充分「アリ」です。

また、考えてみたら快適なファーストクラスとはいえ、成田からホノルルまでは飛行時間は8~9時間程度。その3分の1程度となる3時間をソコで過ごせるのなら、その点でもコスパは悪くないと思いませんか? 

「地上に駐まってる飛行機」とはいえ保安検査通してお客を送り込んだりとか、いろいろ関係各所との調整は大変なんでしょうが、もっとやればいいのにね、この企画。個人的にはかなりお勧めかもしれません。折角ならファーストくらい体験しておいたら?