へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

さよならVSE、展望車繋がりで東京まで。

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小田急ロマンスカーの「フラッグシップ」として君臨してきたVSE。2018年にGSEが登場しましたが、その白く流れるようなスタイルはイメージリーダーとして相応しいものでした。それがなんと、この3月のダイヤ改正で定期運行から引退することになってしまったんです。

 

www.nikkei.com

 

暫くはイベントなどには使われるようですが、今後なかなか乗る機会はなくなりそうです。ちょうど東京へ行く用事があったので、ちょっと早めのお別れ乗車をすることに。

 

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名古屋からはまず名鉄特急で豊橋まで。名鉄にも「パノラマSuper」という展望車付きの車両があるんですよね。小田急VSEGSEは2編成づつしかありませんが、コレは10編成以上が現役で、通常の特急としてバンバン走ってます。最近はリニューアル工事も施され、まだまだ使う気まんまんです名鉄。それにしても展望車付きの列車が日常的な普段使いで走ってるって、名古屋凄くないか?

 

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展望室は横4席が5列の計20席。階段状に配置されているので、後ろの方の席でも前面展望はそれなりに楽しめます。自動券売機でもネット予約でも展望席付きの列車は「展望席」の選択肢が出てくるので、座席も選べます。

 

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幸いなことに最前列が取れました…って実は展望室は普段はそれほど人気がない感じです。朝晩の通勤時間帯だと特別席は結構埋まっているんですが、普段はそんなに混んでません。で、普段使いのお客が多いせいか、通常の座席を選ぶ人が多い印象です。展望席は時折、子供連れのファミリーがいたりしますが…。

金山を出ると、神宮前までは名鉄線は複々線東海道線と合わせて6線の区間を進んでいきます。

 

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知立では高架化の工事が進行中。名鉄本線と三河線が交差するため、かなり複雑な構造となるようです。

 

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伊奈を通過すると、飯田線との共用区間に入っていきます。ここで飯田線の複線区間東海道線の複線で4線に。

 

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飯田線が2面2線で発着するホームの隣に1線だけ名鉄が乗り入れる豊橋駅に到着です。しかしまぁ名鉄本線って豊橋側はJRと共用で思うように走れないし、新岐阜側では駅の手前で東海道線をくぐるところで複線が単線にされちゃうしで、なんか結構ハードモードじゃないかしら。

 

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名鉄の電車は、豊橋駅ではすぐ折り返します。なんせホームが1面しかないので長居できないんだよね。

 

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豊橋からは東海道新幹線「こだま」へ乗り換え。

 

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7号車の指定席を取ったら、座席ポケットにこんな案内が。ここ、「のぞみ」運用の時はビジネス専用になる車両だわ。

 

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今日はお天気も良く、新富士付近では富士山が綺麗に見えます。

 

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「こだま」は熱海で下車。このまま小田原まで行っても良かったのですが、ちょっと到着が早すぎてしまうし、豊橋からだと熱海までの方が特急料金、安いんだよね。

 

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熱海から普通列車で小田原までやってきました。

 

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ここから、いよいよ小田急ロマンスカーに乗車です。

 

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ホームには白い車体が印象的なVSEが入ってきました。

 

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土曜の午前中の上りロマンスカーなので基本的にはガラガラなんですが、展望席は満席。1席だけ空いていたところを確保しました。やっぱりお子様比率多めですね。みんな新宿まで乗るのかと思ったら、結構途中駅で入れ替えがありました。VSE引退前の体験乗車みたいな感じが多いのかな。

 

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小田原を出て暫くすると「右手に富士山がご覧頂けます」との車内アナウンスが。「まもなく定期運行から引退するVSEから見える富士山もあと僅かとなりました」なんて言うのね。

 

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VSEは展望車以外の区画については、この丸くて高い天井が大きな特徴です。そもそもVSEは「Vault Super Express」の頭文字をとったもの。Vault=丸天井、と名前にしちゃうくらいですから。

 

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VSEが登場したのは2005年。「箱根観光の足としてのロマンスカー」の復権が目的だったことから、観光目的に大きく振り切った車両になっています。展望席の設置もその一つですが、最もユニークなのは「座席がちょっと窓側にチルトして設置されてる」ってことかもしれません。

 

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ロマンスカーの特徴ともいえる連接構造で、この連結面の下に台車があります。後に登場したGSEは通常のボギー台車なので、VSEが引退すると小田急の伝統ともいえる連接車が姿をけしてしまうことになるかも。

 

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VSEにはカフェカウンターも設置されていました。その昔ロマンスカーでは「走る喫茶室」として、座席までドリンクやケーキなどを持ってきてくれるサービスがありました。1995年に終了し、その後は通常のワゴンでの車内販売のみになっていたのですが、VSE導入と同時にサービス再開となりました。このカフェカウンターは「走る喫茶室」サービス拠点としても使われており、10両編成に2箇所も設置されています。しかしながら、「走る喫茶室」サービスは2016年に再度終了。車内販売も去年なくなってしまいました。

 

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その昔は様々な商品が並んでいたであろうカフェカウンターのショーケースですが、今はロマンスカーのディスプレイで飾られていました。

 

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東京都内に入ると複々線区間に。

 

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下北沢付近では地下化された区間となります。

 

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小田原から約1時間20分で新宿駅の地上ホームに入線しました。実はこの所要時間、JRの湘南新宿ラインの特別快速よりも遅くなってます。小田急っては「新宿~小田原を60分」ってのが目標だったような…。運賃は小田急の方がずっと安いんですが、ロマンスカーの特急料金を足すとJRより高くなってしまいます。VSEの引退も、小田急としては小田原との需要よりは途中区間の需要を重視した結果なのかもしれません。

 

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この雰囲気のある展望室が楽しめるのもあと僅か、というのは残念な気がします。

 

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車両デザインとしては結構イケてると思うんですけどね。GSEは車体が赤くて「え?パノラマカーですか?」って感じなんだよなぁ。

 

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新宿からは中央線・総武線錦糸町まで。錦糸町駅前にある台湾料理の「劉の店」が、今年の1月いっぱいで閉店してしまうんだそうです。

 

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かなり本場っぽい台湾料理を出してくれるお店ではあったんですが、台湾鉄道の駅弁風の「鉄道弁当」が食べられる、おそらく日本唯一の場所だったんです。ファンも多かったようで30分ほど並んで待ちましたが、入店したら鉄道弁当があっという間に出てきました。昔風のステンレスの弁当箱で登場です。

 

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うんうん、この排骨と茹で卵!こんな感じですよね台湾の駅弁って。排骨もスパイスの香りが立っていて、いかにも「台湾の味」って感じです。おいしく頂きました。

 

www.sankei.com

 

ちょうど新聞記事にもなってました、なになに、

”劉さんが編み出した排骨調理法は、ある映画監督の紹介で知り合った名古屋の台湾料理「驛(えき)の屋」を切り盛りする台湾出身女性、正田千媛(ちえ)さんにすでに伝授済みだ。”

って名古屋で喰えるんかい!

東京九州フェリー、おかわり。その2:「それいゆ」乗船+ちょっとだけサヨナラ「ホームライナー」。

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東京経由で名古屋へ帰ります。

 

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夜10時に小倉駅に到着、新幹線口へ。

 

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駅前のバス停からフェリー連絡バスに乗車します。同じ系列の阪九フェリーと同じ乗り場。バスは西鉄バスですね。

 

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小倉駅から門司駅前を経由し、東京九フェリーの新門司港ターミナルに到着。所要は約50分と、そこそこ遠いのね…。これが無料ってのは太っ腹ですが、そもそもこのターミナル付近にバス路線などの公共交通が全然ないからな。

 

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今回のお船は「それいゆ」、前回乗った「はまゆう」の僚船にあたります。「はまゆう」は横須賀市の花から名付けられたそうですが、この「それいゆ」は北九州市の花である「ひまわり」が由来。あ、「それいゆ」ってフランス語で「ひまわり」だからか。って「ひまわり」って要は「さんふらわあ」じゃねぇの? 

なおこの日は乗用車の利用もかなり多い印象です。基本的には貨物やトラック中心の航路だと思っていたんですが、一般客の利用も意外とあるのかしら。

 

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ターミナル1階のカウンターで乗船手続き。ここで検温があるため、全員が並ぶ必要がありました。

 

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乗船開始は午後11時。手続きが終わった頃には既に乗船が始まっていました。

 

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船内は基本的には同型船である「はまゆう」とほぼ同じです。ただ、内装のカラーコードが「はまゆう」が濃いブラウンだったのに対し、「それいゆ」はより明るいブラウンになっています。

 

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利用したのはこれも前回と同じく「ツーリストS」です。そこそこ手頃なお値段で鍵のかかる個室が得られるのは有り難いところ。ただ備品は最低限で、浴衣やタオル、スリッパやアメニティ類は用意されていません。

 

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日付が変わる直前の午後11時55分、新門司港を出港しました。

 

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深夜の出発ということで、船内の施設も遅い時間まで開いています。レストランやショップは深夜1時まで、大浴場も1時半までやってます。

 

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出港してからはまず大浴場へ。このフェリーには露天風呂があるのですが、内風呂は出航前から開いてるのですが露天風呂の解放は出航後なんですよね。停泊中だと外から見えちゃうから、なんだとは思いますが。

 

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お風呂の後はお夜食。博多駅仕入れた「初屋はかたろう」の厚焼き卵のサンドイッチです。このお店、福岡空港で人気の弁当屋で、最近博多駅にも進出したところのようです。

 

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翌朝、お天気は曇り。

 

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朝の9時前で既に室戸岬を過ぎるところまで来てました。まぁ考えてみればこのフェリーの新門司から横須賀までの所要時間は約21時間、9時間経ってれば既に半分近くまで来てるワケです。

 

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朝食はコレも博多駅で購入したミニヨンのミニクロワッサンです。このミニヨンも常に行列ができる人気店で、これを買ったときも夜8時過ぎなのにかなり並んでました。

 

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10時過ぎにアナウンスがあり、昨晩横須賀を出て新門司へ向かう「はまゆう」とのすれ違いが。

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あとは特にやることもないので、船内でのんびりするだけです。新日本海フェリーだと冬期は窓を塞がれてしまうことの多いフォワードサロンも、太平洋は大丈夫なのか問題なく前面展望が楽しめます。船内はWIFIはあるのですが、あまり接続環境は宜しくなく、接続回数制限もあったりします。陸側の窓の近くに行けば携帯の電波が意外と入るので、そこまでWIFIの必要性は感じないかも。

 

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お昼ご飯はレストランを利用しました。

 

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1200円とちょっとお高めですが「三崎港まぐろ&湘南釜揚げシラス丼」にしました。

 

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レストランでのお支払いはセルフレジですが、前回は現金のみ利用可能だったところ、今回はクレジットカードの利用OKになっていました。

 

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食後はショップでおやつを物色。こちらも支払い手段が追加になってまして、以前は現金かクレジットカードが利用可能だったところ、電子マネーも使えるようになっています。

 

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九州っぽく「しろくま」頂きました。

 

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このフェリー、プラネタリウムにもなる小さなシアターがあります。前回もプラネタリウムと映画上映と2回も利用しちゃったのですが…。

 

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今回はプラネタリウム投影のみで、抽選制になっていました。午前8時までに申し込むと9時半に当選発表がある、というような形式です。

 

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ただ上映は1日4回くらい設定されており、この日は全員当選だったようです。ただし上映時間は船側で割り振るので選べません。

 

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40分ほどの上映時間ですが、「ひとをダメにするソファ」に寝そべって見せられると寝るよね、という癒やし映像でした。

 

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駿河湾を越えて伊豆半島の先端である石廊崎付近。伊豆半島のはるか先にぼんやりと富士山が見えました。こんな見え方するんだ!

 

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今日のお天気はかなり雲が多く、夕陽は拝めず。

 

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夕食もレストランで戴きました。

 

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ちょっと居酒屋風に使ってみることにします。サーバーから生ビールを調達。なんか泡が多いなぁ…と思っていたら店員さんが取り替えてくれました。親切。

 

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おつまみはチキン南蛮と秋なすのマルゲリータグラタン。ランチには唐揚げがあるんですが、ディナーではチキン南蛮だけの用意なんですね。グラタンは茄子にトマトソースとチーズをかけて焼いたもので、なかなか美味でした。

 

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日が暮れたころ、東京湾へ入っていきます。

 

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半年前にも来た横須賀が近づいてきます。

 

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横須賀港のターミナルに到着しました。定刻よりもちょっと早着。

 

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着岸後ほどなく下船となりました。

 

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ここからは歩いて京急横須賀中央駅へ向かいますが、10分もかからないくらいの近さです。こんな街中に大型フェリーのターミナルがあるのって珍しくない?

 

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駅前の金券屋に自販機があり、京急株主優待乗車券を売っていました。おかげでちょっとお安く品川まで行けましたよ。

 

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この日は東京まで向かい、友人宅にお邪魔しました。

 

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翌日はちょっと時間があったので、上野にある下町風俗資料館へ行ってみました。

 

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上野駅のすぐ近くという便利な場所にあるのに、実は初訪問でした。小規模ですがなかなか見どころの多いトコだったのね。

 

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名古屋までは「青春18きっぷ」の最後の1日分を使って帰ります。沼津行きの普通列車に乗車しました。

 

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沼津からは今後、なかなか使う機会がなくなりそうなコイツのお世話になります。

 

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その昔は全国各地で運転されていたのに、廃止されたり無理矢理特急化されたりして絶滅危惧種みたいな「ホームライナー」ですが、JR東海ではまだ現役。特に夕方に沼津から浜松まで走る「ホームライナー浜松」は、「青春18きっぷ」で東京から名古屋へ戻るときには重宝する列車でした。しかもこの列車、浜松からはそのまま豊橋行きの普通列車になるので、ライナー券330円で2時間以上もリクライニングシートでゆったり+早く移動できるという優れもの。しかしながら、この春のダイヤ改正で土休日の「ホームライナー」の運転が現状の6本全て取りやめとなることが発表されました。

 

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平日の運転は引き続き行われるようですが、平日にこのルートで移動することってまずないからなぁ…。今度のダイヤ改正は3月12日。それまでにまた乗る機会はなさそうですので、これがお別れ乗車かもしれません。

 

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373系はテーブルが肘掛け設置の小さいものしかないのが不満な程度で、なかなか快適な車両だったんですが、残念です。まぁいいトシなんだから18きっぷで東名間移動とか卒業しやがれ!ってことかな?

 

 

東京九州フェリー、おかわり。その1:危うかったけど九州上陸。

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昨年夏、開業直後に乗った「東京九州フェリー」。

 

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この冬の「青春18きっぷ」の残り2日分を使い、コレにまた乗ってみることにしました。今度は新門司から横須賀までの逆ルートにしましたが、朝に名古屋を出れば、各駅停車を乗り継いで行ってもフェリーの出発時間には充分間に合います。ただ、昨年末に広島まで乗ってきたばかりだし、山陽本線普通列車の接続待ちが以前に比べるとかなり悪くなっているところもあってかったるいなぁ…と思っていました。ところが、九州への移動予定日がANAの「トクたびマイル」で中部~熊本路線が3000マイルで予約可能になったじゃないですか! 残念ながら空いているのは午後出発の便だけでしたが、それで熊本空港に着いても小倉まで行けますし、熊本空港はJRの駅までの無料シャトルが出ているのでアクセス費的にもおトクです。

 

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ただ、熊本から小倉までの移動分でもモトは取れてるとはいえ、せっかく1日分の「青春18きっぷ」を使うのに午前中まるまる活用しないのも勿体ない感じがします。そこで岐阜県鉄道路線で未乗となっている養老鉄道の大垣以北と樽見鉄道を、この機会に片付けておくことにしました。まずは快速で大垣駅まで移動。

 

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まずは養老鉄道の揖斐行きに乗車します。養老鉄道といえば近鉄のマルーン色の電車というイメージが強かったのですが、数年前から元東急の車両が入ってきています。

 

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3両編成でしたが、中央の車両の一部だけ転換クロスシートになってるんですね。

 

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およそ25分で終点の揖斐駅に到着です。そのまま折り返しせず、一本見送ります。

 

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ここ揖斐駅揖斐川町の南端にあたるようです。お隣はもう滋賀県福井県

 

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次の電車で大垣へ戻ります。

 

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今度は樽見鉄道で終点の垂水を目指します。2両も繋がってて凄いな、と思ったら一両は何かの団体専用になってました。

 

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車内はロングシートで風情はありませんが、つり革が鮎?だったりして。

 

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大垣を出たときには車内には立ち客も出るほどの盛況っぷり。これは何だ?と思っていたのですが、途中のモレラ岐阜駅で大半が下車してしまいました。そうかコレか…。モレラ岐阜は「日本最大級」のショッピングモールで、オープン直後にはお客が来すぎて浄化槽の処理能力が追いつかず閉店を早めて大騒ぎ、なんてこともあったところです。クルマ社会で最寄り駅があっても体して使われてないんじゃないの?というわけでもなく、きちんとアクセスとして活用されてるんですね。

 

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谷汲口駅から先は山間部の路線といった様相に。

 

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終点の樽見に到着。ここまではおよそ1時間の列車旅でした。

 

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一応この路線、計画上はここから福井県大野市までを結ぶ予定だったようです。ただ、国鉄時代に開業していたのは本巣の先の神海まで。そこから先の樽見までは第3セクターの「樽見鉄道」になってから工事を再開させて開業しています。

 

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樽見駅はホームがあるだけの無人駅ですが、駅に隣接して「うすずみふれあいプラザ」という待合室的な建物が建っています。春先は薄墨桜の見物客で賑わうようです。

 

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今回は同じ列車で大垣まで折り返しました。ここで5分の接続で豊橋行きの快速に乗る予定だったのですが、この列車が「到着遅れ」のため遅延するとのアナウンスが。このあと金山駅名鉄の空港行きの特急に乗り換える予定で、乗り換え時間が15分もあるので楽勝だと思ってたんですが、なんか怪しくなってきました。折り返しの列車は予定の快速の出発時間から数分遅れで到着、これですぐ発車すればOKだろ、と思ったのですが、なかなか動き出しません。待ってるうちに貨物列車が通過…ってソレ先に通すんかい! 結局、大垣駅の発車は15分遅れ。こりゃ間に合わないか…と暗い気持ちになっちゃいましたが、名古屋駅での停車時間をすっ飛ばして金山着は13分遅れまで取り戻してくれました。

 

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ヒヤヒヤしましたが金山駅でもなんとか名鉄特急に間に合い、予定通りにセントレアには到着できました。保安検査がかなり混んでいましたが、これもなんとかクリア。

 

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出発はバスゲートから。

 

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本日の機材はプロペラ機、DHC8-Q400。バスゲートのすぐ目の前のスポットに駐機していましたがバス移動です。まぁ駐機場を歩かせるのは危ないからね。

 

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今日のセントレア、アントノフの大型貨物機が3機も来てるじゃん。

 

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離陸すると琵琶湖付近を通過していきましたが、愛知川を挟んで彦根側は雪が積もってるのに近江八幡の方には全く雪がなく綺麗に分かれてるのが凄いわ。

 

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阿蘇カルデラ地形、上から見ると良くわかります。

 

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この日は向かい風が無茶苦茶強かったらしいのですが、熊本空港にはほぼ定刻での到着となりました。

 

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熊本空港からは肥後大津駅まで「空港ライナー」で向かいます。この「空港ライナー」、およそ30分ごとの運行で運賃はなんと無料。ワゴン車ですが満席になったら続行便を出して貰えるようです。さんか太っ腹ですが、もともと熊本県には熊本空港までのアクセス鉄道を作りたい意向があり、そのリサーチ的な面もあるのかもしれません。

 

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肥後大津駅まではおよそ15分で到着です。この駅の周辺に台湾のTSMC半導体工場を新設する話が出てきてから、空港鉄道もこの肥後大津での分岐で再検討が始まったようですね。

 

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駅には何故か「やきいも」の自販機が。ってか焼き芋って自販機で売れるもんなんだ…。

 

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ここから「18きっぷ」利用再開。熊本行きの普通列車に乗車します。ここから熊本までは約30分かかるので、「空港ライナー+鉄道」ってのが所要時間的に空港バスより有利というワケでもないのよね実は。

 

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熊本駅前には建設中だった「アミュプラザくまもと」が。昨年春に全面開業したんですが、熊本駅の周辺ってこういう商業施設が全くなかったからなぁ。

 

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列車の遅れなどで昼飯を食いそびれてます。熊本ラーメンと迷ったのですが、アミュプラザ内の「勝烈亭」にしました。本店は新市街のほうにあるのですが、常に行列ができる地元の人気店だそうな。

 

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注文するとゴマや香の物などが運ばれてきます。高菜とかあるのが熊本って感じ。お口直し用です、と大根おろしもついてました。

 

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ちょっと奮発して厚揚げとんかつのヒレ・ロースの合い盛り膳を注文。確かに旨いね。

 

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9階に「展望デッキ」なるものがあったので行ってみました。

 

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ただ、残念ながら特にこれといった眺望でもない感じかな…。熊本城が見渡せたりしたらよかったんだけど、ここからはビルに隠れて見えないようです。

 

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では、小倉を目指します。

 

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まずは銀水行きの普通列車

 

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817系の2両編成ですが、いつ見ても独特な内装ですなぁ。

 

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大牟田門司港行きの快速に乗り換え。これで博多まで行き、いったん途中下車、買い出しなどをしておきました。

 

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博多からはまた門司港行きの快速に。いよいよ小倉まで向かいます。

JR東海の新しいCM、実は凄いのかもしれない、という話。

今回は旅行記じゃないやつです。

 

新CM、話題ですね。

 

www.youtube.com

JR東海の新しいキャンペーン「働くあなたを今日も乗せて<会うって、特別だったんだ。>」が始まり、CMが公開されました。起用されたのは深津絵里。「33年ぶりにJR東海のCMに登場」と、メディアでも話題になっています。

 

www.youtube.com

 

その「33年前」のCMというのがコレです。放映されたのは1988年の年末、まさに「昭和」が終わろうとしていたとき。そしてこれが「伝説」とまで言われることのあるJR東海の「クリスマスCM」の事実上の第1弾です。今やクリスマスソング定番の山下達郎「クリスマス・イブ」は1983年発表ながら、このCMに起用されたことでブレイクした曲だったりするんです。

 

まぁ「クリスマスエクスプレス」シリーズのCMとしては翌1989年の牧瀬里穂出演のほうが印象に残っている人が多いような気はしますが…。

 

www.youtube.com

 

そもそも、このCMのターゲットは誰だ?

 

「あの伝説のCMふたたび」的なニュースになってますが、ちょっと不思議に感じました。だって、前のCMって33年前、平成飛び越えて昭和ですぜ? 確かに「クリスマスエクスプレス」シリーズは強烈な印象を残していますが、それはやっぱり当時これをリアルタイムで観ていた層にとってでしょうし、正直いまの30代以下なら「ふーんそうだんだ」って感じでイマイチ響かないんじゃないでしょうか。

 

でも逆に言えば、この新CMは実際に出張にバンバン行くような年代層ではなく「昔のCMをリアタイで観てた層」がターゲットなんじゃないのか、と。

 

「クリスマス・エクスプレス」の頃。

 

「クリスマス・エクスプレス」への流れは、国鉄分割民営化直後の1987年にJR東海が打ち出したキャンペーン「シンデレラ・エクスプレス」から始まります。

 

www.nicovideo.jp

 

当時、東京発夜9時発の新大阪行きの最終「ひかり」のホームには、週末を東京で過ごして帰る遠距離恋愛カップルが見受けられたそうです。既に数年前から話題になっていたようで、このCMで流れている松任谷由実の曲「シンデレラ・エクスプレス」も1985年のアルバム「DA・DI・DA」に収録されていたもの。これ以降、JR東海は「××エクスプレス」と銘打ったCMシリーズを展開していきます。

 

1998年には「プレイバック・エクスプレス」として同窓会をテーマに。

 

www.youtube.com

 

その次は「ホームタウン・エクスプレス」というタイトルで「都会で働く若手ビジネスマンに帰省をお勧めする」的なキャンペーンを展開しています。

 

www.youtube.com

 

深津絵里出演のCMはこの「ホームタウン・エクスプレス」のクリスマス編として制作されました。

 

ここまで、JR東海の「エクスプレス」CMシリーズが一貫してテーマとしてきたのが「会うのがいちばん。」です。JR東海は「東海道新幹線」という高速鉄道を「人と人とを結びつけるコミュニケーションツール」として位置づけ、そのメッセージを発信しようとしていたわけです。

 

さて、このコロナ時代において、そのメッセージを誰に伝えるべきなのか。

 

動きを止めているのは誰だ。

 

JR東海の新キャンペーンのキャッチコピーは「働くあなたを今日も乗せて」。まさにコロナ禍で激減した出張需要をいかに回復させるか、を目的にしたものであることは誰の目にも明らかです。

 

じゃ、なんで出張が減ったの?といえば、ぶっちゃけていえば「会社がダメって言ってるから」です。

 

prtimes.jp

 

新型コロナの感染が広がり始めた2020年の3月の調査でも、既に半数が「出張自粛・中止の要請があったので延期や中止をした」と回答しています。

 

実際、ここ最近の艦船再拡大においても、多くの企業が「出張の禁止や自粛」を打ち出しています。

 

www.bloomberg.co.jp

 

つまりは、会社のお偉いさんが「出張は自粛しよう」と言ってるから出張が止まっている…と言えなくもないわけです。

 

「会うのがいちばん」を思い出して欲しい人へ。

 

実はここにJR東海が「33年前のCMを今になって持ち出してきた理由」があるんじゃないか、と感じたんですよね。当時、あのCMが「刺さる」年代だった皆さんはもう軒並み50代以上でしょう。恐らくこの年齢であれば、企業でも上級管理職や役員クラスまで出世していてもおかしくありません。そう、まさに「我が社の出張をどうするか」についての決定権を持っている人たちなんです。

 

そういう人たちに対して「会うのがいちばん」だよね?ということをまた認識してほしい。この目的のために、その昔「会う方がいいよね?」というテーマで強烈な印象を残したCMのイメージを活用したのであれば、なかなかのアイデアだなぁ…と感じたわけです。もちろん社員の感染リスクなどもあるので、このCMだけで「じゃ出張解禁だ!」ってワケにはいかないですが、実際に会うことの価値を再認識させるキャンペーンは、今後それなりに有効に作用するんじゃないかな、と思うんですよ。

 

JR東海、本気出してきたかも。

 

JR東海ってあんまり鉄道ファンには「面白みがない」という感じで評価イマイチだったりするんですが「実は凄いのでは?」と…。昨年は「実質子供無料」という衝撃的なキャンペーンを行ってみたり。

 

raillab.jp

これもよく考えれば11月から12月半ばまでって基本的にはファミリー層が動く時期じゃないから利用者はそう多くなかっただろうし、実質的には「エクスプレス予約」の利用促進キャンペーンなんですが、「子供運賃無料」というインパクトの強さでかなりのパブリシティを獲得できていました。

 

定番の「そうだ京都、行こう。」キャンペーンも、最近は特別拝観など結構なレアもの企画が増えたような…。

 

prtimes.jp

 

車両も見た目は同じようなヤツばっかりですが実は新車が積極的に投入されていたり。どちらかといえば今までは「真面目に鉄道事業やってます」のところ、コロナ禍で余力が出来た分の能力を他に割り振ったら結構スゴイもの出来上がってきた、みたいな感じなのかも。今後、もっと面白いものがでてきたりして。

 

 

帰省ついでに鉄道宿へ、その3:現状では日本でここだけ?寝台車に泊まれる「ブルートレインたらぎ」。

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いまのところ「ブルートレイン」で一晩過ごせるのは日本でここだけ、じゃないかしら。

 

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中津からは国道212号線を日田方面へ。天領でもあった日田へは「日田往還」と呼ばれる街道が九州各地から延びており、これもその一つ。耶馬溪の「青の洞門」にも寄り道してみました。

 

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この断崖絶壁を安全に通れるようにと1750年に造られた道で、日本最古の有料道路とも言われてるんだとか。古くから景勝地とも知られていたようですが、だからこそ鉄道が通ったりしたんだろうね。

 

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JRの日田駅に到着。

 

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待合室にはこんなパネルが。そうそう、ここ日田は「進撃の巨人」の作者である諫山創先生の出身地。それで、「進撃の巨人」とコラボした企画をかなり積極的にやってるんです。

 

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駅前には2021年3月にリヴァイ兵長銅像が設置されました。これ目当てらしきお客さんも結構見かけます。

 

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スマホにアプリをインストールすると、こんなARも楽しめたりして。

 

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続いて日田の郊外にある大山ダムへ。

 

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ここは2020年の11月に「エレン・ミカサ・アルミンの少年期の銅像」が設置されたところ。なんだか上を見上げて呆然としてる不思議な像ですが…。

 

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こんな感じで、ダムの上を見上げているんですよね。

 

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で、ARで見るとこう。つまり、巨大な壁の向こうから巨人が出てくる、物語冒頭のシーンを再現しているワケです。ここは日田駅前にも増して多くの観光客がいましたが、こんなとこに来るのはダムマニアか「進撃の巨人」ファンくらいの筈。ここまでの交通の便も決していいわけでもないのに、かなりの集客力ですな。

 

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そろそろお昼時、ご当地グルメ日田焼きそば」の有名店「想夫恋」の大山店に入ります。

 

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日田焼きそばの特徴は麺を鉄板の上でカリカリになるまで焼くことだそうで、カリカリの部分とそうでない部分の麺が混じる食感が面白い一皿でした。

 

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この「想夫恋」日田だけでなく福岡や熊本などの九州各地に加え本州(名古屋にも天白に支店があったじゃん…)にも出店しているのですが、ここ大山店は諫山先生がバイトしていたことがあり、色紙も飾られていたりします。

 

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「想夫恋」のすぐ隣には「道の駅 水辺の郷おおやま」があります。

 

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2021年3月、ここに「進撃の巨人 in HITA ミュージアム」がオープンしました。諫山先生の出身地は日田市といっても旧大山町、まさにこの道の駅のあるあたりなんですよね。自分の故郷にミュージアムができるなんて、まさに「故郷に錦を飾る」みたいなもんだろうなぁ。

 

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実際に使われていたデスク。

 

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様々な原画だけでなく、子供の頃に描いた絵までと展示はかなり充実。そのうえ、ご本人の丁寧なコメントまで添えられています。生まれ育った日田への恩返しのため、だそうですが、それにしてもサービス精神旺盛じゃん!という印象。周囲を山に囲まれた日田という土地が「進撃の巨人」という物語の発想のルーツになったとも言われているので、ご本人の思い入れも強いのかも知れません。いずれにせよ「進撃の巨人」ファンなら必見ですよコレ。「とりあえず全巻読んだ」程度の自分でも楽しめたので。

 

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ここも結構評判のいい「奥日田温泉うめひびき」で日帰り入浴もしてきました。露天風呂がちょっとインフィニティプールっぽいんですよね。

 

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日田からはまた国道212号を南下して阿蘇まで降りてきました。

 

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これも2021年3月に開通した新阿蘇大橋の近くを通過。

 

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阿蘇大橋は2016年の熊本地震で崩落した阿蘇大橋の代替として建設されたもの。阿蘇大橋の残骸の一部は震災遺稿として保存されています。

 

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益城熊本空港ICから九州自動車道に入って人吉ICで流出し多良木町へ。本日の宿泊地「ブルートレインたらぎ」に到着しました。おそらく現在、通年で営業している「ブルートレインに泊まれる宿」としては日本唯一の存在です。

 

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ブルートレインたらぎ」はJR九州から譲り受けた寝台車3両を活用し、2010年7月に開業しました。九州にはほぼ同時期、肥薩おれんじ鉄道阿久根駅前に「あくねツーリングSTAYsion」が寝台車2両で開業していますが、こちらは数年で閉鎖。その車両は今は四国に渡り、新たな宿泊施設として開業準備が進められています。また2014年には岩泉に「ブルートレイン日本海」がありますが、こちらは基本的には夏期のみの営業です。秋田の小坂レールパークでは2015年から「ブルートレインあけぼの」の営業が始まりましたが、こちらも夏期のみの営業な上、2020年と2021年は新型コロナのため休業となってしまっています。つまり、現状で通年で「ブルートレイン」に泊まれる宿は基本的にここだけ、ということになります。

ロケーションはくま川鉄道多良木駅前と大変に便利…と言いたいところなんですが、2020年7月の豪雨で甚大な被害を受けた結果、くま川鉄道は長期運休を余儀なくされることに。この冬にやっと一部区間での運行が再開されましたが、まだ便数も限られています。それ以前に、くま川鉄道の起点となる人吉までの肥薩線も被災して長期運休中です。幸いなことに人吉ICを経由する高速バス路線は多く、それを乗り継げばここまで来ることはできるのですが、以前に比べればアクセスはイマイチになってしまっています。そこでコチラもマイカーで来れるときに来てしまおう、と思ったわけです。まぁその前に何回か来てるんで初訪問じゃないんですけどね。

 

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チェックインは2号車で行います。この車両は寝台区画を撤去してテーブルなどを並べ、フリースペースとして使われているところ。寝台では飲食NGなので、食事などはここで取ることになります。もう営業開始から10年以上経っていますが、非常に綺麗に保たれています。ちょうど今年に改修工事を行ったせいもあるんでしょうね。

 

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今夜泊まるのは3号車のB寝台個室「ソロ」のお部屋です。

 

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室内はほぼ現役時代を留めています。このシートの柄もJR九州所属車のもの。

 

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これは座席?の状態。上の出っ張りは上段の個室の床部分になります。このB寝台個室、現役時代は開放式B寝台と寝台料金が同じ設定でした。少しでも部屋数を稼ぐため、上下互い違いで設置されていたんです。

 

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ベッドメイクは自分でやります(現役時代でもそうだったんだけどね)が、完成した状態がコレ。

 

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枕元には読書灯や部屋のコントロールパネルがありますが、現在こちらは利用できない状態。部屋の照明のスイッチは別に用意されていました。

 

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壁面には折りたたみ式の大きめのテーブル。寝台を座席として腰掛けるとちょうどいい位置になっています。その奥の窓側にはベッドサイドテーブルとして使える台と、その下にゴミ箱がありました。ただし、このゴミ箱は現在は使用不可になっていますが。なお、この壁面にコンセントが増設されています。現役時代は室内にコンセントとかありませんでしたからね。

 

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多良木駅周辺はちょっとした繁華街で飲み屋なども点在しています。「ブルートレインたらぎ」には飲んだ人が運転代行を頼まずにココで一晩泊まってから帰る、という需要も意外とあるそうで、だから営業が続いているという面もあるのかも。そういうところで夕食を済ませても良かったんですが、周辺のスーパーに行ったら馬刺しが安かったので買い出し品を宿で食べることに。

 

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2号車のフリースペースにはテレビも設置されていたり。一応これでも「列車の中でご飯」気分は充分楽しめます。

 

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晩ご飯のあとはお風呂へ。

 

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ブルートレインたらぎ」に宿泊すると、すぐ目の前にある「多良木町ふれあい交流センター えびすの湯」の入浴券が1枚つきます。広い浴槽に露天風呂となかなか立派な施設で、のんびり入浴できるところ。

 

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翌朝目を覚ますと、ちょうどくま川鉄道の列車が多良木駅を出発したところでした。本来はもっと運行本数も多く、時折聞こえてくる列車の通過音が雰囲気を盛り上げてくれるんですが…。

 

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明るくなってきたので、いろいろ見て廻ることに。こちらは「ソロ」の上段個室。屋根のカーブに沿って円を描く窓が独特です。乗車するときにはなんとなく下段より上段の方がトクしたような気がしてたなぁ。

 

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洗面所やトイレはそのまま残されていますが、実際の使用はできない状態。

 

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そのかわり車両に隣接して洗面所とお手洗いのある建物が設置され、こちらが使えます。トイレもウォシュレット付きです。

 

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デッキの給水器。昔の優等列車には必ず付いていた設備です。

 

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1号車は開放式のB寝台、もちろんこちらも宿泊可能です。複数での旅行ならこっちのほうが楽しいかもしれません。

 

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外観も非常に綺麗に保たれています。何と言っても車両に立派な屋根がかけられているあたり、ちゃんと保存する気合いを感じます。野ざらしだと、どうしても劣化が早くなってしまいますからね。

 

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1号車の開放式B寝台、スハネフ14型の外観。

 

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2号車のオハネ15。

 

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3号車もオハネ15ですが、こちらは個室が並ぶ車両です。

 

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個室が上下に互い違いに並ぶので、小さな窓が交互に2段に並ぶ独特の外観です。それにしても、現役時代よりも綺麗なくらいじゃないですかコレ。末期には運行中の車両ですら塗装が剥げてたりしたもんな…。

 

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名残惜しいですが朝9時過ぎに出発。実家へと向かうのでした…。

帰省ついでに鉄道宿へ、その2:耶馬溪鉄道の車両と一晩、「汽車ポッポ食堂と民宿」に泊まる。

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今夜は以前から気になっていた鉄道宿に泊まります。

 

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新門司からは南下して大分県に入り、豊後高田を目指します。市街地に入ると「昭和の町」の看板が出ていました。

 

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ここ豊後高田は国東半島の交通の要所として栄えたところ。しかしながら鉄道の廃線などで衰退してしまい、時代に取り残されたような状態になってしまいました。そこを逆手にとって「昭和の町」として売り出し、今では年間40万人が訪れる一大観光地になっています。

 

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「昭和の町」の散策は「昭和ロマン蔵」から。旧車がずらりと並びます。

 

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一角にはボンネットバスが。土日は実際に街中を周遊する遊覧バスとして走っています。

 

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このバス、ボロボロの状態からここまでレストアされたんですね…。

 

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ここ豊後高田には8つもの商店街があります。どこも昭和のレトロな雰囲気を色濃く残し、これをぶらぶら歩いくのが観光のハイライトです。

 

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こんな時が止まったような食堂がいきなりあったりするわけで。ここ「大寅屋食堂」はカレー一杯350円とお値段も時が止まったような設定なことで有名ですが、残念ながらこの日は午後1時前に営業終了となってしまっていました。

 

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そういうわけでこの「洋食屋チリン」でお昼ご飯としました。以前は洋品店だったところをレストランに改装したようです。

 

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そろそろラストオーダーの時間での入店。「いまならハンバーグ焼きたてですよ」とのお勧めだったので、そのまま従いました。ふっくらと柔らかく焼き上げられており、確かにお勧めするだけのことはありましたけどね。

 

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豊後高田は映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のロケ地でもあります。その「ナミヤ雑貨店」がそのまま残されていました。ただし、中身は美容院。

 

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その後は宇佐神宮へも寄ってみました。

 

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境内は初詣に向け、多くの参拝客が来ることを想定した準備が進められていました。既に参拝経路も一方通行の順路が設定されています。

 

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年末ですが参拝の方も結構いました。後で参道のお土産物屋さんの方とお話ししたところ、通常であればこの時期からでももっと多くの方が参拝に訪れるそうですが…。このお正月は賑わうといいなぁ。

 

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順路に従って進むと下宮が。先ほどの上宮と下宮の両方をお参りすべき、との案内が出ていました。どれだけ祈らせんねん。

 

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門前にはSLが静態保存されていました。JRの宇佐駅からここ宇佐神宮を経由して豊後高田までを結んでいた、大分交通の宇佐参宮線。そこでで使われていたSLクラウス号です。1965年に宇佐参宮線が廃止された際に地元に寄贈されましたが、元々は九州鉄道がドイツから購入したもの。同型機は既に日本でこれだけという、なかなか貴重なもののようです。

 

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宇佐神宮からは北へ戻り中津へ。本日のお宿「機車ポッポ食堂と民宿」に到着しました。ここ、中津駅から伸びていた耶馬溪鉄道の車両を保存しているようなのですが、ネット上でもあまり情報がなく、是非一度実際に泊まってみたいと思っていたところなんです。ただ、中津駅からは2km以上離れており、鉄道で行くのはちょっと微妙なロケーション。今回マイカーで九州上陸したので、行ってみることにしたわけです。

 

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レストランの入口が宿泊のフロントも兼ねており、こちらでチェックインします。

 

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「民宿」と名乗ってはいますが、3階建ての本館と別館があり、おもったより大きな施設でした。これに最近できた別邸まであるんですから。

 

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今回予約したのはシングルルーム。3階の部屋がアサインされましたが、エレベーターがないのはちょっと注意かも。

 

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テレビや冷蔵庫、ドライヤーなど設備は一通り揃っています。

 

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シングルルームはバス・トイレ付き。別館には大浴場もあって24時間利用可能なので、結局こちらのお風呂は使わなかったんですけどね。

 

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ちょっと車両を眺めようと外へ。SLと客車、ディーゼルカーが建物正面に並んでいます。客車とディーゼルカーは一部が建物内に取り込まれているような形。

 

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別邸は1年ほど前にオープンしたばかりの施設。こちらも耶馬溪鉄道のディーゼルカー3両を客室にし、泊まれるようになっています。

 

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この日は3両とも宿泊のお客さんがおり見学などはできず。フロントに室内の写真が飾ってありましたが、車両の外観はそのままですが内装はほぼ一新されているようです。車両1両がまるごと客室になっている分かなり広く、宿泊料金もそれに見合ったレベルに設定されています。今度だれか誘って来ようかな…。

 

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2食付きで予約したのですが、夕食・朝食ともレストランでの提供です。客車とディーゼルカーはレストランの客席の一部として使われています。

 

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客車の方はテーブル席に改装されています。ディーゼルカーはお座敷の個室になっているようでした。

 

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車両の中の座席はファミリーなどのグループに割り当てているようで、自分は一般のテーブルに案内されました。

 

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ドリンク類は地元のものを中心に揃えているようです。

 

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安心院ワインがあったので頂いてみます。

 

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食事はなかなか充実しており、お味の方もなかなかでした。春雨サラダにローストビーフ、お造りが最初に登場。

 

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天ぷらも揚げ立てが出てきました。

 

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茶碗蒸しに…。

 

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中津といえばコレ、とも言える唐揚げも出てきました。

 

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牛肉の陶板焼きも。これにご飯と味噌汁、食後のフルーツまで出てきました。一泊2食で6600円だったんですが、いいんですかこんなに出して。

 

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レストランの壁面には耶馬溪鉄道の在りし日の写真が飾られていました。耶馬溪鉄道は後に大分交通耶馬溪線として、中津から耶馬溪を通って守実温泉までを結んでいた鉄道路線です。全線廃線は1975年ですが、1971年に一部区間廃線となったときに用事身になった車両を、こちらで引き取ったんだそう。

 

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保存されている車両の説明パネルも。日本遺産の一部としても登録されているんですね。ちなみに門司港の九州鉄道博物館に保存されている客車は、このハニフ22とともにここで保存されていたものが寄贈されているんだとか。

 

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ディーゼルカー「やまびこ」号の説明も。

 

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外から一番目立つところに置かれたSL、これは耶馬溪鉄道とは無関係でした…。

 

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朝食も充実した内容。小鍋の中はハムエッグでした。

 

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明るくなってからもう一度、屋外から車両を眺めてみます。

 

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「やまびこ」号は側面がレストランの壁の一部として組み込まれており、外からかなり目立ちます。

 

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9時過ぎにチェックアウトして出発。今度は別邸に泊まるぞ!

帰省ついでに鉄道宿へ、その1:名門大洋フェリー新造船「フェリーきょうと」で九州まで。

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この年末年始は久々に実家に顔を出しに行ってきました。まぁまぁの田舎なもので、今回はマイカーでの移動に。九州までずっと運転するのもダルいので、途中はフェリー利用、名門大洋フェリーが最近就航させたばかりの新造船「フェリーきょうと」にしてみました。

 

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名古屋からは東名阪→名阪国道→西名阪→阪神高速のルートで大阪南港まで向かいました。2020年に阪神高速6号大和川線が全通したおかげで、大阪南港までのアクセスがかなり便利になった印象です。

 

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ターミナルで乗船手続き。ここで検温が行われており、乗客全員が検温済み証を貰う必要がある運用でした。

 

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これが本日乗船する「フェリーきょうと」…ですがこの位置からじゃ全貌が全く解りませんね。この2021年の12月に就役したばかりの新造船で、名門大洋フェリーでは最大級の大きさとなりました。2015年に就役した「フェリーおおさかⅡ」「フェリーきたきゅうしゅうⅡ」が全長183m、総トン数15000トンですが、この「フェリーきょうと」はもう少し大きく全長195m、総トン数15400トンとなりました。この船が代替する「フェリーきょうとⅡ」は全長167m、総トン数は9800トンですから、これから比べるとかなりサイズアップされていることになります。最近はトラックドライバー不足やモーダルシフトでフェリーの需要が高まっていますが、その流れなんでしょうね。

 

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午後7時頃に乗船となりました。

 

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トラック甲板からスロープでワンフロア下の乗用車用スペースへ。

 

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客室へ繋がるエレベーター入口には、自分の車を駐めた甲板がどこか解るようなカードが設置されていました。これは親切です。

 

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エレベーターで6階のエントランスエリアへ向かいます。

 

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案内所へ立ち寄り、客室の鍵を受け取りました。

 

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今どき珍しく?なのか、客室の鍵は一般的なシリンダー錠でした。今回利用したのは一人用の個室「ファーストS」です。

 

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「ファーストS」の室内はこんな感じ。広さは最低限ですが、プライベートが得られて一晩過ごすなら充分でしょう。なお、船体中央部にあるので窓はなく、携帯の電波も入りにくい感じです。ただ、船内WIFIは設置されており、1日3回まで、1回当たり30分まで利用可能。時々圏外になったりして使い勝手がいいわけではないのですが、それでもあるだけありがたい、というところでしょう、

 

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デスクの上には船内案内にポットなどのお茶セット、ティッシュなどが用意。

 

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室内には洗面台もあります。ロゴ入りのフェイスタオルもあって、こちらはお持ち帰り可能。歯ブラシも用意されています。

 

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ベッドの上にはナイトウェアと使い捨てスリッパもありました。

 

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おおむね快適なお部屋なんですが、ちょっと困ったのがこのエアコン。ベッドに横になると、吹き出し口からの風がモロに顔や体にあたる位置なんですよ…。ルーバーの角度は調整できるんですが、どのポジションにしてもあまり改善されませんでした。結局この日は寝るときはエアコンをオフにしてしまったのですが…。

 

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まもなく出航。デッキに出てみます。

 

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お隣には四国オレンジフェリーの「おれんじおおさか」が。9月に乗ったばかりの船ですが、こちらも「フェリーきょうと」と長さ・トン数ともほぼ同じサイズの大型船です。

 

slips.hatenablog.com

 

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19:50の定刻で出航。地上スタッフの皆さんがライトでお見送りしてくれました。

 

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大阪南港を離れ、一路新門司港まで一晩の航海へ出発です。

 

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出航後、船内レストランで晩ご飯としました。名門大洋フェリーのレストランはどの船も基本的にはバイキング形式での提供です。このときは新造船就航キャンペーンとして、通常1600円のディナーバイキングが1000円、朝食が750円のところ500円という割引価格になっていました。そのためレストラン前はかなりの行列で、少し入店まで待つことに。

 

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レストランのキャパは結構大きな印象。中央にはビュッフェ台があり、各種の料理が並びます。

 

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特段豪華な食材が出てくるわけではありませんが、九州各地の名物料理もあったりと悪くない充実っぷり。生ビールはサーバーで提供され1杯500円、あわせて1500円で済んでしまいました。

 

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もつ鍋や皿うどんなんかもあったりして。

 

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デザートもフルーツやソフトクリームなどが揃っていました。

 

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夕食の後は大浴場へ。阪九フェリーのような露天風呂はありませんが、大きな窓を備えた広めの展望風呂です。洗い場がブース毎にパーティションで仕切られているのですが、ちょっと区画の幅が狭いかな…。

 

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少し船内を探索してみましょうか。客室は6階から8階までの3フロアに設置されていますが、最上階の8階は全て「デラックス」と「スイート」と、この船の最上等級の客室のみ。主にその下の2フロアにパブリックスペースがあります。

 

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6階の案内所近くにはキッズコーナーがありますが、感染症対策で使用中止でした。

 

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そのわりにはゲームコーナーは稼働中。

 

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この船で最もリーズナブルな客室はカプセルタイプの2段ベッドが並ぶ「ツーリスト」で、いわゆる雑魚寝部屋はありません。それでも鍵のかかるスペースが無いのが心配な方向けに、貴重品ロッカーやコインロッカーが設置されています。有料の携帯充電器もありますが、客室には全てコンセントあり。

 

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これも有料ですが冷蔵ロッカーがありました。要冷蔵のお土産なんかをうっかり買ってしまったときなどに重宝しそうです。

 

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売店は案内所脇にありますが、加えてソフトドリンクやアルコール、カップヌードルにアイスなどの自動販売機コーナーも充実。ウォーターサーバーや給茶機もあり、紙コップも備え付けられていました。

 

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エントランスエリアにはテレビコーナーも。

 

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6階と7階の間は吹き抜けの階段で結ばれています。

 

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展望大浴場があるのは7階ですが、同じフロアに展望ラウンジもあります。こちらは夜には照明が落とされ、窓から瀬戸内の夜景が楽しめるようになっています。

 

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こちらのフロアにもテレビコーナーがありました。

 

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翌朝8:30、定刻で新門司港に到着しました。

 

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名門大洋フェリーは大阪側の乗り場は大阪メトロの南港ポートタウン線「フェリーターミナル」駅前にありますが、新門司港でも無料の送迎バスで門司駅小倉駅まで行けるのでクルマなしの徒歩乗船でも便利です。新門司港ターミナルの玄関口には送迎バスが4台、今日は徒歩乗船のお客さんも結構多いみたいです。

 

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下船の時に、ちょっと気になるエリアをのぞき見しました。「フェリーきょうと」から新しく設定された等級「コンフォート」です。

 

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個室ではありませんが1段ベッドで、「ツーリスト」と「ファーストS」の中間みたいな位置づけですね。料金的にもその中間くらいではあるんですが、正直ビミョーかな…。通常期で「ツーリスト」に1300円出せばこの「頭上のゆとり」が得られますが、コレにあと1800円足すと「個室」になる、といった感じなワケでして、それなら個室のほうがコスパいいんじゃね?という考え方もできそうな。「ファーストS」だとタオル・歯ブラシ・ナイトウェアもついてきますしね。

 

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着岸して暫くすると、車両甲板の開放が始まりました。階段で自分の車を駐めたフロアへ戻ります。

 

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この上のトラック甲板の下船が先に行われ、3階の下船が始まったのは着岸後20分ほど経過したあとでした。

 

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で、九州に上陸!

 

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こうしてみると、やっぱり大きな船です。なんか違和感があるなぁ…と思っていたのですが、よく見たら「車両甲板の開口部」がこの船にはありません。名門大洋フェリーの船だと、今まではどれも「車両甲板には大きな開口部がある」だったのですが、この「フェリーきょうと」は「壁」です。何かコンセプトの変更でもあったのかしら。

 

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船内で朝食を採らなかったので、下船後に九州ならではのファミレス「ジョイフル」へ。愛知県内にも店舗はあるんですが、わざわざ行くような場所にないので縁遠いのよね。

 

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なんだか旨そうだったのでパンケーキを注文。ただ、このくらいになるとお値段的に他のファミレスに比べて圧倒的なコスパの良さを感じるほどではなくなっちゃいますねぇ…。