へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

ただ船に乗りに行く瀬戸内、その1:地味にゴージャス、四国オレンジフェリー「おれんじおおさか」で愛媛まで。

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大阪からは瀬戸内で船に乗って「青春18きっぷ」を消化する旅に出発です。

 

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午後7時半過ぎ、大阪南港フェリーターミナルにやってきました。大阪メトロの南港ポートタウン線フェリーターミナル駅に直結なので、すごくアクセスが便利な港です。

 

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今日はここから四国オレンジフェリーで愛媛の東予港まで向かいます。ちょうど1年ほど前にも逆方向ですが乗ってますね。

 

slips.hatenablog.com

 

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搭乗手続きを済ませて、しばし2階の待合室で待機。出港は午後10時ですが、大阪港も東予港も基本的には午後8時から乗船が可能な上に、レストランや大浴場なども乗船時から利用可能になってるんです。そういえばこのフロア、小さな売店があった筈なんだけど撤退したっぽいなぁ。

 

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午後8時、乗船開始と同時に乗り込みます。

 

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四国オレンジフェリーは大阪港~東予港を毎日1便、「おれんじえひめ」「おれんじおおさか」の同型船二隻で運行しています。今日乗るのは「おれんじおおさか」のほうです。一番安いカテゴリも含め全席個室!というのが大きな特徴で、船内案内図に小さなコマがびっしり並ぶ姿はちょっと圧巻です。

 

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案内所にはスタッフが立ち、自分の客室の行き方などを案内してくれます。デラックスシングルより上の等級は部屋の鍵もここで受け取るようです。

 

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船内の通路を進みます。一番下のクラスになる「シングル」は船の中央のブロックに配置。

 

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それぞれ小部屋に分割されたエリアに、「シングル」が並びます。

 

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これが「シングル」の室内。必要充分な広さじゃないでしょうか。テーブルに椅子、鏡のところにはコンセントも設置。備品はスリッパだけですが、浴衣は100円でレンタルできるようです。

 

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まずは展望浴室で汗を流しましょうか。

 

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さっぱりした後は晩ご飯です。このフェリー、実質的な運行時間は8時間程度と決して長くないのですが、立派なレストランが設置されています。しかも夜だけでなく到着前の朝食の営業まで行っているという厚遇っぷり。ちょうど大阪は緊急事態宣言下で、飲食店は夜8時までの営業+酒類提供NGなのですが、フェリーは適用外なのかバリバリ営業中でした。この航路はトラックの利用も多く、ドライバーさんの遅い夕食の需要も多そうなので、簡単に休業はできないのかも。

 

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もともとはカフェテリア形式ですが、感染症対策で全てオーダー制での提供となっていました。まぁ元々オレンジフェリーのレストランは殆どの料理はオーダー毎に調理して出してましたけどね。

 

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まずは生ビール+おつまみ2品で1000円のセットから。最近、外食で酒を飲むってのが殆どなくなったので新鮮な感じが。

 

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メインで唐揚げ定食を追加注文。前回乗ったときも唐揚げ食ってるじゃん俺…。なんか旨いんだもん、しょうがないよ。

 

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夜10時、定刻に大阪南港を出港。

 

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このフェリー、全席個室なのにパブリックスペースも意外と充実してます。最上階には拾い展望ラウンジがあり、ここだけ見るとちょっといいクルーズ船くらいの雰囲気。

 

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レストランが立派な割に、実は独立した売店がないというのもユニークなところ。アルコール飲料はレストランでしか販売していないのですが、どうせ自販機を置いてもフェリーなら夜11時には販売停止になるんで同じことかと。ちょっとしたお土産物もレストランで扱っています。自販機はソフトドリンク中心で、加えてアイスやお菓子などを扱っています。

 

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ロビーのある4階の自販機コーナー脇にはコーヒーマシンと、無料の貴重品ロッカーがありました。「シングル」は個室ですが鍵は内側からしか掛けられないので、心配な人はここを使うことになりますね。

 

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上のフロアの5階にも自販機が少し置いてあるのですが、こちらにはタオルや歯ブラシなどのアメニティ類も売られていました。

 

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朝6時、東予港に着岸。大阪からの所要時間8時間って実はポイント高くて、トラックドライバーの労務管理上、「8時間」というのは法規制上で必要な休憩時間をちょうど満たしているんだそうです。

 

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東予港では各地へ向かう連絡バスが3方向に用意されています。松山行きは有料ですが、新居浜行きと今治行きは無料で乗れてしまいます。どれも通常の路線バスとして運行しているので、搭乗手続き時に希望の行先のバスへの整理券を貰う形になります。

 

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ターミナル前には3台のバスが。1番目は新居浜行き、次が今治行き、3台目のオレンジのバスが松山行きです。2台目の今治行きに乗り込みます。

 

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6時20分に各バスは同時にターミナルを発車しました。

 

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観光バスタイプの快適なシートに揺られ、約40分で今治駅前に到着しました。本当にコレって路線バスで、普通に途中の停留所で地元のお客さんが乗り降りするのね。

 

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ここから「青春18きっぷ」の最後の1日分か活躍するぜ。今治駅へ向かいます。

 

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今治といえば「しまなみ街道」の玄関口。ここから本州側の尾道までのサイクリングを楽しむ人も多いのですが、駅前のサイクルターミナルはコロナ対策で休業中でした。愛媛県もまん延防止措置になってますしね…。

謎コンセプト?「モクシー大阪新梅田」に泊まる。

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最近、調子に乗ってSPGアメックスなんぞを作ってしまいました。Marriott Bonvoyのゴールドステイタスが貰える上に、年会費のモトが取れる無料宿泊ポイントが付与されるなどのメリットがあったりするので入会してみたのですが、折角ステイタスを取ったのにマリオット系のホテルに何処にも泊まらないのもちょっと勿体ない感じです。

 

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そういうわけで、「モクシー大阪新梅田」に泊まってみました。「モクシー」は最近マリオットグループが展開しているホテルブランドですが、ミレニアル世代をターゲットにした「ブティックホテル」「ライフスタイルホテル」とか言われているカテゴリになります。要は最近の20~30代でそこそこ稼いでる若い人には従来の「高級」とか「ラグジュアリー」ってのが刺さらなくなってきていることから、そういった層にウケるような感じにしてみました、ってとこでしょうか。

 

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ロビーはどこかのお洒落なスポーツバーみたいな雰囲気。キャッシュオンデリバリーでドリンクが出てくるようなカウンターがチェックインデスクです。スタッフはジーンズ穿いてたりとカジュアルな出で立ちですが、これも「フォーマルになりすぎずリラックスできるホテル」の演出らしいです。

 

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チェックインを済ませ客室へ向かいますが、エレベーターにミラーボールが設置されてたりします。パーティー会場かいここは。

 

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エレベーターホールもポップな雰囲気。全然インターナショナルブランドのホテルっぽくない、尖った感じです。

 

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廊下もホテルというよりは、ニューヨークあたりのちょっといいアパートメントに来たような雰囲気です。

 

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部屋に入ったところ。これもまぁ「誰かのお部屋」って印象です。

 

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メインとなるベッドルームはこんな感じ。スタンドからの照明がミラーボールのようになって、これまたパリピのお部屋みたいになっております。

 

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ただ、部屋は狭めな印象。このエリアだと部屋の幅いっぱいにベッドが入っています。この感じ、アパホテルといい勝負じゃない?

 

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ベッドサイドにはランプや目覚まし時計、セーフティーボックスなどが置かれています。電話はダイヤル式を模したモノで洒落てますな。

 

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ベッドサイドの電源はコンセントが一箇所に加え、USBソケットが二箇所あるのが今風です。

 

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室内にはクローゼットなどはなく、全てこの壁のラックにひっかけるカタチ。ハンガーは勿論、バゲージラックやテーブル、椅子もここにぶら下げられているものを自分で組み立てて使います。

 

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バゲージラックはこんな感じで。

 

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テーブルと椅子も自分で開いて設置します。面倒といえば面倒ですが、不要なときに片付けておけるのはメリットかも。

 

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ちょっと窮屈にはなりますが、窓側にもうまく塡まってくれます。

 

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テレビも大型のものが壁掛けで設置されていました。その脇に飾られている絵もポップな感じのものが。

 

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室内の設備で一番驚いたのは冷蔵庫。こんなの世の中に存在してたのか!と吃驚するくらいのサイズで、500mlのペットボトルがピッタリ3本入るだけのスペースしかありません。従って、「冷蔵庫に入れておきたいモノ」を買って持ち込むのはNGとういうことになります。フロントのバーが遅い時間までオープンし、ドリンクなども売るスタンドも用意されているので「何か欲しければそっちで手に入るよ!」というコンセプトらしいのですが、さすがにココじゃフロントまでルームウェアで行っちゃダメでしょ。いちいち着替えて部屋の外に出るのは面倒かな…。これはできれば、もうちょっと普通のヤツ置いて欲しいな、というのが正直な感想です。とはいえ、置けるような場所がなさそうな気もしますけど。

 

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バスルームも清潔感のある白いタイルが貼られモダンな雰囲気。洗面台の鏡の上の照明が裸電球だったりと、意外とデザインには凝ってるんですよ。

 

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バスルームはシャワーのみでバスタブはありません。部屋が手狭に感じたのに対し、逆にバスルームの方はかなり余裕がある造りになっているような印象を受けます。このスペースがあれば、恐らく一般的なホテルに設置されているユニットバスは充分置けるんじゃないかと思うのですが、それよりもデザイン面や「ゆとり」を重視した配置なのかも知れません。

 

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今回は朝食付きのプランで取りました。1階のバーエリアでサーブされます。

 

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オーダーしたものはこのキッチンから出てきます。ビュッフェスタイルの品もここに並んでいます。

 

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メインプレートはアメリカンとメキシカン?の2択で、サラダやパンやドリンクなどはビュッフェスタイルで取っていくスタイルでした。ゴールドメンバーだと特典としてベーグルとスプレッドがサービスで頂けますが、これが意外と旨かったりして。

 

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ドーナツとかも一口サイズで、いろいろ楽しめるのが良かったかな。

 

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なお、バーコーナーに部屋へのテイクアウト用にドリンクなどが並ぶ冷蔵ケースがありました。電子レンジもあるけど、これは持ち込み品に使っていいのかしら。

 

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これもゴールド特典でウェルカムドリンクのチケットを頂いたのですが、部屋に持ち帰るのであればアルコールもOKとのことで、オリジナルカクテルをテイクアウト。大阪は緊急事態宣言下だったので、飲食スペースでアルコールは出せないからね。

 

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これまたゴールド特典で午後2時までのレイトチェックアウトにしてもらっていたのですが、結局12時過ぎにホテルを出ました。全般的な印象としては「パリピ向け?」といったところなのかしら…。ユニークでいいんですが、大阪のホテル相場が総崩れな状況では、ちょっとコスパ的に積極的に選ぶかと言えば微妙、かもしれません。今回は朝食付きで一泊約1万円でしたが、同クラスの「ちょっと高級路線のビジホ」が同じような価格になるなら、このユニークさは武器になるのは間違いないでしょうけど。

 

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「モクシー大阪新梅田」はJR大阪環状線の福島駅から歩いて5分ほどのところにあります。福島駅そばにはスーパー「阪急オアシス」もあって総菜類が充実しており、外食を避けたい時のオプションあり、です。通常時ならこのエリアは旨い飲食店が比較的多いことで知られているので「どっかで食べる」一択といったところでしょうか。ちなみに、福島駅そばには高架線の下に踏切があり、特急列車などが行き交います。新大阪方面から大阪環状線に入ってくる連絡線が通っているためで、ちょっと面白い風景も見れますよ。

「青春18きっぷ」消化試合で、海のレジャーのマナーについて考えちゃった件。

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この夏に購入した「青春18きっぷ」、既に3日分を使用済みで2日分が残っています。1日分は使い道が決まっているのですが、1日分が余る計算。使用予定の1日分は8月末なので、未使用分を金券ショップに売ってもさほどいい値段では買い取ってもらえなさそうだし…。そこで、まだ行ったことのない長浜あたりを彷徨いてみることにしました。実は当初は同じ滋賀の「MIHO MUSEUM」に行こうと思っていたんですけど、暫く続いた長雨の影響で崖崩れが発生した結果、「MIHO MUSEUM」への路線バスが全て運休してしまったんですよね。

 

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名古屋から米原まで特別快速で移動、そこから北陸線の長浜行きに乗り換えです。

 

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まずやって来たのは駅に近い「長浜鉄道スクエア」。ここは「現存する日本最古の駅舎」とされる旧長浜駅舎を中心とした施設です。竣工したのは1882年、日本で初めて鉄道が走ったのは1872年なので、かなり初期に開業したことになります。これは東京と大阪を結ぶ主要路線について、ここ長浜から大津までは当面の間は琵琶湖経由での水上輸送にすることでコスト低減を図ろうとしたため、なんだそうです。ここ長浜駅米原方面だけでなく日本海側の敦賀への拠点という役割も担っていました。

 

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玄関を入るとメインホール、三等の待合室はここにあったようです。左手は上等級の待合室や事務室、駅長室などがありました。

 

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「長浜鉄道スクエア」には旧長浜駅のほかに2つの施設があります。一つはこの「北陸線電化記念館」で、これは長浜駅の隣の田村駅から敦賀駅までが「日本で初めて交流電化を実用路線として行った区間」であることから、それに関する展示などが行われています。

 

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館内には北陸線で活躍した蒸気機関車D51に加え、北陸線交流電化の1957年に登場した交流電気機関車ED70が展示されています。実は現在、米原から敦賀までの北陸線は直流電化区間にコンバートされてしまっているのですが…。電化方式が違う区間を直通させるには、当然ながら両方の電化方式に対応した車両を用意しなければなりません。京阪神エリアから敦賀までの直通の新快速などをもっと増発するために、車両ではなく電化方式を変えることで対応したわけです。

 

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お隣は「長浜鉄道文化館」で、北陸線長浜駅の歴史などを紹介する展示があります。

 

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貴重な過去の資料からお子様向けコーナまで、なかなか幅広い展示内容です。

 

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開業当時の長浜駅の様子を再現したジオラマがありましたが、これが解りやすいかも。この駅舎のすぐ傍まで琵琶湖岸が迫っており、汽船乗り場も近接していたんですね。

 

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確かに、長浜鉄道スクエアのすぐ近くに「旧長浜港跡」の石碑が建っていました。

 

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また長浜駅から鉄道に乗って琵琶湖一周とかでもよかったのですが、ここ長浜から竹生島を経由して対岸の近江今津に渡れる航路があるので、そちらに乗ってみました。長浜駅から観光船乗り場までは徒歩10分弱といったところ。

 

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長浜港から竹生島までは約30分の航海。

 

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竹生島は琵琶湖随一のパワースポットと言われているんだとか。

 

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長浜港を出港、琵琶湖を横断していきます。湖なので穏やかな船旅といった感じです。

 

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日本最大の湖だけあって、やっぱり海みたいな広さですなぁ。

 

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そうこうしているうちに、竹生島が見えてきました。

 

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竹生島に上陸。上陸だけならタダですが、ここにある宝厳寺や都久夫須麻神社へお参りするには入場料の支払いが必要です。

 

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まずは宝厳寺へ。この長い石段を登っていきます。

 

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登りきったところに本堂が。

 

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ここからだと先ほどの船着き場も一望できます。

 

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石段を降りたところにあるのが「唐門」、国宝に指定されています。

 

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その先が重要文化財の「舟廊下」。

 

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渡ったところにあるのが「都久夫須麻神社」です。

 

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境内は島の崖の上にあり、琵琶湖も一望できます。

 

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…が、こんな厳かな場所であるべきところで爆音が鳴り響き、大音量で音楽が流れています。何が起きたの?と思ったら、水上スキーの集団が音楽を流しながら島の周辺を走り回ってるじゃありませんか。こういうの禁止されてないのかなぁ…。そういえば島に上陸したときに「水上スキーの方の上陸禁止、トイレも使用不可」みたいな看板が出ていたのはこのせいなのか。

 

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竹生島での滞在時間は30分。今度は今津港行きの高速船へ乗船です。

 

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竹生島をあとに、また琵琶湖を横断です。

 

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今津港までも約30分。穏やかな航海、といいたいところなんですが、ここでも水上スキー軍団が登場します。船が起こす波に乗るのが楽しいのか、船のすぐ近くまでやって来て波に乗ってジャンプしまくり。正直、迷惑なんだけどなぁ…。琵琶湖って特にそういうルールとか取り締まりとか、しないのかな?

 

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最後にちょっとイヤな気分になりつつも、今津港に無事到着。

 

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観光船乗り場から、近江今津駅へと移動します。

 

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乗り場から近江今津駅までは歩いて5分もかからない距離で、もう駅の一部が正面に見えているほどの近さ。ただ、傍にあった観光地図を見ていたら「ヴォーリズ通り」との表記があるじゃないですか。近江を中心に活躍した建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの建築が今津にも3軒残っており、それが同じ通りに建っているみたいです。次の電車まで30分ほど時間があるので、遠回りになりますが寄っていくことに。

 

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これが「ヴォーリズ通り」。ウィリアム・メレル・ヴォーリズは、有名なところで行くと心斎橋の大丸本店やアニメ「けいおん!」の舞台として知られる豊郷小学校を手がけた建築家ですが、宣教師として日本に来日したというユニークな経歴を持っています。1941年には「一柳米来留」の名前で日本国籍も取得しました。主に近江八幡などに作品が多数残っているので、今津にもあるというのは意外な感じ。

 

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琵琶湖側から来ると最初に目に入るのが「今津ヴォーリズ資料館」で、もともとは百三十三銀行今津支店として1923年に完成した建物です。

 

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内部は公開されており、ヴォーリズに関する資料や、この建物の図面や建設当時の再現模型などの展示を見ることができます。

 

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暫く行くと、今度は「日本基督教団今津教会会堂」が見えてきます。もと宣教師ということも関係しているのか、ヴォーリズの手がけた建築には教会などの作品も多数あり、これもその一つとして1934年に竣工しています。今では幼稚園としても使われているようですが、地元の人も普通に通ってくるような感じらしく、ちょうど日曜の礼拝の帰りなのか、教会から出てきた方に「中もよかったら見学されていきますか?」的にお声がけいただいてしまいました。ちょっと時間が厳しそうなのでお断りしてしまいましたが…。

 

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3軒目がこの「旧今津郵便局」で、1934年に建設され、1978年まで現役の郵便局として使われていました。正面玄関の丸いアーチがお洒落ですが、ヴォーリズの建築って比較的大人しい雰囲気のものでも、どこかしら「遊び」が見えるのが味があっていいんですよね。

 

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近江今津駅に到達。高架の立派な建物でまるで新幹線の駅みたいですが、それもそのはず。湖西線の開業は1974年と比較的新しく、関西と北陸を結ぶ高速短絡線という位置づけも持って建設されているんですよね。

 

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新快速で山科へ、そこから折り返して名古屋へ帰還しました。かなり短い距離の乗車ですが、18きっぷ分のモトは取ってる筈。

何しに行ったか謎になった旅、その3:相場崩壊?「ラビスタ函館ベイ」に激安で泊まる。

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函館では超有名なホテルにあり得ない価格で泊まります。

 

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ハセガワストア」から港沿いをとぼとぼ歩いてホテルへ向かいます。

 

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今夜のお宿は「ラビスタ函館ベイ」。口コミサイトなどで「朝食の美味しいホテルランキング」では常に上位に位置することで有名です。また、このホテルが「函館ホテル朝食戦争」に火を付けた、と言われています。「ラビスタ函館ベイ」の開業は2008年ですが、朝食が評判になり始めたのは2010年頃から。実はこのホテル、函館のベイエリアという観光に最適そうな立地ながら、それほど便利なところにあるわけでもなかったりします。函館駅からも市電の電停からも微妙に遠く、もともと倉庫街なので周囲にあるのは最近できた観光客向けのお店ばかり。集客には苦労したところもあったのかもしれません。そこで、「朝食で特色を出す」という方向に舵を切ったんじゃないのかな、というのが私の推測。とにかく「朝食でイクラかけ放題」はビジュアルとしては強烈でしょう。これで「朝食で客が呼べる&単価アップが図れる」と、函館の他のホテルも追随、なんか凄いことになってる…というのが現状です。なんせ朝から焼きたてステーキやらスパークリングワインやら出てくるホテルまで登場し「それはもう朝食ではないのでは?」というとこまで行っちゃってるからね。自分が以前ここに泊まったのは2017年の2月のこと、周囲のホテルが挑戦を挑む中、それからどう変わってるのかも楽しみ。なお、「ラビスタ函館ベイ」は共立リゾートの運営ですが、同じく共立リゾートのブランド「ドーミーイン」の朝食も最近かなりグレードアップし、ご当地色の強いものになっています。これも「ラビスタ函館ベイ」でのノウハウが生かされたものらしいです。

 

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午後7時過ぎにチェックイン。実は今回、1泊朝食付きで7000円というスゴイ値段で取れてしまいました。このホテル、今では朝食は宿泊者線用(昔は泊まらなくてもお金さえ払えば食べられた時期がありました)ということもあって高い人気を保っており、朝食付きなら1泊2万円程度することも珍しくない感じでした。安くても1万円前後といったところ、ちょっと7000円という価格は今まで見た記憶がありません。一応「ショートステイ」とチェックインは午後5時以降、チェックアウトは午前10時までという制限はついたプランではありますが、そんなに「ショート」というワケでもないし。「Yahoo!トラベル」のポイント即時還元で6300円くらいまで下がってしまったのですが、確か外来で朝食喰えた頃は朝食代が3000円位してたはずだぞ…。そんなにお客さんが入ってないのかしら、と思ったらこの時間でもチェックインの待ち列ができるくらいの盛況。なんで安いの?

 

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部屋はシングルルーム。ダブルサイズのベッドが置かれ、若干手狭な印象はあります。もしかしたらお盆時期で家族旅行が多い分、シングルなどの需要が低いので安く出てた、のかもしれませんね。

 

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デーブルの上にはお茶セットなどが用意されていますが、何故かコーヒーミルが。なんとコーヒー豆が豆のままセットされており、自分で粉に挽いてコーヒーを淹れるようになってました。お洒落ね。

 

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エントランス側に洗面台。

 

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部屋にはトイレとシャワーがついていました。

 

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「ラビスタ函館ベイ」の魅力の一つとしては「温泉」も欠かせません。早速、最上階の展望大浴場へ。函館港の夜景を眺めながらの温泉は最高です。

 

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温泉の後は湯上がりラウンジで一休みもできちゃいます。こちらも函館の夜景を眺めながらのんびりできるスペース。

 

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湯上がりのアイスキャンディーも用意されていました。なお、共立リゾート系といえば「夜鳴きラーメン」のサービスが定番ですが、なぜかこのホテルでは提供されていません。

 

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お部屋に戻って晩ご飯、今日はハセガワストアで買った戦利品で晩酌です。本来であればオーダーで「やきとり」を焼いて貰うこともできるのですが、お盆時期はサービス停止中。そのかわり既に焼いたものをパックで売っていました。これとセイコーマート(ハセガワストアは今はセコマ傘下になってますので)のお総菜を頂きます。なお、「やきとり」と言っても豚なので、棒々鶏とは被ってません。道南の方では「串に刺して肉を焼いたもの」を「やきとり」という文化があり、豚であっても「やきとり」で、しかも鶏よりも豚が一般的だったりします。

 

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まぁ、これにやっぱり「やきとり弁当」も喰っちゃうわけですけどね。やっぱり函館はコレを食べないと来た気がしない…。

 

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なお有り難いことに各フロアに電子レンジが設置されているので、「やきとり」の温め直しにも困りませんよ。

 

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ドリンクの自販機と製氷機も同じエリアに設置されていました。

 

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さて朝になりました。お待ちかねの朝食ですよ!

 

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大きなボウルにたっぷり盛られたかけ放題のイクラが光る海鮮丼コーナーは健在。イクラなんてそんなに大量に喰えるもんじゃありませんが「あぁこのイクラをいくらでも喰っていいんだ…」と思うだけでテンション上がるじゃないですか。上手いやり方です。

 

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全開来たときに比べて、あまり大きく変わった感じはありません。他のホテルに対抗して…というわけではなさそう。まぁローストビーフとかは以前なかったような気がするなぁ。そもそものレベルが高く既に完成形なので、ヘンに無理矢理豪華にしなくても充分といえばそれまで、なんですけど。

 

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デザート系も相変わらずの充実ぶりでした。

 

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では戴きます。最初は海鮮丼から行ってみました。

 

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2巡目は洋風、焼きたてオムレツにチーズソース。カールレイモンのソーセージとローストビーフを添えた豪華な見た目になっちゃいました。

 

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コーンスープと雲丹ムースも旨い。

 

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スープ宇カレーも誘惑に負けて取ってきちゃいました。スープカレーの「具」はビュッフェ台から焼野菜やソーセージ、ベーコンなど好きなモノをぶっ込めます。

 

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甘いもの系もガッツリ戴いてしまいました。プリンが濃厚で旨いんですよね。

 

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朝からソフトクリームで〆としました。

 

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最後にまた温泉に。

 

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ラウンジの反対側、函館駅のほうには保存されている青函連絡船摩周丸」も眺めることができました。

 

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「チェックアウトは10時まで」ですが、この日は宿泊者が多いためか「精算がなければボックスにルームキーを入れるだけでチェックアウト可」になっており、時間を過ぎても何も言われなさそう。とはいえ10時にはホテルを出ました。

 

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このホテル、比較的新しいのに煉瓦造りの味のある外壁が印象に残ります。それもそのはず、実は昔からここにあった赤レンガ倉庫の一部を再利用しているんですね。

 

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外壁や内装などの再利用した箇所や、ここにあった倉庫の歴史などを紹介するギャラリーが館内にありました。

 

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函館駅方面へ歩いて向かう途中、「ラビスタ函館ベイ」の新館が建設中なのを発見。しかも函館の老舗ホテルで、こちらも朝食の評判が高い「函館国際ホテル」のすぐそばじゃないですか。戦争は激化しているのね…。

 

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函館朝市にも寄ってみました。それなりにお客さんはいますが、営業休止中のお店も目立つ感じでやはり寂しいですね。

 

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また市電でベイエリア方面へ戻ることに。

 

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函館どつく前行きに乗って末広町で降りるつもりだったのですが、間違えて谷地頭行きに乗ってしまったようです。まぁこっちからでもいいか。宝来町で降りて坂道を歩いてみます。

 

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八幡坂の上からは正面に青函連絡船が見えます。青函トンネル開通前、連絡船の函館駅の停泊位置はこれと同じ位置でした。連絡船現役時代の函館の海の風景を感じることがきでる場所です。

 

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今回の旅行で来てみたかった「旧函館区公会堂」まで歩いてきました。1910年に竣工したこの公会堂、2018年から長期の修繕工事で閉鎖されていたのですが、今年4月に無事再公開となったのです。

 

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内外装ともに綺麗になったのは勿論、この公会堂の建設の経緯を紹介する映像や、函館中心部の歴史的建造物の紹介など展示物が大幅に充実したようです。2階の大広間も美しく、クラシカルな衣装をレンタルして写真撮影を楽しむ方も多くおられました。

 

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また函館駅方面までベイエリアのショップなどに寄りながら歩いて戻ります。

 

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お昼ご飯はこれまた函館名物の「ラッキーピエロ」です。函館周辺にしか店舗のないローカルチェーンで、これもまた「函館でないと食べられない味」ではあります。よく考えてみると文字量が凄すぎて怪しさ満載なんですが、旨いのは確かなので仕方ないかな、と。

 

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実はラキピはファーストフードというわけではなく、ハンバーガーだけでなくカレーやオムライス、焼きそばにハンバーグやとんかつまで売る店舗があったりします。どれも旨いらしいのですが、やっぱり一番人気の「チャイニーズチキンバーガー」を頼んでしまうのよね。甘辛いタレ漬けの大きな唐揚げの入ったボリューミーな一品。これにサイドはフライドポテトにミートソースとチーズをかけた「ラキポテ」とウーロン茶のセットを注文しました。「ラキポテ」はカナダで良く出てくるプーティーンみたいな感じだけど、何か繋がりが?

 

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そろそろ帰る時間です。函館駅から路線バスに乗って函館空港へ向かいます。空港行きリムジンバスもあるのですが、何故が名古屋行き便の出発ギリギリのスケジュールしかなく、少し前に着くこちらを選びました。時間は余計にかかりますが、値段はちょっとこちらの方が安いからいいか。

 

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函館空港までは約30分で到着。リムジンバスだと20分のところ、およそ1.5倍の時間がかかったわけね。

 

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中部行き16:35発のANA500便で帰還します。中部~函館路線は随分前にエアドゥに移管されており、通常時はエアドゥ便が一日一往復で、夏期だけANA便がもう一往復追加されるようなパターンが一般的になりました。

 

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機材はお馴染み、B737-800ですね。最近これしか乗ってないぞ。

 

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函館空港はほぼ定時で離陸しました。

 

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今日は伊勢湾まで回り込んで、南側からセントレアへのアプローチでした。

 

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今は名鉄空港線ミュースカイが大幅に運休しているため、特急が毎時2本、準急が毎時2本というのが基本パターンになっています。しかも特急と準急の出発時間があまり変わらず、特急の5分ほど後に準急発車、と実質的なチョイスは大きく減っている印象です。この日も特急にはギリギリ間に合わず、その後の準急で帰りました。早く元にもどってくれるといいなぁ。

 

 

何しに行ったか謎になった旅、その2:また運休でピンチ!だったけど結果よかった件。

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本当はココに来る予定はなかったんですけどね。

 

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一晩明けて青森は曇り空。幸い雨は降っていないようです。ちょうど朝7時、携帯に着信がありました。かけてきたのはコチラ。

 

www.tohokukanko.jp

 

青森から下北半島を結ぶ高速船を運航する「シィライン」です。実は今回、この船で佐井まで向かい、そこからバスで大間へ移動して「津軽海峡フェリー」の函館行きに乗って北海道に渡るプランを考えていたんです。普段はシィラインと津軽海峡フェリー、そして佐井と大間を移動する下北交通バスのスケジュールが合っていないので同日中の移動はできないのですが、お盆などの繁忙期だけ津軽海峡フェリーの大間~函館便が増便されるため、子の時期に限っては乗り継ぎができるようになります。しかも佐井で3時間以上の待ち時間が発生するため、その間に最近絶景スポットとして人気急上昇中の仏ヶ浦へ行く遊覧船にも乗れてしまいます。こりゃカンペキだ!と思ったのですが、そもそもそのシィラインが欠航が決定…。まぁここ最近雨続きで天気が悪く、シィラインも欠航が続いていたので「もしかしたら」とは思ったんですけどね。明日チャレンジする手もなくはないのですが、函館に着くのが午後7時過ぎなので、そこから名古屋に帰る手段がありません。今日は函館まで出て、明日に逆ルートをトライするということも考えたのですが、このスケジュールだと佐井で仏ヶ浦観光船に乗る時間はありません。シィラインの船上からも仏ヶ浦を眺めることはできるようなのでソレもアリかなと思ったのですが、これはこれで別の問題が。函館発ルートが青森まで繋がるのは、お盆の時期だけ下北交通バスが増便され、そのバスなら接続できるようになるから。しかしながら暫く前の大雨で下北地区の国道で橋の流出などが発生したため、お盆増便を実施しないことになってしまったのです。まぁ結局、当初予定していたルートは今回は諦めるしかない、という結論になりました。

 

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とりあえず朝ご飯。東横インといえば無料朝食がウリで、コロナ禍の前は各ホテルで特色あるビュッフェ形式での提供でしたが、今は個別提供になっています。しょぼいお弁当みたいな感じの所もあるようですが、ここの内容は以前とあまり変わらない感じ。

 

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以前であれば自分で盛り付けていたような内容のものが予めプレートに盛られて用意されていました。豪華さは一切ありませんが、このくらいでも充分でござい、って感じですよね。あと味噌汁が具だくさんで謎に旨かったです。

 

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それで今日はどうするの?なんですが、午前中は青森で観光して午後の船で函館に渡ることにしました。主要観光地などを巡るルートバス「ねぶたん号」に乗車。

 

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バスの終点は、青森市では恐らく今トップクラスではないかと思われるスポット。

 

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三内丸山遺跡です。そんなに遺跡とかに興味があるわけではないのですが、折角ここまで来たんだし…という程度での立ち寄りです。

 

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そういえばココ、つい最近「世界遺産」に登録されたばかりのホットな場所じゃないですか。

 

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ちょうど10時からボランティアによるガイドツアーが始まるところだったので参加しました。来場者は結構多く、密を避ける目的もあって2グループに分けられました。

 

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実は相当昔から、この辺に遺跡があることは認識されていたようで、江戸時代にも記録が残っているそうなのですが、ずっとスルーされていた様子。青森県の公園だったこの場所に野球場を作ることになって工事を始めたら遺跡が出てきて、調査してみたら結構スゴイ価値のあるものであることが解ってきて、保存されるに至ったんだとか。

 

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最初に案内されたのはゴミ捨て場。ここには約1500年間、人の定住があったとされていますが、生活のゴミをずっとココに捨てていたため、1500年分のゴミが下から層になって残っている貴重なところだったりするんです。

 

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中に入るとその断面を見ることができます。

 

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住居は固まって建てられていたようです。木製や藁、土を盛り上げたものなど、当時ここにあった住居を想定したものが再建されていて、中に入ることもできます。入口の向きは遺跡から判明した方向になっているそう。

 

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三枚丸山遺跡といえばよく出てくるビジュアルがコレでしょう。6本の大きな柱を決まった間隔で建てていた跡が見つかったことが、ここを遺跡として残す決定打となりました。柱は4.2メートルの間隔で揃って建てられている上、周囲を焦がすなどの防腐処理も行われていたらしく、かなり高度な技術があったと推定されているそうです。なお、6本の高い柱が立っていたことまでは解っていますが、実際どんな建物が建っていたのかは実は解っていません。柱が内側に傾いて立てられていたので何かの建物ではないか、とされており、ここに再現されているのは「多分こうだったんじゃないかな」という説の一つ、だそうです。

 

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先ほどの建物の脇に大きなドームがあり、実際にあの6本の柱の跡が出土したところが保存されています。

 

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屋外展示だけでなく、屋内の展示もあります。

 

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こちらのほうも興味深く、当時の暮らしなどがより深く理解できる内容でした。つまりこの遺跡、「縄文時代の日本人がどんな暮らしをしていたか」の情報が無茶苦茶たくさん詰まってる、ってわけなんですな。栗の木を植えて育てたり、農耕をしたりしていた痕跡も見つかっているようです。

 

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でも一番の驚きは「そんな時代に日本各地との交易があったらしい」ということかもしれません。北海道や北陸にしか存在しないはずの石などがここから多数見つかっており、そういった地域の人との交流があった証拠ではないか、とされています。いやぁ、ココ面白いじゃないですか! 船の欠航で、と消極的な理由で来ることになったのですが、結果としてはこっちも全然アリです。ボランティアガイドの説明も分かりやすくて面白く、展示も充実していて「この遺跡とは何か」「何がそんなに有り難いのか」が素人でも理解できるようなものになっています。これは青森に来たなら訪問する価値ありです。

 

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最後にガイドさんに「是非見てって!」とお勧めされた「縄文ビッグウォール」を見学。ここから出土された土器を壁に無数に埋め込んだもので、ガイドさんも作業に参加したんだそうで。

 

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結局2時間ほどじっくり見学してしまいました。今度は青森市営バスに乗車。

 

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区間だけの乗車で青森県立美術館へ移動。正直、充分歩いて行ける距離でした…。

 

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この美術館の目玉の一つはコレ、シャガールの「アレコ」舞台背景画でしょう。青森県美術館では4点のうち3点をコレクションしていますが、残り1点も所有者であるフィラデルフィア美術館から2023年まで借用し、4点コンプリートのカタチで展示中です。縦9m、横15mの巨大な絵が部屋の四辺を埋め尽くす姿は圧巻です。

 

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青森県出身の奈良美智の作品も多数収蔵しているのも特徴でしょう。ここで一番有名なのはこの「あおもり犬」でしょうね。奈良美智の作品のうち、これだけが撮影可能。また「あおもり犬」だけを見たいなら、美術館に入場しなくても鑑賞可能だったりします。

 

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棟方志功も青森出身。青森市内に棟方志功記念館もありますが、こちらにも比較的充実したコレクションが鑑賞できます。しかも、こちらは全部撮影OK、太っ腹ですな。

 

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1時間ほど美術館鑑賞を楽しんだあとは、また「ねぶたん号」へ。

 

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津軽海峡フェリーの青森フェリーターミナルまで移動しました。「ねぶたん号」はここと青函フェリーのターミナルの両方を経由するルート。新青森駅にも停まるので、フェリーと鉄道とのアクセス手段としても活用できます。

 

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次に出港する函館行きのフェリーの乗船券を購入します。

 

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これから乗船するのは津軽海峡フェリーの「ブルーマーメイド」。就役は2014年と、青森~函館航路に就航する4席の中では最古参にあたります。お隣から出る青函フェリーのほうが運賃が安く、どちらにするか迷ったのですが、繁忙期割り増しで料金が上がっているこちらの方が通年同料金で安い青函フェリーよりも空いていてのんびりできそう…と考えてコチラを選択。

 

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出港までの時間、ターミナル2階の「ハーバーキッチン」で遅めの昼食を頂きました。

 

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青森らしいモノを!と「青森りんごカレー」をチョイス。サラダ付きで700円なら悪くないお値段です。カレーもマイルドで美味しゅうございました。

 

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20分ほど前から徒歩乗船開始。

 

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定刻14:20に函館に向けて出港。隣にはこの船の少し後に出発予定の青函フェリーの船も見えます。

 

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それでは船内を散策。エントランスエリアにはちょっとしたロビーと案内カウンターがありました。この上の階は個室などが設置されていますが、階段付近は2フロア分吹き抜けになっています。

 

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青森や函館のお土産品やフェリーのオリジナルグッズ等も充実した売店も。

 

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自動販売機コーナーもあり、電子レンジが何台も並びます。

 

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まさかここで長万部駅の名物駅弁「かにめし」を売っているとは…。冷凍モノなので、電子レンジで調理して頂くことになります。

 

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窓側はプロムナードになっており、椅子とテーブルが並べられています。ここで過ごすのもなかなか快適な感じ。

 

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船の中央に桟敷席が。枕や毛布などの備え付けはありませんが、横になってくつろげるのは有り難いです。

 

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船の前方は追加料金がかかる指定席「ビューシート」で、大ぶりなリクライニングシートが並んでいました。この日は予約上は「満席」表示でしたが、実際には空きがあるような感じ。恐らく三密回避で販売数を制限しているためかもしれません。

 

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このフェリーの売店、販売商品のチョイスに拘りがみられます。せたな町のひらかわ牧場のアイスとか仕入れているじゃありませんか。

 

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折角なのでお高めですが買ってみました。確かにミルクが濃厚な感じですね。なおスプーンは小泉大臣も安心な木製でしたよ。

 

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下北半島を通過する際、ずっと遠くですが仏ヶ浦らしきところを見ることは出来ました。

 

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3時間40分の航海で函館港に到着です。

 

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函館フェリーターミナルに着岸。

 

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実はここから函館の中心街へ行くのもちょっと面倒な感じです。通常であれば函館駅方面へ行くシャトルバスが午後6時半に出るのですが、お盆時期は特別ダイヤになっていて1時間ほど遅い時間になってしまっています。路線バスもあるのですが五稜郭方面へ行く路線しかなく、そこから市電に乗り換えるルートで遠回り。鉄道の最寄り駅は七重浜ですが、歩くにはちょっと遠い距離です。どうしようか調べていたら、七重浜から函館行きの道南いさりび鉄道の列車が間もなく出る時間で、タクシーあたりで駅まで行けば間に合いそうな感じ。ターミナル前のタクシーに乗り込んで移動です。

 

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ほぼワンメーターに毛が生えた程度の料金で七重浜駅まで来れてしまいました。

 

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もしかしたら「道南いさりび鉄道」になってから乗るの、初めてかもしれない…。駅は無人ですが、きっぷの自動販売機が設置されていたりと管理はしっかりしている様子。

 

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程なく函館行きの各停が到着。2駅だけの乗車ですが…。

 

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塗装はすっかり新会社ですが、車内はJR時代そのままのようです。

 

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わずか10分で函館駅に着きました。しかも五稜郭と函館の間はJR線でしたね。

 

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函館駅前から市電に乗り継ぎ、十字街の電停で下車しました。

 

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これからホテルへ向かうのですが、今夜の夕飯の調達のため「ハセガワストア」へ立ち寄ります。

 

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ハセガワストア」といえば「やきとり弁当」で有名なコンビニ。焼き鳥もオーダーで焼いてくれるのですが、お盆時期はメニューをやきとり弁当だけ限定で営業の様子…。

何しに行ったか謎になった旅、その1:運休でピンチ!

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青森とか函館の方に行ったのですが、結局何しに行ったんだっけ?みたいな感じになりました。まぁ楽しめたからいいんだけどさ。

 

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夜の名鉄名古屋駅に降り立ち、名鉄バスセンターを目指します…が、このトラップはそろそろいい加減に何とかしてくれないかしら。駅の改札を出て地下街を「名鉄バスセンター」の案内看板に従って進むと、ここで行き止まりとなります。昼間はここは名鉄グランドホテルなどへも行けるエレベーターホールなんですが、夜になると閉鎖されてしまいます。それにもかかわらず、夜間の経路案内がありません。何も知らない旅行者なら、ここで途方に暮れてしまうはず。

 

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正解としては、先ほどの通路をもう少し先に進むと地上に出る階段があります。すると名鉄バスセンターへ続くエスカレーター乗り場に出ることができるんです。ただでさえJRに名鉄に地下鉄に近鉄と入り組んで構造が複雑な故「迷駅」とか言われてるんだから、案内看板くらいちゃんとしようぜ。

 

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今夜はここから新潟行きの夜行高速バスに乗車します。

 

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3列シートの夜行仕様の名鉄バスの車両が使われています。名鉄バスセンターを出ると名古屋側には他に停留所はなく、新潟県まで行ってしまう経路です。

 

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発車して30分ほどで消灯となり、約1時間後の恵那峡SAで1回目の休憩です。

 

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10分ほど停車しますが、まだ名古屋を出たばかりということもあるのか、降りる人はそれほど多くありません。

 

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午前4時前に2回目の休憩場所となる米山SA、10分ほど停車しました。

 

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ほぼ定刻の午前5時半過ぎに新潟駅前に到着。

 

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駅前には大きな「NIIGATA」のサインが。最近この手のオブジェって流行ってるような気がする。

 

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国鉄時代の典型的な「民衆駅」だった旧新潟駅ビルの撤去は昨年から始まっていますが、既に高架部分が見えていたりと、かなり進んでいるようです。

 

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新潟からは「青春18きっぷ」を使っての移動です。まずは新発田行きの各停に乗車、すっかり新潟地区の顔となった印象のあるE129系がやってきました。

 

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新発田では新津始発の酒田行き各停へ接続です。羽越線は電化されていますが、途中の村上駅までが直流電化、その先が交流電化と方式が違うため、双方に対応できる電車ではなく「そもそも架線から電気を取らなくていい」ディーゼルカーが活用されています。この列車もGV-E400系が投入されていました。

 

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順調に先へ進んでいたように思っていたのですが、酒田駅到着の前にイヤなアナウンスが…。「大雨のため酒田から羽後本荘まで運転見合わせ中」ってどういうことだオイ。酒田駅に着いたところで、ここで乗り換えるはずだった秋田行きの各停の運休決定が告げられました。すぐに時刻表をチェックすると、直後に発車予定の上り列車で余目に戻り、そこから陸羽西線で新庄まで出て奥羽線へ移れば、かなり遅くなりますが秋田までは到達できることは確認。ホームで迷っていると、駅員さんが「秋田までですか?代行バス出しますよ」と教えてくれました。え!そんなの出るの!

 

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秋田行き各停を利用予定だった乗客が集められ、駅員による行先確認が行われました。代行バスを手配中で、利用予定の駅まで送ってくれる、なんてまぁ親切な。天候事由なんで「次の列車を待て」で放置プレイになってもおかしくないのに、JR東日本やるじゃん。

 

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代行バスが来るまでの間、駅舎内の菓子店「清川屋」で売っていた「だだっ子ソフト」をテイクアウトして一休み。鶴岡産のだだちゃ豆を練り込んだソフトクリームにスティックパイ「HIROKI NO MAKURAGI」を添えた一品です。

 

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待つことおよそ1時間、代行バスがやってきました。JRの駅員さんからは除菌ウェットティッシュを、バスの運転手さんからは乗車時の手の消毒の徹底と、感染症対策はバッチリな感じです。ちょうどこの後に到着する秋田行きの特急「いなほ」も酒田で打ち切りとなるようで、そちらのお客もこのバスに一部案内しようとしていたようですが、先ほどの各停からの乗客でバス車内は6割以上は埋まっている状態。バス運転手は「これ以上は密になるので勘弁して欲しい」とJR職員に訴えており、結果として特急の到着を待たずにこのバスを出すことになったようです。2台目のバスも既に手配済みだったようなので、別にはじめからそれでよかったんじゃないかな。

 

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各停の代行バスですが、羽越線の各駅に寄るわけではなく、もともとその駅で下車予定だったお客がいる駅だけを経由する形で進んでいきました。

 

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結局、秋田駅に到着したのは午後1時過ぎ。各停で来れば酒田から秋田までは2時間弱ですが、バスでは2時間半以上かかったことになります。国道から離れた鉄道駅に寄るような遠回りをした結果だとは思うのですが、この区間の各停はロングシートしかない701系電車とかが来ちゃうんで、リクライニングシートで来れるバスに乗れたのはラッキーだった、と考えることもできるかも。

 

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次の列車まで昼飯を食うのも微妙な時間となってしまったので、弁当でも調達して車内で食べようと画策。秋田といえば「妙にボリューミーな唐揚げ弁当」で知られますが、その有名店のひとつ「たいあん弁当」が秋田駅から比較的近いところにあるじゃないですか! 期待して歩いて行ったら「お盆休み」ってなんでやねん。

 

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仕方なく収穫ナシのまま秋田駅に帰還。

 

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秋田からは五能線を経由して青森まで行く観光列車「リゾートしらかみ」に乗車します。JR東日本エリアのいわゆる「のってたのしい列車」の元祖みたいな存在で、今でも最大1日3往復も設定されるほど。

 

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グリーン車並みのゆったりした座席間隔でリクライニングシートが並ぶ車内は快適そのもの。窓も大きく取られています。

 

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先頭車の運転席後ろには展望エリアが。

 

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さきほど「たいあん弁当」にフラれたかわりに買ってきたのは、秋田駅ビル「トピコ」2階の「みーとらぼ」で売っていた唐揚げ弁当です。

 

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ご飯の上に大きな唐揚げが5個のって580円とお値打ちで、これも「秋田名物のボリューミー唐揚げ弁当」の一種として考えてもよさそうな感じです。唐揚げは味が選べ、「秋田しょっつる味」「秋田味噌甘辛味」の2種類を入れて貰いました。

 

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北金岡駅で特急「つがる」と行き違います。

 

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東能代駅から五能線に入りますが、ここで方向転換。いままで先頭だったほうが最後尾になって出発です。駅には「しらかみ3兄弟」の顔ハメ看板がありました。

 

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東能代駅のホームには何か謎な感じの歌が流れていたのですが、これが「しらかみ3兄弟のテーマ」というやつで、社員が作ったものだそうです。ほのぼのしててイイんですが、歌の中に「ハイブリッドで力持ち三兄弟」みたいなのがあったけど、一人違うのがいませんか? 全然ハイブリッドじゃない車両、「リゾートしらかみ」にいたよね?

 

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五能線に入ると、だんだん日本海沿いに走る区間が増えてきます。

 

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深浦駅で20分ほど、対向列車との行き違いのために停車します。

 

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駅のそばにあった雑貨店は閉店してしまった様子。

 

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深浦駅は駅前すぐに海が広がっており、ここからの眺めも悪くないんですよね。

 

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行き違うのは秋田行きの「リゾートしらかみ」。車両はこちら「青池」編成と同じハイブリッド車のHB-E300系ですが、あちらの「橅」編成は車内に販売カウンターが唯一設置されていたりします。

 

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深浦を出て暫くは岩場の多い海岸が続き、列車も景色が観賞できるよう、減速して進んでいきました。

 

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千畳敷でも15分ほど停車します。

 

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駅の目の前には千畳敷海岸が広がり、皆さん思い思いに散策を楽しんでいる様子。

 

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北金ヶ沢運転停車し、ここでも秋田行き「リゾートしらかみ」との行き違いが行われました。今度すれ違ったのは「くまげら」編成、国鉄時代に製造されたキハ40系ディーゼルカーを改造した車両です。

 

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夜7時前に弘前に到着。五能線奥羽線と合流するのは川部ですが、そこを通り過ぎて弘前まで来てから折り返し、青森に向かうスケジュールとなっています。

 

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終着の青森に到着したのは夜7時半過ぎ。秋田からなんと5時間半にも及ぶ長旅だったわけですね。まぁ車窓風景も楽しく車内も快適なので長く感じることもなく、これが快速扱いで指定席料金だけで乗れちゃうのは大サービスかと。

 

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青森駅も新しい駅舎が供用開始となり、旧駅舎の解体工事が行われていました。おかげでどこにも「青森駅」のサインがないような気がするぞ。

 

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本日は青森で投宿。今夜のお宿は「東横イン青森駅正面口」にしました。暫く前にSNSで1000円引きのクーポンを配っていたのでお安く泊まれましたし。

 

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とりあえず夕食をどこかで、と外へ。駅前には今ではすっかり「中心街再開発の失敗例」とされてしまった「アウガ」がそびえ立ちます。

 

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青森県では特に飲食店への営業自粛要請などは行われていないようですが、今がお盆時期ということで休業している店は多い様子。いくつか事前に狙っていたお店も軒並みお休みでした。そこで目に付いたコチラ、「助六」にお邪魔することに。

 

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ちょっと軽めに、と思って弘前の六花酒造「じょっぱり本醸造で始めます。

 

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青森名物の「貝焼き味噌」を注文。

 

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こちらは「炭火串焼」のお店なので…と「串盛り合わせ」を頼んでみたら500円でこのボリュームだったのはちょっと吃驚。

 

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2品で結構お腹もふくれます。お会計をお願いしたら〆のサービスで「鶏スープ」「鶏の茶漬け」「鶏そうめん」から1品選べるそうなので「鶏そうめん」をお願いしました。呑んだあとに頂くにはちょうどいい塩梅と量です。

 

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途中のコンビニで青森らしく「りんご」を買ってホテルに帰還。今日はもう寝ます。

さよならE4系グリーン車&こんにちは観光急行。

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東京から名古屋へ帰るわけですが、まぁ真っ直ぐ向かうことはないわけで。

 

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ホテルを出て上野駅へ、ここから新幹線に乗ります。

 

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越後湯沢行きの「Maxたにがわ」です。E4系のお別れ乗車は6月末に済ませたつもりではあったんですが、心残りだったのは「グリーン車乗ってない」でした。E4系グリーン車JR東日本の車両の中でも屈指の快適性と言われることが多く、確かに水分前に1回だけ乗ったときも、なかなか快適だったのが印象に残っています。これにもお別れ乗車しておきたかったんですよね。

 

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ホームには乗車位置を示す看板が。10月からはもう「Max二階建」の案内は不要になってしまうわけね。

 

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8両編成のMaxを2編成繋げ堂々16両編成でホームに入線してきました。上野から越後湯沢までだと距離がギリギリで200kmを切るので、グリーン料金がお安く済みます。加えて各駅停車の「たにがわ」なので乗っていられる時間も長くてお得。

 

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E4系グリーン車は新潟寄りの7号車と8号車の2階に設置されています。1階は普通車自由席の設定です。

 

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今回は8号車をチョイス。先頭車なので客室部分が短めな分、個室感がかなり強いです。

 

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低めの天井のところに大ぶりなシートが並びます。

 

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グリーン車のシートはこんな感じ。可動式のマクラ、横幅のゆったりした作りです。

 

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リクライニングもかなり深く倒れます。またこのシートの特徴はフットレストがない代わりに大きなレッグレストが設置されていることかもしれません。これが足もとにフィットして快適なんですよ。

 

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1時間半ほどで終点の越後湯沢に到着です。

 

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見た目新しそうですが、これが今年の10月初旬には引退してしまうんですな。まぁ本来はもっと早く撤退予定だったのが伸びちゃってただけなんだけど。

 

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グリーン車の設置された車両を横から見ると、窓配置で1階の普通席とのシートピッチの違いが良くわかります。

 

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となりのホームに後続の新潟行き「とき」が入ってきました。名残惜しいですが改札口へ。

 

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越後湯沢からは「ほくほく線」経由で直江津まで。もともと北越急行の「ほくほく線」は北陸新幹線の開業前までは首都圏と北陸を結ぶ主要ルートで、上越新幹線で越後湯沢まで来て金沢行きの「はくたか」に乗り換えるのが定番でした。「ほくほく線」自体もその目的で建設されたことから、「はくたか」は在来線では最高クラスの160km/hでぶっ飛ばしていたようなところ。北陸新幹線の開業でメインルートの座は譲りましたが、直江津あたりまで行くのならコチラ経由でもまぁ勝負できます。そこで1日数本、むっちゃ飛ばす「超快速スノーラビット」が設定されているんです。

 

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この列車、越後湯沢を出ると途中停車は十日町だけで直江津まで行ってしまいます。流石に最高速度は110km/h止まりですが、表定速度は90km/h近くに達し、在来線では最速クラスかと思われます。それにしても超快速って英語表記は「"Cho" Rapid」なの?

 

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車内はセミクロスシートと割と平凡な感じ。転換クロスシートの車両もあったと思うけど、特に超快速だからそれ使う、ということはないのかな。しかも1両だし。

 

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直江津に到着。

 

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ここからは「えちごトキめき鉄道」に入ります。窓口で富山までの乗車券を購入しました。

 

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時間があったので駅前へ。

 

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目の前の「ホテルハイマート」の1階で駅弁が売られていたので、ここで昼食を調達します。

 

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また改札を抜けてホームへ行くと、この夏に運行開始となったばかりの「観光急行」が待っていました。JR線から引退した交直流用電車の455系と413系えちごトキめき鉄道が譲渡を受け、集客施策として「観光急行」に仕立てたものです。413系は近郊用で、このカラーリングを現役時代に纏ったことはなかったはずなんですが、恐らくメインターゲットは「史実と違う」とか言い出す面倒くさい鉄オタよりも「そうそう昔こういう急行あったよね確か」というストーリーを買ってくれる人。かなり話題になっているようですし、昼間の急行運用のほかに夜の納涼列車や夜行列車もこなし盛況だそうなので、狙いは当たったんだと言えますね。

 

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ドア横にはサボもちゃんと入ってます。ヘッドマークが「とがくし」でこっちは「アルペン」なのはご愛敬。これもサービス精神でしょうね。「急行」なので急行料金が別途必要で500円也。ただ硬券の「それっぽい」切符で売ってくれます。

 

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こちらは直江津側の先頭車。近郊型なので両開きの広めのドアが2箇所ついてるタイプです。なおホームでも即売などが行われていて、ホテルハイマートで売ってる駅弁もココで買えました。

 

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糸魚川側の先頭車は元急行用。基本的にはボックスシートが並ぶのですが、途中で改造されているのでロングシート部分も設置されています。ホームに来たのが少し遅かったため、既にボックスは一通り埋まっていたため、ロングシート部分に陣取りました。

 

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トイレや洗面台も国鉄時代の香りがプンプンです。

 

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車内の中吊り広告は全て国鉄時代のポスターになっていました。

 

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この観光急行は市振行きで途中停車駅は時刻表上では糸魚川だけなのですが、スケジュール上にはない能生にも停車します。これは鉄道ファンには有名な、とある事件をモチーフにしたもの。その昔、国鉄の「特急」はその名の通り「特別急行」で、そもそも特急が走っている路線自体が少なかったんです。そんな時代の1961年、大阪から日本海沿いに青森まで向かう特急「白鳥」が設定され、その停車駅として能生が時刻表に出ていたのです。地元に特急が通るだけでも大事件なのに、おらが村の駅に停車までしちゃうというのだからもう町じゅう大騒ぎさ!という感じになってしまいました。そして特急の運転開始初日、駅では「ミス能生」や運転士に渡す花束まで用意し、特急をお出迎えしました。ところが「白鳥」は停車したのにドアを開けることはなく出発してしまったのです。これは実は上り列車と下り列車が行き違う目的の単なる運転停車だったことが正しく伝わっていなかったために起きたことでした。「時刻表には描いてないけど能生に停まる」ってのは、このエピソードを知ってるとニヤリとしちゃう件なわけですね。ただ、こちらはドアは開きますけど…。あ、ヘッドマークが「オリンピア」になってる! ちょうどオリパラ期間中だしタイムリーなチョイスです。

 

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停車時間は反対側のホームに行く時間的な余裕もあり、ちょうどいい記念撮影タイムになっていました。

 

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能生を出たあたりで昼食。さっき購入した駅弁「にしんめし」です。

 

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にしんに数の子などがご飯の上にのる構成。

 

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糸魚川駅に到着。ここで降りるお客さんも結構いました。キハ52の保存車やトワイライトエクスプレスのレプリカとか、鉄道ファンが見たくなるものがありますから当然かも。

 

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糸魚川を出て、終点の市振へ向かいます。

 

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直江津から約1時間半、終着の市振に到着しました。

 

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列車は20分ほどで折り返し、直江津行きの急行となります。乗ってきた乗客の殆どは、そのまま折り返し列車に乗っていくようでした。

 

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自分はここから引き続き西を目指すので、戻っていく観光急行をお見送りです。

 

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次の列車までは30分ほど待ち時間があるので、駅で時間を潰します。周辺には特に何もないので、ひたすら待つしかないんですが。

 

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駅舎内には昔の観光案内の看板が掲示されていました。ここが観光の拠点だった時代もあったのかなぁ。

 

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泊行きの各停がやっと来ました。1両編成のディーゼルカーです。このあたりは電化されているのですが、直流区間と交流区間があるために両方を走れる電車を導入すると製造コストが高いため、わざとディーゼルカーが使われています。

 

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終点の泊では「あいの風とやま鉄道」の富山行き各停に接続していますが、まさか同じホームで前後に並んで停まるのは想定外。

 

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富山駅までやってきました。

 

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富山からは高速バスで名古屋へ戻りました。今や中京圏と富山との間はバス利用が一般的になってきちゃったような気がするなぁ。予約時は空いていた筈なんですが乗ってみたらほぼ満席。ちょうど台風が夕方から西日本へ接近する予報だったせいで関西・中京方面の在来線特急が午後から運休し始めたため、そちらからお客さんが流れてきていたようです。

 

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名古屋駅前で下車。途中では激しく雨が降っていたところもありましたが、名古屋はまだ天気は保ってました。